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高橋俊介氏
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授/ピープルファクター・コンサルティング 代表
東京大学工学部航空学科卒。日本国有鉄道、マッキンゼーアンドカンパニー・日本法人、ワイアット株式会社(現ワトソンワイアット株式会社)代表取締役などを経て、1997年より独立・現職へ
視界が開ける「30歳峠」。山頂への計画を練り直せ!
「親の職業を継ぐ」「入社した企業で一生を終える」と、選択肢が少なかった時代は終わり、転職やキャリアチェンジという選択肢が増えた現代。しかし「その選択肢の多さゆえに、どの道を選ぶのが山頂へ抜ける正解ルートなのかがわからず立ちすくむ30代が増えている」と高橋俊介氏は語る。
「親の職業を継ぐ」「入社した企業で一生を終える」と、選択肢が少なかった時代は終わり、転職やキャリアチェンジという選択肢が増えた現代。しかし「その選択肢の多さゆえに、どの道を選ぶのが山頂へ抜ける正解ルートなのかがわからず立ちすくむ30代が増えている」と高橋俊介氏は語る。
「情報量のあまりの多さに『ひょっとして自分の転職は他にあるのかも』と目移りしている状態にある人が多いんですよね」
しかし、どの道が自分にとっての正解ルートなのかは一生わからないもの。
「唯一、キャリア形成が成功しているかどうかの指標となるものがあるとしたら、それは、“自分が今の仕事に納得できているかどうか”でしょうね。そして、40代以降になっても、納得感を持って仕事に取り組む姿勢でいるためには、20代・30代を通じての過ごし方がカギになります。この年代に、自分にとっての“軸となる仕事”を見つけて、その仕事に対して全力で打ち込んでキャリアを実現していかなければならないのです。その意味で30歳という年齢は、20代で培った経験や仕事への思いをいよいよ形にすべく動き始める年であり、同時に、20代で失敗したこと、手に入らなかったことを挽回するための方向転換の節目でもあるといえます」
一生のキャリア形成を通じて大きな節目のひとつともいえる30歳。もしそこで、転職という一大決断に踏み切るとすれば、いったいどんなことに注意すべきなのか。
「まず、自分にどんな選択肢があるのかをきちんと知ること。自分の思い込みや目の前に転がっている選択肢がすべてだと思わないことです。次に選択肢ごとの情報を集めること。ここでは新聞などの公の情報だけでなく、口コミなど表に出てこない情報をどれだけ集められるかがポイントです。そして、自分にとってもっとも大切なのは何かをはっきりさせることです。これらのプロセスを経て決断したことであれば、その後の結果が他人から見てどう映るものであれ、自分のキャリアに納得できるでしょう」
転職・キャリアチェンジはいったんキャリアをリセットする作業だけに、成長意欲を右ナナメ上にキープするには絶好のカンフル剤。譲れないこだわりを持ち、現状にあぐらをかかない「自律心」こそが、30歳の必須アイテムなのだ。
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