「List6. 部下をマネジメントする 時代を生き抜く女のチカラ！ 30歳までにしたい10のシゴト
頑張ってきたから進めたステップ。
驚くほど視点が変わりました
株式会社アイスタイル 篠原綾里さん（27歳）
法人向け広告営業
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新卒で入社した株式会社アイスタイルで、代理店営業、新規事業立ち上げの部門を経て営業部署へ。トップセールスとして実績を積み、入社5年目でマネージャーに昇進した篠原綾里さんはどんな仕事観を持っているのだろうか。マネジメントの立場から彼女のキャリアを振り返ってもらった――
「昇進」というよりも「次のステップへ進んだ」という感覚
化粧品・美容総合ポータルサイト＠ｃｏｓｍｅ（アットコスメ）の企画・運営を行う株式会社アイスタイル。その営業部門で、最年少マネージャーとして活躍する篠原綾里さんは、入社当時から営業一筋というわけではなかった。
「何か女性に関わる仕事がしたいと思って就活をしたのが当社と出会ったきっかけ。新卒で入社した当初は、自社サイトの広告を売る代理店営業の部門に配属されました。その後、新規事業立ち上げの部署に異動し、ECサイトの立ち上げに携わることに。そこでは調査からバイヤー業務、サイト運営や物流まで何でもしました。今所属している、メーカー向けにコミュニケーションツールを販売する営業部署に異動したのは4年目のことでした」
異動後は、毎月の営業目標を達成し、月間ＭＶＰの常連だったという篠原さん。社員同士で投票して半期に一度の優秀者を決める社内表彰を受賞したこともある。
「もともとマネージャーを目指していたわけではないんです。誰でも、与えられた仕事ができるようになったら新しい仕事を覚えますよね？マネージャーという仕事を与えられたのもそんなイメージで、営業成績をクリアしていったので自然と次のステージに進めた、と思っています」
視点の違いが立場の違い
抱えるメンバーは篠原さんより１?２歳年上から新卒社員まで総勢４名。自分とほとんど年齢の変わらない人たちに指示を出していかねばならない状況だが、常に「自分が背中で見せなければ」と意識して行動しているのだとか。
マネージャーを経験して大きく変わったことは「目線の位置」であると篠原さんは語る。部下に対して、それまで現場でしていたように、１つの案件に対してどうするかという判断はアドバイスできるものの、営業戦略全体としての動きを指示できているかというと、まだまだ不安も多いという。
「部長が立てる営業戦略、販売戦略を噛み砕いてメンバーに伝えるのがマネージャーの役割。それぞれのメンバーが自分の目標を達成するためにどう動いたらいいかを管理すると同時に、チームとしてどういった戦略で動くのか、この視点を持ってチームを動かさなければなりません。つい現場目線のみの各論でものごとを判断してしまい部長に指導されることもしばしば……（笑）。自分がメンバーだったときに『マネージャーは何でこんなこと言うんだろう？』と思っていたのが今ならわかるんです」
メンバー時代はまず自分の達成が一番、それからチームの達成、そのために必要なのが仲間の達成、という優先順位があった。それが今ではメンバーの成果を率直に喜べるようになったという。
「今までは自分が頑張れば数字が達成できて、それがすべてでした。今はどうしたら人を動かすことができるかを一番考えています。人によって響く言葉が違うので、どうしたらみんなが動いてくれるか、チーム全体を動かすにはどう伝えたらいいかを重視していますね。あれだけ自分のことしか見ていなかったのに、今では自分のノウハウも惜しみなく教えていますから(笑)」
まずはチーム作りを自分の力で。キャリアプランはその先にある
同社では、新卒採用の面接官もマネージャーの仕事の一つ。
「自分が新卒で選考を受けているとき、面接で出会った先輩社員たちと『一緒に働きたい』と思えたのが入社を決めた大きな理由でもあります。それが今では自分が面接官！日々当たり前にしている仕事を改めて言葉にするので、自分の思考が整理されますし、就活生たちの姿はいい刺激になります。自分がそうだったように、彼らにも『一緒に働きたい』と思われるような組織を作りたいですね」
篠原さんに今後のキャリアプランを訊ねると、「明確なキャリアプランはない」ときっぱりとした回答。一緒に働きたいと思える人たちと働けることが幸せと感謝し、今を一生懸命過ごすことがいずれ道になると考える。
「20代でマネージャーになることができてよかったと思えるのは、チーム作りの経験ができたこと。と言っても、まだまだできていないことがたくさんあるので、まずは、チーム作りができるようになるのが目標です。この先、仕事内容がかわっても、どこででも通用するようなマネジメント力を身に付けたいですね。マネジメントを経験すると、ものごとを広い視野でちょっとだけ高い位置から見られるようになるので、今後自分が何をしていくにもこの視点が役立つと思います」
