中途採用とは、企業が選ぶ側で、応募者が選ばれる側―そう考えて間違いない。しかし、第一志望のメーカーを狙い撃ちするためには、こうした受け身の姿勢で臨むだけではもの足りない。自らの技術力や経験、志向をうまく伝えながら、「なぜこの会社に入りたいのか?」を熱烈にアピールすべきだろう。
とはいえ、相手は採用のプロ。単なる憧れの気持ちだけを強調しても、すぐに見抜かれてしまう。「この人なら入社後に必ず貢献してくれるはず」。そう思わせる何かを証明できなければ、採用側は興味すら持ってくれないのが現実だ。 では、採用側に「ぜひ来て欲しい」と思わせるアプローチ方法とはどんなものなのか? それを知るには、まず応募先と自分の関係を考えなければならない。
たとえば、同業のメーカーに応募する場合。いわば、共通の話題で話せるクラスメートを口説くようなものだ。競合メーカーはほかにもたくさんあり、やりたいことなら現職でもできるかもしれない。そんな状況にもかかわらず、なぜウチに転職したいのか? その理由が、面接官を口説くための一番の武器になる。逆に異業種のメーカーに応募する場合は、相手との共通項が少ない状況で、自分がいかに相手の求める条件を満たす人物なのかを伝えなければならない。このように、応募先の属性に応じて、アプローチ方法は変わってくるものなのだ。
次ページからは、今回の転職者アンケートから導き出した「憧れの3 大パターン」(下図)をもとに、各シチュエーションにおけるうまいアプローチ法を紹介しよう。