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ノバルティス ファーマ株式会社
栗本昌幸氏(37歳) |
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大学では化学を専攻。卒業後、国内大手製薬会社で、肝臓・消化器系医薬を担当するMRとして11年の営業経験をつむ。2003年にノバルティス ファーマに転職後は神奈川県内の大学病院を中心とする広範囲なエリア担当に。2004年度のJSE(最優秀MR賞)を受賞。「定期的に事務所に出社するのは月曜の朝ぐらい。自分をマネジメントできなければ成果が出せない仕事です」 |
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次はスイスでの表彰式、全世界NO.1を目指す
精鋭中の精鋭MRが集ったホテルのパーティー会場。「まあどうぞどうぞ」と注がれたビールを「ありがとうございます」と笑顔で受けたら、ビール瓶を手にしていたのは日本法人の社長だった。
JSE(Japan Sales Excellence)は、ノバルティス ファーマの日本法人のMR約1600名中、今年度もっとも実績を上げた約30名が受賞する称号である。
2004年度、転職後2年目にして見事この賞を手にした栗本昌幸氏。前職は国内大手製薬会社のMRだった。当時は、消化器系薬やインターフェロン等を主に取り扱っていたが、担当先の基幹病院で耳にするノバルティス ファーマの製品力には、同業者として注目していた。
「効果に差のない薬だと、どうしても人脈営業が主になります。しかし、患者さんも医師も待ち焦がれている価値の高い医薬品は自信を持って紹介できる。なにより、1人でも多くの患者さんを救いたい、そう思って転職を決意しました」
同業界・同職種転職とはいえ、扱う薬品が異なると、初めから知識を補完しなければならない。特に栗本氏が志したのは抗悪性腫瘍剤の新薬として注目度の高い「グリベック」。これまでとは領域も違えば、訪問する病院の診療科も異なる。
入社後、約2カ月間の研修で最低必要限の基礎知識を得た後は、暇さえあれば専門紙や専門サイトを読み込み、最新情報更新にいそしんだという。
「担当エリアが決められるほかは、出社時間も訪問件数も、個人の裁量に任されるのが弊社のMR。診療が始まる前の8時半ごろ、1件目の病院を訪問した後は、次にドクターの手が空く13時過ぎまで、最新情報が掲載されているサイトを巡ったり、データを読み込むなど、それこそ死ぬ気で勉強しました」
研修を終えた後の3カ月間で知識をとにかく詰め込んだ栗本氏。症例も多く、学術的にもっとも進んでいるアメリカの論文を読むため、海外サイトで発表されたばかりの英文の学術論文にも目を通した。1日約4?5件の病院訪問の合間に、地道に積み重ねた知識が、実績に結びつき始めたのが2004年。それが花開いてのJSE受賞である。転職して2年目という短期間でトップクラスのMRになるという実績を出せた要因を、栗本氏はこう分析する。
「転職したては、どうしても目立とうとか、早く大きな実績をあげようと焦るものですが、MRという職種は、営業職の一端とはいえ、短期ではなく、長期スパンで成果を見たほうがいい職種。訪問先で、知識も経験も豊富なドクターに、新薬の情報や学会での最新情報を提供できるようになるには、まず膨大な専門知識のインプットが必要です。そうでなければプロフェッショナルなドクターに対して製品の紹介などできない。焦る気持ちを抑えて、まずはインプットをきっちりと行ったのが、結果的にJSE受賞につながったのだと思います」
最初の1年間は、数々の研究会を企画すると同時にこまめな病院訪問で着実な人脈作りを。その間に専門性の高いドクターにも一目置かれるよう、最新情報の更新と蓄積で知識武装を行った。「自分が担当するエリアでは自分がマネジャーだと思っている」と言い切る栗本氏は、営業戦略もタイムスケジュールも完璧にセルフマネジメントできるMRとして、新天地でJSEという大きな評価を得ることができたのだ。
JSEの上には、全世界からの最優秀MRがスイス本国に招かれて表彰される「ISE」というタイトルがある。スイス本国に家族同伴で招かれて、その成果を称えられるこの大きな栄誉を狙い、栗本氏の挑戦は続く。
面接で重視するのはコンピテンシー
向学心とコミュニケーション能力が決め手に
即戦力となるMR経験者を求めていましたので、11年の前職経験と、そこで上げた実績を見ても経歴としては十分と判断しました。私たちが面接時に重視しているのはコンピテンシーです。今までやってきた仕事の中で、何をどのように考え、どのような行動をしてきたか、という質問に対して、彼は、具体的な場面を彼自身の言葉で語ってくれました。彼がどんなコンピテンシーを発揮していたのかを、鮮明にイメージできたのが、採用の大きな理由のひとつです。また、明るく外交的で、高いチャレンジ精神に溢れ、向学心があり、そして何より負けず嫌いなところに彼の魅力を感じました。
ノバルティス ファーマ株式会社
オンコロジー事業部 副事業部長 香川 順氏
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