松下電器産業株式会社は2008年10月1日よりパナソニック株式会社へ社名変更いたしました。
国内企業の“外資化”進む!!  

変わる28歳の「転職先」選び

日本企業が終身雇用に終わりを告げ、人材流動化を本格化させている現在、これまで会社が提供してくれた「安定」は望めない。国内・外資を問わず、「変化」を前提とした経営が行われ、働く社員も会社という箱を使って、時には転職を決断して、「自分で変化する」ことが求められる。いま28歳の転職先選びは、「安定志向」への決別を迫られている。 《2005年3月号より抜粋》

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「終身雇用」の崩壊で小規模リストラが常態化する

日本企業の”売り”だった「終身雇用」も大きく揺らいでいる。2001年以降、銀行・生保などの金融業や、電機・ITを中心に多くの大企業が大量リストラを断行し、終身雇用の看板を外したのはまだ記憶に新しい。最近でも、松下電器産業が、競争激化で利幅が縮小しているデジタル家電部門の約1000人の人員削減に着手するなど、決して日本企業でも珍しくない。今では終身雇用を掲げる企業は数えるほどでしかない。外資系企業は社内の成績不良社員を解雇し、流動化させることで組織の活性化を維持しようとする。外資系半導体メーカーの人事部長はその手法についてこう語る。

「成績査定の5段階評価(A〜E)のうちA、B、Cの評価を受けた社員は全体の8割を占めるが、下位のDとEの評価を受ける社員は全体の20%いる。E評価は辞めてくれというメッセージ。D評価は予備軍という位置づけで、これを2年以上取り続けるとリストラ対象になる。しかも今は辞めさせるのに年齢は関係ない。30代でも下位にランクされるとリストラを躊躇しない」

査定結果に基づくリストラの断行は、大量に、一斉にやるのではなく、常時行う。当然、リストラで減少した人数は補充しなければならないが、「月平均10人ずつリストラすると、中途採用で同じ数を補充している。採用するのは当社のB評価に相当する人材の獲得を目指す。つまり、減らした分、優秀な人間を入れて平均値を上げる努力を常にやっている」(前出・人事部長)という。実はこの”常時リストラ”の実施は外資系だけではない。小規模のリストラを常時実施している企業は少なくないのが現実だ。

「外資系ほどドラスチックではないが、当社も社員の新陳代謝を常に行う。成績評価の低い社員は、当社とマッチングできていないので、外で活躍してほしいと伝える。今は中高年に限らず、バブル期入社組の30代でも、現場から使えないという声が上がればリストラしている」(大手電機メーカー人事部長)

リストラの仕組み・手法も外資基準に近づいている。もはや日本企業の「雇用の安定」は神話になりつつあるのだ。

「賃金」も年功的処遇から成果主義化へと進行している。成果主義的な賃金を導入している日本企業は55.8%に達し、導入していない企業の26.7%の企業が今後3年以内に導入を予定しているなど、導入企業は年々増加している。同じ成果主義でも一般的な外資系の成果主義賃金は、家族手当などの属人的手当は一切なく、毎年自動的に昇給する定期昇給もなく基本給1本だ。しかも基本給は年齢や勤続年数に関係なく、どんな仕事に従事しているかという職務ごとに賃金が決まる「職務・役割給」が主流だ。

たとえば、伊藤忠商事は社員が携わる仕事を分析し、職務・職責ごとに6つの等級に格付け。賃金は等級ごとに決まる「固定年俸」と業績評価で決まる「変動給(賞与)」で構成する。課長職だと賞与は業績評価次第で、固定年俸の0〜140%の範囲で変動する。 同様に”外資流”の「職務・役割給」は、富士ゼロックス、沖電気工業、武田薬品工業をはじめとする多くの大手企業で導入されつつあり、管理職層への導入企業は53.4%と過半数を超え、非管理職層でも34.3%に達している(社会経済生産性本部調査、2004年)。そして驚くなかれ、終身雇用を掲げるあのキヤノンでさえも2002年に導入している。賃金制度に関しては、外資系と日本企業の境界はほとんどなくなりつつあるのが実態だ。

安定なき”グローバル基準”時代。自己変革こそ最大のセキュリティ

日本企業はかつて社員に約束していた賃金や雇用の安定を放棄しはじめている。それは外資系企業と同じ条件に立たなければ、グローバル化する企業間競争に打ち勝つことができないとの判断があるからだ。そうである以上、企業に安定性を求めることは無意味であり、まず安定志向を捨て去ることが必要だ。かつてのように自分のキャリアプランを含めて会社にすべて依存することは許されない。

今後は、一つの会社でいかに自己実現を図るかを考えるのではなく、長い人生を通じてやりたい仕事を見出し、個人の意欲と努力によって自らのキャリアデザインを描いていかなければならない。自分の能力やスキルの評価は社内評価ではなく、日々変化する労働市場でどれくらいの価値を持つのかを常に意識することが重要だ。市場価値を念頭に置いて自らの能力と技能を高めることこそ、安定なき”グローバル基準”時代を生きていく最大のセキュリティになる。


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