「List2. 何かをクリエイトする」 時代を生き抜く女のチカラ! 30歳までにしたい10のシゴト
自分の表現したい世界がある。
そのために知らなきゃいけないことを知るための「今」なんです
廣田まつ佳さん(26歳)
空間演出(照明、音響、映像)+バックオフィスも少々
照明・音響クリエーター
原宿の制作会社で照明、音響、映像を手がけるクリエーターとして活躍する廣田さん。全国のライブイベントなど様々な現場を飛び回る毎日だが、空間演出の知識・スキルを高めるために日々仕事から学ぶことも多いという。彼女が30代以降のキャリアプランのために心がけていることとは――?
ライブイベント、展示会、ファッションショー…、活躍の舞台は幅広い!
音響・照明・映像をトータルで手がける制作会社で、イベントでの空間演出をしている廣田まつ佳さんのメインの活動拠点は、原宿のイベントホール。仕事の範囲は広く、イベント会場で流す音楽のコーディネートから、会場のつくりに合わせた効果的な照明のあて方、時には映像を盛り込んで、イベントの見せ方にまで至る。
「私のメインの持ち場は映像です。IllustratorやPhotoshop、 AfterEffectsを使って、例えばブライダル、ライブイベント、お芝居などいろいろな現場でお仕事させてもらっています。何百人・何万人規模のイベントをお手伝いするときもあります。規模に応じて、フリーの映像ディレクターなど、他のクリエーターの方々と一緒に仕事を進めています」
仕事のほとんどは当日までに終わる、といわれるほど。映像編集だけでなく、音源の作成や、照明の色味など、イベント当日に向けてたくさんの「仕込み」をしなければいけない。このハードな仕事を笑顔でこなせるパワーはどこから生まれるのだろうか。
表現したい自分の世界がある。ブライダルから始まった夢のかたち
廣田さんの目標は二つあるという。
「一つは、『廣田さんにお願いしたい!』といってくれるクライアントさんを増やしていくこと。私の携わったモノを評価してくれて、一緒にいいモノをつくれるお客様を増やしていきたいですね。もう一つは、自分自身が演者(演奏や演技などを行う側)としてステージに立ちたいということ。照明・音響・映像のいわゆる裏方業務を自分でやりつつ、衣装や歌や踊りも自分でやる。そうすることで、自分の表現したいエンターテインメントが形にできると思うんです」
廣田さんが専門学校を卒業して、初めてクリエーターとしての「仕事」に取り組んだのは、ブライダル式場でのアルバイト。主に大阪、神戸、芦屋で照明担当として仕事を開始。そのうち人手が足りないということで、音響も任されるようになった。未経験ながらも、イチから学んでいった経験が今の彼女の仕事観を作り出した。
「この仕事は本当におもしろい、そう感じました。特にブライダルでは、披露宴での一瞬一瞬が新郎新婦にとっての大切な思い出です。感動をつくりだす面白さと、それゆえに生まれる『失敗できない』というプレッシャーがあります。いくら準備をしっかりしても、本番でミスをしたらやり直しはききませんから。特に自分は、照明も音響も手がけているという、披露宴全体に影響を与える役目。自分の出す音量、照明の具合で全てが決まるといっても過言ではなかったんですね。でもだからこそ、この仕事が本当に大好きになっていったのかもしれません」
「クリエイティブじゃない仕事なんてない」20代のうちにできることは何でもやるべき
様々な経験を積み、今の仕事・職場に至る廣田さん。今ではブライダルはもちろん、コンサートやお芝居、展示会、ファッションショーまで、お客様のニーズに合わせて何でもやっていくスタイルだ。キャリアを重ねるにつれ、イベントの規模もお客様の要求も上がっていくのを実感しているという。
「最近になって感じるのは、クリエイティブじゃない仕事なんてない、ということです。現在所属する制作会社はとても小規模なので、空間演出に限らず、営業も経理もやる機会があるのですが、どの仕事も工夫次第で学べることは多い。だから20代のうちにもっと色々学びたいと思っています。それがモノづくりに活かせることは、案外たくさんあります」
実は、仲間と一緒にユニットを組んで活動中という廣田さん。いつか我々の前にお披露目してくれるチャンスもあるかもしれない。