「List8. お店でモノを売る 時代を生き抜く女のチカラ! 30歳までにしたい10のシゴト
「モノを売る」現場で長く働きたい。
だから、20代の“今”を大切にしたいんです。
成瀬友紀子さん(29歳)
アパレル販売員
アパレル販売員
“服の知識が豊富でかっこいい存在”だったショップスタッフに憧れ、アパレル業界でのキャリアを積んできた成瀬さん。様々なブランドで経験を積み、この秋、以前派遣社員として働いていたブランドで、社員として新しいスタートをきる。20代をファッションの仕事一筋に歩んできた成瀬さんのキャリアプランとは――。
30代を目前にした今、新しいポジションで再スタートをきる
学生時代からファッションが好きで、アパレル業界一本でキャリアを積んできた成瀬さん
。様々なブランドでの仕事を通して、接客スキルやコミュニケーション力、またコーディネートスキルを身に付け、2011年秋、以前働いていたブランドに復帰することが決まった。
「今回、復帰するブランドは派遣社員・社員に関係なく、全員がMTGに参加し、どんどんアイデアや意見を発信できる職場。派遣社員としてでも十分仕事を楽しむことができていましたが、今度は社員というポジションになるので責任も大きくなると思います。会社としても、これまでの私の実績を考慮し、社員として迎えてくれたと思うので、前回以上に仕事の幅を広げ、自身の成長はもちろん、会社の成長や発展にも貢献していきたいですね」
今後も長く販売の仕事を現場で続けていきたいと語る成瀬さん。20代での販売の経験を活かして、新しい分野での仕事にも意欲を見せる。
「これまでの販売経験を活かして、商品ディスプレイなどの売り場作りを行うVMD(ビジュアル・マーチャンダイザー)の仕事にも挑戦してみたいですね。あとは英語などの外国語。お客様とスムーズにお話しができることで、提案の幅も広がると思います」
華やかな舞台を支えるショップスタッフ。自己管理と自己啓発が成長のカギ
多くの女性が憧れるファッションの仕事。長くアパレルの仕事を続けていくために求められるものとは何なのだろう。
「ファッション業界は華やかなイメージがあるかと思いますが、実際はかなりの体力仕事。8時間、ヒールを履いての立ち仕事になりますし、納品の際はダンボールを長距離運んだり、棚に上げたりとかなりの体力が必要です。また、現場はチームワークが大事。一人が休んでしまうと休日をとっていたスタッフにも迷惑をかけることになるので、常に体調管理には気を付けています」
その他にも、ショップスタッフの仕事はお客様のニーズに応えるスキルや知識、そして売上管理など、求められることが非常に多いそう。「20代半ばまでは、悩むことがたくさんありました」と語る成瀬さん。その時、どのように負の状態を脱してきたのだろう。
「アパレル販売は正解がないので、「このやり方でいいのか?」「自分はちゃんとできているのか?」と悩むこともありました。そんな時は自己啓発本を読んだり、他ブランドの店舗に行って実際に接客を受けたりして、自分でマイナスの部分を克服していくことが必要。自分がいいなと思う接客を真似したり、実践することで自信を取り戻していました。また、様々なお客様に対応できるように、ファッション誌や情報誌など様々な雑誌にも目を通すようにしていましたね」
多くのお客様がいるからこそ、フォーマット通りの接客ではお客様には響かない。アパレル業界の仕事は自分のスキルや感性を高める自己成長が何よりも大切なようだ。
将来も現場で働き続けるために、今身に付けたいこと
30代になっても販売の仕事を続けていきたいと考える成瀬さんは、日常的に心掛けていることがあるという。
「お客様と一番近い場所でコミュニケーションがとれる仕事だからこそ、常にトレンドに敏感でいることが大切ですね。いろんなことに興味を持って、知識を得たり、体験することで、接客時の話のネタになりますから!」
「20代のうちにアパレル業界以外の仕事をやってみたいと考えたこともある」という成瀬さん。それでも、販売の仕事を続けてきた背景には、「服が好き」という熱い気持ちがあるようだ。
「お客様に密に関われるのは販売職ならでは。例えば、自分で組んだコーディネートを見て、『これ一式下さい』と言ってもらえたり、『あなただから買ったのよ』と言ってもらえるとやはり嬉しいですね。この瞬間があるからこそ、アパレルの仕事をずっと続けていきたいと思えるんです」
夢を現実にし、多くの女性の憧れの存在としてショップに立つ成瀬さん。ファッション業界に憧れを持つ女性の鑑(かがみ)と呼べるような働き方の実践者かもしれない。