大学卒業後、NTTの研究所で活躍していた能登信晴氏。転職を考えたのは、社会にインパクトを与える仕事に携わりたいと思ったのが理由だった。
「研究所時代は、国際会議で論文を発表することなどができて世界の先端にいるという感覚がありましたが、機動性の高いサービス展開などに携わるのは難しいことでした。ですから、転職してビジネスプランニングを経験し、サービスに落とし込みたいと思ったのです」
現在能登氏は、『ポケットアフィリエイト』の開発管理などのマネジメント業務と、新しいモバイル検索サービスの開発の双方に関わっている。なかでも特徴的なのは、新サービスの開発体制だ。
「DeNAでは、スピード開発を実現するため、案を形にできるエンジニアが “作って見せる”のが基本。たとえ営業やマーケティングのアイデアから生まれたサービスでも、最初の企画段階からエンジニアが検討チームに入っていきます」
今回の新サービスも、コアメンバーは、エンジニア3人。たとえば、「こんな検索機能があったらいいかも」というアイデアがいくつか出てきたら、3人それぞれが1週間程度でプロトタイプを作成し、ある程度形になった時点で、他部署のスタッフの意見を取り入れていく。
「DeNAは、エンジニアがバリューを発揮し続けることができる環境づくりにこだわっている会社です。エンジニアが当社で働く魅力とは、その技術力とアイデアを軸足に、ビジネスの最前線で活躍することができるということでしょう」
スピード感ある開発を進める一方で、作ったサービスの信頼性を最大にするために、アウトプット前のテストには十分な時間をかけている。スピード重視のアジャイル開発と、きっちりと手順を踏むウォーターフォール型開発の良い部分を兼ね備えるのが、DeNAの強みなのだ。
ちなみに、入社当初はビジネスプランニングに精通したいと考えていた能登氏。しかし、それぞれのプロが周りにいて、気軽に意見を求められる環境がある今、改めてエンジニアとしての軸を大切にしようと決心したという。今後は、実現力に秀でたエンジニア集団を作っていきたいというのが、能登氏の目標だ。