自動車部品のワールドワイドサプライヤーとして、確固たるポジションを築くアイシン精機。
同社は幅広い製品群を手掛け、1万点以上もの自動車部品を開発・生産している。
それ以上に注目すべき点は、これまでに“世界初”の技術をいくつも生み出していること。
誰も作ったことがないものを作るという、エンジニアにとってこのうえない喜びを感じることができるだろう。
そんなアイシン精機の、世界初の技術を作り出す強さに迫る。 |
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鈴村義一 氏
Yoshikazu Suzumura
技術管理部 人材開発グループ
グループマネージャー |
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日本屈指の総合自動車部品メーカーとして、世界初の技術や新しい製品を創造し続けるアイシン精機。その自動車部品事業での展開を、技術管理部の鈴村義一グループマネージャーはこう説明する。
「自動車部品に関しては“つま先から頭の先”まで、1万点以上の製品を開発・生産しています。分野にすると、車体系、エンジン系、ドライブトレイン系、ブレーキ・シャシー系、そしてITSなどを含めた情報関連系の5つに大別できます」
車体系ではパワー機構付きのスライドドアやバックドア、サンルーフなどのシステムを開発。またリアスポイラーやルーフレールなどの外装パーツも手掛けている。エンジン系はピストンやシリンダーヘッドカバーといった本体関係のほか、冷却や潤滑に関するパーツも提供する。ハイブリッド車のモーター冷却用電動オイルポンプやインバータ冷却用電動ウォーターポンプなども注目製品だ。ドライブトレイン系は最新の電子制御式トランスミッションやクラッチディスク&シリンダー、トルクコンバータなどを製品化。ブレーキ・シャシー系では統合制御製品に力を入れ、コンピュータ一体型電動ステアリングコラムやアクティブスタビライザーシステム、エアサスペンションシステムなどを開発する。情報関連系ではITS社会を実現する製品が主流で、インテリジェントパーキングアシストや周辺監視システム、GPSアンテナといった最新機器を生み出している。
専門分野以外の知識が得られる環境
これだけ多くの重要な自動車部品を開発・生産するメーカーは、世界を見渡しても稀である。しかも、製品のどれもが高品質で先進技術を含んでいるのだから、世界中の完成車メーカーが注目するのも必然だろう。
そんなアイシン精機の開発環境について問うと、鈴村氏は力強く語った。
「当社ではたくさんの製品を扱っていますので、多様な技術が蓄積されています。現場の技術者にとっては、専門分野以外にも多くの知識が吸収できる環境があります。教育システムにも注力していて、CADや材料、解析など70科目以上の技術開発部門主催の技術講座があります」
この特徴は、世界中の完成車メーカーが注目し、アイシン精機も力を注いでいるという「システム製品」の開発にも役立っている。多くの技術を使って統合制御するシステム製品は、さまざまな要素の知識を集め、先鋭化させなければ作れないものだからだ。アイシン精機の開発環境には、応用性が不可欠なシステム製品を作るうえでの技術的な“基礎”や“土台”が築かれているのである。
最後に、アイシン精機が今後求める人材像を鈴村氏に聞いた。
「アイシン精機は“モノづくり”の会社ですので、機械系の技術者がもっとほしいですね。あとシステム製品の開発に興味がある人、制御やソフト系に詳しい人なども大歓迎。とにかく、自分が技術者としてやりたいことがあれば、それを実現できるチャンスが多い会社ですよ」 |
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