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サンプル・ラボ
著名なデザイナーを起用した明るく華やかなインテリアも、ターゲットを意識して設計されている |
2007年7月25日、東京・神宮前の一等地にオープンした『サンプル・ラボ』。テレビのニュース番組や新聞誌面で取り上げられるなど、一躍話題のスポットとなり、8月末現在で会員数は2万8000人を超えた。このプロジェクトを推進したのが、全国規模で試供品や新製品の街頭配布などを手がけていたメル・ポスネットだ。
「繁華街へ行って3日間で10万人にサンプル商品を試供する依頼を受けた際、企業や広告代理店、そして我々も結果に満足できなかった。それがサンプル・ラボを立ち上げる原点でした」と取締役営業部長の松下昌示氏は言う。
プロジェクトが始動した2005年初頭には、ターゲットに直接響くように欲しい物を自由に取れるシステムを実現できる店舗型の広告媒体にするというマーケティング手法だけが決まっていた。
松下氏を含めた3人のプロジェクトメンバーは、出稿企業、広告代理店などを含めてゼロからコンセプトを固めていったという。
「ターゲットを可処分所得が高い25?35歳の独身女性に設定し、この新しいマーケティング方法を実現できるフラッグシップ媒体としての位置付けを目指しました。日本の流行発信地≠ニいうロケーションを設定したのです」と松下氏は当時を振り返る。
また、広告媒体としての機能を活かすために、携帯電話を会員証代わりにし、消費者からの評価を確実に企業へフィードバックする仕掛けを考案した。
「PCや携帯電話からサンプル商品に対する評価ができるシステムにしました。属性が明確なターゲットから毎回5割以上のアンケートが回収できる点が、サンプル・ラボの最大のメリットです」
サンプル商品を陳列するためのスペースは2週間単位で出稿企業に提供する。ショールームを持たない通販会社や食品会社とのコラボレーションなども、サンプル・ラボだからこそ実現可能な販売促進戦略だ。
プレオープンには“高感度なブロガー”約200人を招待。ネットを通じて広まる“口コミ効果”も最大限に活用するなど、緻密な集客方法を採用した。
「すでにポータルサイトとの連携やほかの地域への出店など、「すでにポータルサイトとの連携やほかの地域への出店など、さまざまなオファーがあります。今後は異なるターゲット層へ向けた店など、サンプル・ラボの特性をさらに進化させる展開を慎重に考えているところです」