在職中に内定を貰った人の  

転職活動のヒミツ大公開

会社を安易に辞めてしまうのは薦めない。なぜなら、どんなに忙しくても、仕事のやり方や転職活動を工夫し、在職中に内定を勝ち取っている人が多数いるからだ。そんな先輩転職者3名のテクニックを学ぼう。 《2004年11月号より抜粋》

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25〜34歳で転職活動のための”自発的失業者“が増加
 
「会社を辞めたい」、「転職をしたい」。そう思ったとき、あなたはどんな行動を取るだろうか。まず、部署の異動を申し出て今の会社の中でのキャリアを模索するか、転職を検討するか、もしくは、とりあえず会社を辞めて後のことは成り行きに任せるのだろうか―。

最近、大手精密機器メーカーの販売会社を辞めた田中敦史氏(仮名・26歳)は、転職を思い立ったとき、転職活動などしている暇がないことに気づいた。毎日終電まで働き、土日出勤もある。それでも休日を使えば転職活動はできたはずだが、「いったん落ち着いて転職活動をしたい。別に実家に帰れば食うに困るわけでもない」と、早々に退職を決めた。部署異動も考えないわけではなかったが、「この会社で学ぶことはない」と同僚に宣言していたため、言い出せなかった。現在、転職活動中だが、すでに退職後3カ月が経過しており、厳しい状況だ。

この田中氏のように、最近仕事を変わるための「自発的失業」が増えており、同時に「短期失業者」の割合が高まっている。今年9月の月例労働経済報告(厚生労働省)によると、7月の自発的理由による離職者は107万人(前年同月4万人増)で、このうち25〜34歳の男性は約25万人で前年比6万人も増加している。4〜6月期で3カ月未満の短期失業者の割合は38・1%と前年同期から2・4ポイント上昇している。一方で、失業期間1年以上の完全失業者数は105万人と、前年比22万人減となっている(5〜6月期)。つまり、type世代が「転職のための失業」を選択する傾向にあることが分かる。

しかし、現実は厳しい。転職活動のために会社を辞める選択をしても、田中氏のように次の仕事が中々見つからない例も多々見られるからだ。ある人材コンサルタントも「退職後、3カ月以内に次の仕事に就けるのならばいい。でも現実はズルズル失業期間が延び、焦って転職を決めて前職と何も変わらないというケースが多い」と語る。それならば、こうしたリスクをあえて選択する必要はない。転職を思い立ったら、まず今の会社を辞めずに転職活動をする方法を考え抜くことが重要だ。そのために次ページから展開される5名の先輩転職者が教えてくれた、何が何でも「在職中に内定を得るための秘策」を実践して欲しい。


今の仕事で実績を残すのが基本 次のキャリアを実現できる 企業だけにアタックする
 
プジョー・ジャポン株式会社 営業部 営業企画グループ
アシスタントプラニングマネジャー 主任
堀口美穂さん(34歳)

 
 
堀口美穂さんのプジョー・ジャポンへの転職は、人材エージェントからの紹介で始まった。同社は日本で10年間連続で業績を上げ続けるフランス系自動車メーカー。さらなる業績拡大を狙い、販売現場の組織的な支援・強化に乗り出していた。

成熟しつつある国内市場では、商品力に加え、いかに顧客に満足を与える上質な店舗・活動(ハード・ソフト)をディーラーが提供できるかがモノをいう。同社はディーラーのさらなる質の向上により厳しい競合を勝ち抜く環境を整えるため、営業企画部門のマネジャーとして、多角的な情報分析と業界の常識にとらわれない柔軟な発想ができる人材を探していた。国内・外資両方の業界経験を持ち、異業界での販売店営業も経験した堀口さんのキャリアは、同社が求めるものと一致していた。

「異業界の営業経験を生かせるポジションで、再び自動車業界に復帰したい。そして次の仕事も営業企画系か、営業部門と決めていました」

堀口さんはプジョー以外の企業を受けていない。過去の転職でも、目指すキャリアに合った1社をほぼ狙い撃ち。転職先を決めてから会社を辞める転職活動を実践してきた。

「仕事の区切りごとに職務経歴書を更新したりと、転職の準備は常にしています。ですが、キャリアの基本は今の仕事で実績を残すこと。現職が嫌だからという理由で転職活動したことはありません」

92年、国内大手自動車メーカーへ就職。海外市場での実績を上げ、次のキャリアを「国内市場の経験を積むこと」に定めていた。

「転職候補は、日本の大衆車市場に本格進出する外資系メーカーだけ。実現しなければ、現職を続けるつもりでした」。当時の堀口さんは入社4年目。「職務経験10年以上」という応募の条件から外れていたが、ピンポイントの志望理由がその壁を打ち破った。そして、外資系飲料メーカーをはさみ、「自動車業界以外での営業経験」を求め、外資系コンピュータメーカーに転職した。


5年ぶりの業界復帰も業界情報の収集は万全


前職の外資系コンピュータメーカーでは、販売促進を経て、家電量販店担当の営業マネジャーに。5名の契約社員を率い、顧客との価格交渉や売り場作りの先頭に立っていた。量販店は全国展開しており、急な地方出張も珍しくなかった。

「プジョーとの面接に重ならないよう、仕事の段取りは組んでいました。もっとも顧客が最優先ですから、『明日どうしても』と言われ、面接をキャンセルしたことが一度だけあります。もし、何社か同時に受けていたら、顧客と面接先の両方に多くの迷惑をかけていたでしょうね」

今年7月に入社したプジョーは、5年ぶりの自動車業界復帰となった。しかし、堀口さんはブランクを感じていない。国内メーカー時代の上司をはじめ、自動車業界で働く友人・知人からの生の情報が、常に彼女の元に届いていたからだ。当時の職場で懸命に働いた上での転職だったため、人脈が途切れることもなかった。



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