“使われ方”も重要になる?!  

採用のプロが語る「人材の使い方論」


 
人材の活用方法がウマい企業であれば、“使える組織”である可能性も高い。“使える組織”では、どのように 人材を活用しているのだろうか? 採用のプロが語る「人材の使い方」から、組織の活用方法を探ってみよう。 《2007年4月号より抜粋》

>>  今週の新着求人を見る  <<

ベリングポイント株式会社
人事部 
平野


豊富なナレッジと教育制度から求めるものを自発的に選択できる


戦略立案からシステム導入までを一貫して手掛けているベリングポイントでは、「SAPおよびオラクルのシステム導入経験者の採用に力を入れている」と人事部の平野氏は話す。

では、同社に入ると自分を成長させるためにどんなリソースを活用できるのか。平野氏はまず、豊富なナレッジの蓄積を挙げる。 「当社はKPMGコンサルティングとアンダーセンのビジネスコンサルティング部門との事業統合によって生まれ、100年にわたる歴史がある。その中で培ってきたノウハウやメソトロジーを共通言語としてグローバル規模で共有しています。方法論やメソトロジーだけでなく、提案書から報告書に至るまで社員なら誰もが閲覧でき、学ぶことができます」

さらには教育・研修制度も充実。eラーニング、勉強会、海外でのトレーニングプログラムなど、多様な学習機会が用意されている。 「eラーニングは語学からシステム、ロジカルシンキングやプレゼンテーションスキルまで、グローバルで3000以上のコースがあります。社内では勉強会も頻繁に開催されており、自分の所属するチーム以外の勉強会にも自由に参加できるので、自発的に興味の幅を広げ、知識を深めていくことが可能です」

同社の豊富な研修制度において共通しているのは、個人の意志に応じてトレーニングが実施されるという仕組みである。つまり会社が画一的なカリキュラムを押しつけるのではなく、自分が伸ばしたい分野を自分で選択していける環境が整えられているということ。研修を『教育』ではなく、『学習』と位置づけている点からも個人の意志を重んじたキャリア形成が実践されていることが分かる。

「重視しているのは“セルフスターター”、“オーナーシップ”“チームワーク”の3つ。会社が個人のキャリアを決定するのではなく、自らが伸ばしたいキャリアを定義し、能動的にキャリア形成を実現していくカルチャーがあります。ベリングポイントのカラーに染まらなくてはいけない、ということもありません。ベリングポイントという画用紙の上にはあらゆる色が点在していていい。会社のリソースを活用しながら、自分がやりたいことを積極的に実現して欲しいですね」
株式会社ディー・エヌ・エー
総合企画部 副部長
兼 管理グループ
グループリーダー
三原一晃


新規事業の提案力とやり遂げる力を磨く


1999年に設立以来、オークションサイトやケータイサイトの企画運営に取り組んできたディー・エヌ・エー(以下DeNA)。現在、「新たな創業期」という位置づけのもと、その核となる新規事業の拡充に邁進中だ。

事業のアイデアは、社内のどこからでも生まれてくる。2月に会員数300万人を突破した『モバゲータウン』も、最初は、エンジニアの小さなアイデアに過ぎなかった。それを3名程度の少人数で具現化させ、わずか数カ月でサービスインにこぎ着けた。 「当社は、ビジネスの生まれる道筋にはこだわりません。若い社員のヒラメキから事業が発展することもあります」

こう語るのは、同社で採用に携わっている三原一晃氏。DeNAには、若手社員が抱く「良質な非常識」を歓迎し、遠慮なく話せるような環境があるという。

また、DeNAでは、どの職種で入社した人材であっても、成果をあげれば希望の部署に行ける体制を取っている。 「エンジニアや営業として入社した若手が好成績を出し、新規事業の責任者になった事例もあります。新しいキャリアのステージを提供することこそが、人材を大切にすることだと考えているため、一つの部署だけに優秀な人材を囲い込むことは絶対にありません」

そんなDeNAが今年から新たにはじめたのが「新規事業提案制度」だ。日頃温めてきた事業計画を、役員一同の前でプレゼンできる。このほど行われた第一回では、「ロジカルでハイレベルな役員につっこまれ、タジタジになってしまった若手もいた」というが、早くもリベンジに意欲を燃やす者もいるという。

このように、自分自身の成長や、自分が企画するサービスの実現を目指す人間にとって魅力的なDeNAだが、もちろん厳しさも半端ではない。 「当社は、新規事業に取り組む際に、失敗という概念を持ちません。つまずいても、猛スピードで乗り越えなければならない。裁量権も大きいですが、責任も大きいのです」

アイデアをカタチにしたいという人にとっては、やりがいとチャンスに満ちた組織だといえるだろう。
株式会社クライス アンド カンパニー
代表取締役社長
丸山貴宏


引き抜きの対象は取引先仕事ぶりをシビアに評価


転職のひとつのパターンとして、企業の担当者同士というつき合いから発展し、その組織へ入社するというケースがある。特に、事業計画の立案に携わったコンサルタントがそのままクライアントに転職するというのは、珍しいことではない。

一方で、クライアントやパートナーへの転職はタブーという業界もある。IT業界における1次請けと2次請け企業間の転職などが顕著な例だ。

しかし実際は、いわゆる“引き抜き”が行われている。ヘッドハンティングや人材紹介を手掛けるクライス アンド カンパニー代表取締役社長の丸山貴宏氏は、次のように語る。 「ヘッドハンティングの第一歩は、お客様企業が独自に対象者リストを作ることからはじまります。

このリストは、取引先からピックアップされる場合がほとんど。取引先の名刺を参照することが多いですね」 このリストから最終的に転職に至るのは30人に1人程度だというが、企業側、人材側双方にとってよく分かっている相手同士だけに、入社後のギャップが小さくて済むというメリットがある。

ただし、ヘッドハンティングがきっかけの転職にありがちなのは、自信過剰になってしまったがゆえの失敗だ。 「ヘッドハンティングされたことは誇りに思っていただきたい。でも、入社してしまったら、他の中途採用者と同じ。早急な気持ちの切り替えが大切です」

結局のところ、相手の信頼に応える誠実な仕事ぶりを発揮できている人であれば、クライアントから声が掛かることはよくある話だという。丸山氏は、「20代でコンサルティングや営業に携わっている人なら、お客様から声を掛けられて当然。むしろ、声が掛からなければ危機感を覚えるべき」と話す。 「良い仕事をしていれば、社内でも社外でも、信用と評価を勝ち得ているはず。そんな人材から入社の意思表示があった場合、無視する人はいないでしょう。取引先の担当者から人事に取り次いでもらい、自力で内定を勝ち取ることもできるはずです」

社外組織への転職は、それまで培ってきた実績に左右されるといえよう

typeのおすすめサービス

サイトでは検索できない非公開求人をキャリアアドバイザーがご紹介。さらに、職務経歴書の書き方や、受かる面接のコツなど、転職ノウハウを伝授!
情報を登録しておくだけで、あなたに興味を持った企業の採用担当者から直接スカウトが届きます。
正社員で成長したい女性のための転職サイト!
「女性管理職がいる」、「働くママ歓迎」など、女性ならではのこだわり条件から求人を検索できる!