人材業界のスペシャリストが語る「開発現場主義」キャリアの魅力

二次請けをはじめとする開発会社への転職は、仕事に多くを求めない安定志向の人に人気があります。「仕事は仕事」と割り切り、プライベートや家族との時間を大事にする人なら長く勤められるでしょう。有名企業のグループ会社などに経営基盤の安定を求める人が多いのも特徴です。

ただしここで重要なのは、プライベートの確保や生活の安定のために必要な会社選びのポイントをきっちり押さえること。退職金や雇用保険、福利厚生の内容など、自分の求める安定を手に入れるための調査や確認を怠らないことですね。特に、小規模な会社や創業間もないベンチャーなどではこうした手続きがおざなりになる危険性が否めません。正社員だと思って働いていたら実は契約社員扱いで退職金が出なかった、という笑えない失敗談をいまだによく聞きます。くれぐれも自己責任で、安定を求めるなら確実にその安定を手に入れたいものです。 仕事によっては、自発的に動いて自ら提案する能動的な姿勢が評価されますが、開発の現場では周囲との協力体制を築き、チームプレーで動ける協調性の高さがなにより重要です。ベルトコンベアのような一連の作業行程の一端を、決められた仕様に従ってコツコツとプログラムを創り込んでいく。そうした職人としての腕前と気質があれば適性は高いでしょうね。 キャリアアップというと、勤務先企業の知名度や規模、与えられる役職名などに目がいきがち。でも開発会社で働くのが向いているのは、むしろそうした表層的なブランドに目移りしない人です。 会社自体が無名でもいい、役職など就けてもらわなくてもいいから、とことん技術にのめり込める環境を選んで、そこで脇目もふらずに仕事の面白さを追究していける人が向いているのでは。