憧れの大手セットメーカーを目指しての転職活動にはコツがある。ここでは、大手メーカーを“口説く”ための実践的な4つのステップを紹介する。自分なりにアレンジして憧れメーカーを“落として”ほしい。 |
井上竜紀氏
Tatsunori Inoue 株式会社キャリアコンシェルジュ 取締役 人材紹介事業部長 竹本博文氏
Hirofumi Takemoto テクノブレーン株式会社 人財事業部 ハードセクション キャリアコンサルタント 景気回復により、2005年から06年にかけて大手の自動車メーカー、家電メーカーはどこも人材採用に意欲的だったが、「ここにきて求められるエンジニアの質に変化が生じている」とキャリアコンシェルジュの井上竜紀氏は語る。
「05年ごろから大量に採用活動を行ってきた経験から人事担当者の技術者を見る目が厳しくなり始めている。一方で、年齢の高さで敬遠されていた人が採用されるケースは増えている」 多くのプロジェクトが動き始め、マネジャークラスの技術者が足りなくなっているのがその背景だという。採用の質は変化しているものの、まだまだ大手メーカーの採用意欲は衰えていない。 「特に人手不足感が強いのは大手自動車メーカー。また、大手半導体メーカーも若手技術者を積極的に採用しています」 と語るのはテクノブレーンの竹本博文氏。07年は後半になればなるほど採用動向が不透明なだけに、転職に向けて動き始めるにはいまがベスト。 「1月から春先まで、大手メーカーにおける採用活動のポイントはどうしても新卒に置かれがち。この時期にじっくり自己分析や情報収集に時間をかけて、夏前に転職というスケジューリングならムリのない転職活動ができるはずです」 部品メーカーにいるエンジニアにとっても、大手は遠い存在ではない。まずは、「技術の趨勢を把握し、自分の技術がどのメーカーのどこに活かせるかを整理してみること」(井上氏)が、大手メーカーを口説く第一歩である。 |
採用セミナーをあなどるなかれ! 企業HPにすべての情報が載っているとは限らない。また、募集人材に関しては、オーバースペック気味に書いている企業も多い。本当の話は現場に聞くしかないのだが、そのためには自分の足を使って情報を集める必要がある。お薦めなのは、業界や企業ごとに開催される採用セミナー。現場エンジニアの本音や突発的な採用情報を聞けることもある。 特に大手に応募する場合は、「セミナーレベルの情報は網羅していて当然」と考えている人事も多いので、積極的に参加したい。各業界に特化した人材紹介会社に頼るのも有効だ。効果的な人事攻略法を教えてくれるところもある。 |
書類でネタを出し切るな! 大手メーカーには大量の応募書類が届く。書類の合否を判断するマネジャークラスのエンジニアもそれだけ多くの書類に目を通している。それだけに、たくさんアピールしようと冗長に書き連ねるのはNGだ。セミナーなどで集めた情報をもとに、相手が欲しがりそうな経験やスキルをできる限り具体的に、かつ、簡潔に書いて目立たせる。 ただし、書類だけで手持ちのネタを出し切ってもダメ。各項目について面接で聞かれたときに書類の印象以上のインパクトを与えられるよう、プラスアルファのネタを確保しておきたい。書類は次の面接を意識した“仕掛け”の役割があることを覚えておこう。 |
面接は、最初の5分が肝心 大手企業の人事のなかには、「面接に入って数分の印象で、組織との相性を見極める」という人もいる。自分に興味を持ってもらえるかどうかは、最初の5分間で決まると思って間違いない。興味を持たれていない状況を挽回するのは相当難しく、「面接時間全体を使って……」という考え方はリスクが高い。まず相手との空気を読んで、基本的なコミュニケーションをしっかりとりたい。 大手の面接官は、自ら提案する仕事姿勢を持っているかどうかについて見ているので、面接では「貴社のこの部分に関しては、この技術でもっとこうできると思うのですが」と自分をプレゼンするつもりで話をしていきたい。 |
攻略のカギは謙虚さと積極性にあり 大手メーカーでは既存社員との“和”を重視するため、「自分のスキルでこれだけ大きなことができます」という大胆なアピールは逆効果になりがちだ。ここは、積極性と謙虚さをミックスして自分を売り込みたい。たとえば、「○○に自信があり、貴社の△△に活かせると思います。さらなる成長には貴社で働くことが必要だと考えており、ぜひチャレンジさせてください」といった言い回しを考えたい。 また、企業側は「何ができるか」もさることながら、「何をやりたいか」に強い関心を持っている。入社後に高いモチベーションで仕事をしてほしいと考えているからだ。経験に基づいた回答を考えておこう。 |
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