若手リーダーたちの「逆境」体験記  

20代・30代リーダーが乗り越えてきた「マネジメントの逆境」

現在、さまざまな企業で活躍している若手リーダーたち。彼らも初めて現場を任された時、新たな役割に悩み、失敗を経験してきた。それを克服して得た“気付き”とは?
取材・文/武田敏則(グレタケ)、長田幸康、伊藤健吾(編集部) 撮影/赤松洋太、大澤 誠、矢野健久、大島哲二 《2008年5月号より抜粋》

韓国で学んだ「価値観の違い」を超えるマネジメント

「それ、面白そうですね。誰が行くんですか?」 海外戦略を決める合宿会議での発言が目立ったせいか、韓国でのエレクトロニクス事業の起ち上げを任された荘司秀佳氏。

ソフトウェア会社に7年間在籍した後、32歳で新天地ミスミへ転身。その2年後のことだった。

協力メーカーと連携しての新工場設立はスムーズに進んだ。同時に任されたミッションは、ハングル語でのエレクトロニクス製品カタログの作成。現地法人で採用した韓国人メンバーを束ねて、5カ月で仕上げねばならなかった。 「仕事に対する価値観が日本人と違う上、ミスミの一員というマインドも浸透していない。まずはメンバーにミスミのやり方を示すため、現場で自ら手を動かすことが大切だと思いました」

気が付けば、ほとんどの仕事を自分でやっていた。朝4時まで働き、タクシーで帰宅。2時間寝てまた出社。それでも現場のメンバーはまったくついてこなかった。 「俺がこんなにやっているのに、なんで動いてくれないんだ?」

そんな日々が3カ月も続き、「もう限界だ」と感じるようになった頃、カタログ作成は終盤戦を迎えていた。 「そこからはハングル語で文章を書く作業が中心で、私には手が出せません。現地のメンバーにすべてを委ねるしかなかったんです」

すると、チームの空気が一変。現場が円滑に回り始めた。 「任されているという自覚が、人を動かすんだと実感しました。私は現場へのハンズオンを意識するあまり、彼らのテリトリーに入り過ぎてしまったんですね」

その後は、FAエレクトロニクス事業部・電機電装事業チームで事業統括ディレクターを経て、今年4月からEC事業部の事業開発チーム統括ディレクターに就任。 「まだメンバーの仕事に口を出し過ぎそうになりますが(笑)、それをグッとこらえて、できるだけ一気通貫で仕事を任せるようにしています。それが、いずれチーム全体のレベルアップにつながると信じていますから」

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