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新井本昌宏氏
株式会社日本能率協会コンサルティング
技術・開発革新事業部 コンサルタント
大手食品メーカーで生産技術者として活躍したのち、日本能率協会コンサルティングに転職。メーカーの開発現場で技術者とともに考えながら開発革新を支援する、現場主義のコンサルティングを手がけている |
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井上竜紀氏
株式会社キャリアコンシェルジュ
取締役 人材紹介事業部長
大手精密機械メーカーの技術者として先行開発を手がけたのち、キャリアコンシェルジュに入社。主にハードウエア系技術者に対するキャリアアドバイザーとして数多くの実績を上げている |
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「技術者というのは仕事の成果を明確に評価される機会が少ない職種です。だからこそ、市場で認められる製品を自分の手で作り出したいと考えている人はとても多いのです」
キャリアコンシェルジュのキャリアアドバイザー井上竜紀氏がこう語るように、転職で得たいものとして給料や待遇だけでなく「モノづくりの手ごたえ」を挙げるエンジニアは多いものだ。そこで今回、エンジニアtype編集部は「トレンド発信メーカー」への転職をおススメしたい。市場を牽引する製品、または技術を持っているメーカーに転職すれば、必然的に自らが手がける製品に対する反響も大きなものになるからだ。
では、トレンド発信メーカーとそうでないメーカーとの違いとは何なのか。井上氏は第一に、独自の技術開発を行っているかどうかをチェックすべきとアドバイスする。
「企業によって開発スタイルは異なります。ヒット製品を開発しているメーカーでも、外部への開発依頼と取りまとめがメイン業務では仕事の手ごたえは小さくなるかもしれない。個人の志向にもよりますが、次世代の主流になるかもしれない製品作りに直接携われる方が、エンジニアとしてより大きな醍醐味を味わえるのではないでしょうか」
目まぐるしく変化していく製造業界。実際のところ、その変化に対応するだけで精一杯というメーカーも少なくない。その意味で、次世代を見据えて研究開発に注力しているかもトレンド発信メーカーか否かを見分けるポイントだ。
「新たな技術潮流を生み出すメーカーでは、次世代の製品開発を見据えて最新の開発設備を導入している。新規開発に挑戦できる物理的材料が整っている環境は、技術で市場を驚かせたいと考えるエンジニアにとって最適な現場といえます」
さらに、現場レベルで仕事の進め方を改善しているかどうかも見極めのポイントになる。メーカーの開発現場に精通する日本能率協会コンサルティングの新井本昌宏氏はその重要性をこう語る。
「トヨタ自動車に代表されるように、トレンドを発信するメーカーでは仕事のやり方を常に見直しています。顧客や競合の先を行く未来構想をして開発体制を変えていく姿勢が経営陣にあるか。また、それが現場まで浸透しているか。そこで市場の牽引力を見ることができます。現場は常に変化の兆しをキャッチアップする必要がありますが、逆にいうと、それが最先端を走れる開発環境だといえるのではないでしょうか」
こうしたトレンド発信メーカーには、誰もが知るヒット製品を持つ大手セットメーカーだけでなく、業界標準と言われるコアテクノロジーで市場シェアを獲得している部品メーカーや専業メーカーも該当する。そこにはエンジニアがやりがいを持てる開発体制があり、チャレンジ精神があると井上氏、新井本氏は声をそろえる。また、こうした現場こそエンジニアとしてのキャリアを見据えた上でも、経験と実績を積める有益な職場といえるのだ。
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