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ユニクロ『UT』
2008年は、「TOO MANY T-SHIRTS.」をキーワードに、「アート」、「マンガ」、「企業コラボ」など37カテゴリーを展開。販売目標は、1200万枚以上 |
独自性の高さで“世界一のTシャツブランド”を目指す
ユニクロが2007年4月に立ち上げたTシャツブランド『UT』。国内外のアーティストや企業とコラボレーションした独自性の高いデザインが注目を集め、2008年は1000色柄以上の多彩なバリエーションを展開する予定だ。
そもそもユニクロでは、2003年から、Tシャツプロジェクトを展開していた。それをブランド化するきっかけとなったのは、2006年11月に『ソーホー ニューヨーク旗艦店』を開店した際、日本を代表するアーティストやクリエイターがデザインしたTシャツを取りそろえた「Japanese Pop Culture Project」を実施したこと。これが大きな反響を呼び、「世界一のTシャツブランドを作る」という構想が持ち上がった。
「ユニクロではTシャツを一つのメディアとしてとらえています。例えば、ロックバンドのTシャツを着ていれば、自分がファンであることが周囲に伝わる。Tシャツは情報を発信したり、自分を表現することのできるアイテムなのです」
Tシャツが持つ魅力と可能性をこう語るのは、UTデザインチームのリーダーである松沼礼氏。グローバル展開を推進し、情報発信および製造小売業を基軸とするユニクロにとっても、同社のブランドコンセプトを体現しやすいTシャツは、海外市場拡大のカギを握る重要な商材だ。UTの人気カテゴリーにマンガやアニメがあるが、それもユニクロが世界に向けて打ち出したいと考えるクール・ジャパン≠フイメージを表現するのに最適なコンテンツだと考えたからだ。
「ただし、UTのTシャツは、その企画に賛同してくれるアーティストや企業があってこそ成立するもの。『Tシャツを通して、日本の持つ素晴らしさを世界に発信していきたい』という我々の熱意や思いを、いかに相手に伝えられるか。それこそが商品開発のカギですね」
ブランド化と同時に、Tシャツの専門店を東京・原宿にオープン。未来のTシャツのコンビニエンスストア≠コンセプトに、商品をプラスティック製のボトルに詰めて陳列するという斬新な販売手法が話題を呼んだ。現在は、来店客の3割強が外国人。「ユニクロ発の東京土産」という新たなニーズの掘り起こしにも成功している。