三井住友海上火災保険で官公庁担当の営業マンとして活躍中の石井幹喜氏。前職は大手航空会社の総合職で、航空便の荷物管理のほか、機長や副操縦士の乗務スケジュールの作成などを手掛けていた。
「旅行好きで、さまざまな文化に触れたいと考えていましたから、航空会社に入ったのも自然な流れでした」
しかし、2年目に人事部で新卒採用業務を担当し、多くの学生に出会ったことがきっかけで転機が訪れる。
「エントリーシートを読み、学生から質問を受ける中で、今より社会を知らなかった学生時代の私は、果たして正しい決断をしたのだろうかと思うようになりました」
その仮説を検証するべく、自らの市場価値や年収は適正か、今の仕事は適職かなどを考える時間を持ったという石井氏。可能性を探る中で、今の会社でキャリアアップしていくより、顧客と直接会う機会が多く、ニーズを探って提案できる損害保険会社の営業の仕事に魅力を感じ、転職を決意する。
「転職を繰り返すことは避けたかったので、転職に踏み切る前は不安もありました。しかし、友人から『転職なんて成功するか失敗するか分からない。思い切って新たな環境に飛び込んでみてもいいのでは』というアドバイスをもらい、少し気が楽になりましたね」
転職して一番うれしかったのは、顧客から 「相談して良かった」と言われることだ。形のないニーズを具現化していくのは損保営業の醍醐味。顧客に安心を提供するため、石井氏は今日も都内を飛び回る。