先輩転職者が語る
私の入社3カ月の壁突破法 |
転職3カ月後にクビになった……。こんな人が実際に増えている。試用期間の評価が厳しくなった昨今の転職において、最初の3カ月はまさに勝負のとき。この時期にどう振る舞うかで、大きく評価が分かれてしまうのだ。果たして、賢い転職後の過ごし方とは? 《2004年12月号より抜粋》 |
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Part3 ? 入社前に「仕込み」作業を行い転職直後の決算業務を乗り切る | |
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転職前1カ月に、有休を使って転職先に週イチで通い、『仕込み』を行ったのが成功の要因です」と語るのは、昨年12
月に大手企業の子会社の経理部門からメディアシークの経理責任者に転進した市橋哲氏だ。 転職前の仕込み≠ェ必要だったのには理由がある。東証マザーズに上場する同社は四半期の決算短信を東証に報告する義務があるが、入社15日後にその報告期日が迫っていたからだ。 経理責任者として前任者から引継ぎを受けた市橋氏は、「この決算短信の作成・提出をミスなく乗り越えないと、自分に将来はない」という心境だったという。経理の実務経験はあるが、上場企業の決算開示の統括業務は未経験。入社後の15日間ではムリだと、入社1カ月前から準備に入った。 「まず監査のポイント、ドキュメントの作り方、会計士に出す日程など、疑問点をすべて書き出した。そして前任者や会計士に聞いたり、本で調べたりしてその疑問をすべてつぶしました」。この入念な準備が功を奏し、短信報告を無事に乗り切ることに成功した。 市橋氏には、大きく2つのミッションがある。ひとつは義務である決算業務。もうひとつは社内の予算管理体制を充実させていくことだ。短信報告が終わった後は、決算データを日々の経営活動に生かす部分が弱いと思い、管理会計の改革リポートを事業部長に提出した。リポートは「素晴らしい」と評価された。 だが、実際に管理会計の運用法を変えようと「こう予算を管理してくれ」と開発部門の人に言っても、反発されるのは明らかだった。 そこで、各部門のキーマンの人とのミーティングの機会を作った。そして数字に対する考え方をよく聞き、意見をすり合わせた上で折衷案を提案したという。 「やはり転職活動の段階で、会社の問題点、自分への期待の中身、役割を具体的に把握することが大事です。そして、入社後の自分の行動をよくシミュレーションする。そうすれば、入社3カ月の壁はかなり低くなると思います」 |
Part4 ? 過去のキャリアから自分の得意分野を明確に意識する | |
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これまでに積み上げてきたノウハウや感性を武器に、社内で『自分の得意分野はコレです!』というポジションを作ることが、転職の壁を打ち破るコツだと思います」 そう語るのは、広告代理店からFM放送局の企画営業職を経て、サイバードに転職した佐藤元氏。メディア戦略部の立ち上げメンバーとしてサイバードに入社した。 昨年創設された当時のメディア戦略部は、広告代理店や放送局などからの転職者と社内から移動してきた約25人の構成。テレビ局やエンターテインメント系のコンテンツを携帯で展開することが使命だが、ゼロからのスタートだけに全員でブレストを重ね、どのテレビ局にどうアプローチするかを決めていったという。佐藤氏は、まず1週間かけて全国のテレビ局の携帯サイトをリサーチ。天気、ニュース、アナウンサー情報、番組連動コンテンツなど、どんなコンテンツがあるかを洗い出していった。 「その数は120局以上にも及びましたが、大阪と名古屋のテレビ局に有料サイトの可能性があるという仮説を立て、ここに狙いを定めて、有料の携帯サイト事業を共同事業として提案するという営業活動を展開しました」。成果は徐々に形になった。現在、大阪、名古屋のテレビ局だけでなく、TBSの有料ニュースサイトなどもサポートしているという。 佐藤氏は転職者がうまく活躍するための基本的な考え方を、このように語る。 「転職者は新卒と異なり、過去のキャリアで評価されるのが基本。会社もそれを期待しています。だから、転職前に自分の得意分野を確立しておくことが大事だと思います。僕の場合はテレビ局をはじめとするメディアと音楽を中心とするエンターテインメントコンテンツに強いこと。ただし、職場に同じ分野に強い人がいると、微妙な駆け引きが起きる。そのときに対立していてはダメ。両者が納得できる共通認識を作ることが大事でしょう」 |
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