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メガマック
『ビッグマック』のパティを2枚から4枚へ倍増。ボリュームに反して350円と手頃な価格で爆発的にヒットした |
日本マクドナルドが2007年1月12日から期間限定で発売した『メガマック』。『ビッグマック』を上回る4枚のパティを使用しており、見た目のインパクトもあって発売直後から話題に。発売からわずか4日間で販売見込数の2倍となる332万食を売り上げた。
メガマックの企画開発がスタートしたのは2006年の夏。その背景についてマーケティング本部の須藤順一氏は「サラダマックやエビフィレオなどの商品を展開することで、女性の来店者数は順調に伸びていました。一方で男性客数は横ばいの状態。そこで2007年は男性向けの商品を打ち出そうと考えたのです」と話す。
そこで着目したのが、すでにアメリカやカナダで販売実績のあったメガマックだった。しかし当初は「これほどボリューム感のあるメニューが日本の市場で受け入れられるのか」という懸念もあったという。だがサンプルを試食してみると、その不安は吹き飛んだ。
「肉の枚数が増えたことで、ビーフのおいしさが想像以上にダイレクトに伝わってきた。弊社には多様なメニューがありますが、やはりビーフを使ったサンドイッチはマクドナルドの原点。これならお客様に本来のマクドナルドらしさ≠存分に味わっていただけるはずだと考えました」
まずは2006年の10月から11月にかけて、東京都内の10店舗で試験的に販売。通常のテスト販売ではたまたま来店した人が店頭の告知を見て商品を購入するケースが大半だが、リサーチの結果、メガマックに限ってはクチコミで情報を知ったという人がかなりの数に上った。「これはクチコミでの波及効果が高い商品になると確信しました」と須藤氏は話す。
また、メガマックは見た目のインパクトや迫力が最大のアピールポイントとなるため、店頭のPOPやテレビCMでもイメージ戦略は採らず、商品の全体像をシンプルに見せることに徹した。それが功を奏し、消費者に「あのボリュームに挑戦してみたい」という好奇心を抱かせることに成功。しかも一度食べると、今度はその達成感や満足感を誰かに伝えたくなる。こうしたクチコミとの相乗効果が爆発的なヒットにつながった。
当初の予定を1カ月延長して販売を終了した後も復活を望む声は多く、4?5月には再度期間限定発売を実施。6月8日からはメガブラザーズ第2弾として『メガてりやき』を発売中だ。