若手リーダーたちの「逆境」体験記  

20代・30代リーダーが乗り越えてきた「マネジメントの逆境」

現在、さまざまな企業で活躍している若手リーダーたち。彼らも初めて現場を任された時、新たな役割に悩み、失敗を経験してきた。それを克服して得た“気付き”とは?
取材・文/武田敏則(グレタケ)、長田幸康、伊藤健吾(編集部) 撮影/赤松洋太、大澤 誠、矢野健久、大島哲二 《2008年5月号より抜粋》

「あなたはどう考えている?」の一言がチーム力を高めていく

「24歳でチームリーダーを任されたばかりの頃は、私がどんどん動いて背中を見せることが、メンバーのためになるんだって思っていました」

サイバーエージェントの石田裕子さんはそう振り返る。

石田さんは、新卒で入社してすぐに広告事業部門で活躍。社内MVPも何度か受賞した。そんな彼女が初めて感じた壁。それがマネジメントの難しさだった。 「困った状況になったら、いつでも私が『答え』を出してメンバーに指示をする。その連続でした」

そんな毎日を、ある出来事が変えた。とある顧客のクレーム対応の際、メンバーがふと、こう話し始めたのだ。 「石田さん、対応お願いできますか?」

そこで生じた疑問。今までの私は、メンバーが自分で考え、自ら課題を解決していく機会を奪っていたのではないか?   この小さな気付きが、マネジメント手法を変えるきっかけになった。 「自分がメンバーだった頃のことを思い出してみたんです。当時の上司は、経験の浅い私にもどんどん仕事を任せてくれました。たくさん失敗もしましたが、課題を認識して自力で乗り越えていくプロセスの中で成長できたと感じているので、次は私がメンバーにそれを伝える番だと」

今年の2月から、同社で初となる女性局長のポストに就任。預かるメンバーもリーダー時代より格段に増えた。メンバーとのコミュニケーションは「これまで以上に大切にしている」が、指示と指導の違いを知った今、接し方は以前とは違う。 「あなたはどう考えている?」

最近、よく口にするようになったセリフだ。状況を理解した上で、彼ら自身に考えてもらう。手を差し伸べるのは、その後でも遅くはない。この良い意味での開き直りが、石田さんのマネジメントのベースになった。

ノルマ達成率200%という驚異的な営業数字が、彼女のグループが順調に成長していることを証明している。

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