営業職の中でもとりわけ扱う商品の規模や金額が大きい不動産営業。転職を成功させるために業界の分析と有効な志望動機の書き方をお伝えします。
不動産営業における業態の特徴と求められる適正
不動産営業職を希望職種とするのであれば、どのような業態があるのか、また、業態により求められる適正が違うことを知る必要があります。ここでは以下4点について述べていきます。
不動産賃貸仲介
不動産賃貸仲介とは、土地や建物を貸したいオーナー(持ち主)と借りたい人の間を取り持ち、仲介手数料を売り上げる仕事です。イメージしやすいのは、町の不動産屋さんでしょう。部屋を借りたい人が店を訪れ、その人に合った部屋を紹介しています。部屋の下見や説明、契約などその業務は大変幅広く、多岐に渡ります。そのため業務を効率よく進める必要があり、生産性に対する高い意識や生産性を上げる技術が求められます。また、契約にあたっての細かい法的な決まりを遵守する高いモラルも必要です。
不動産販売
不動産販売とは、土地や建物を売りたいオーナー(持ち主)と買いたい人の間を取り持つだけでなく、自社が所有する土地や建物を販売する仕事です。マンション一室の場合もあれば一棟丸ごとの場合もあり、金額も大きなものとなります。そのため、借りるか買うかを迷う顧客を購入に誘導する高い折衝力が求められます。
不動産開発
不動産開発とは、一言で言えば街づくりです。簡単に言えば、どの場所に建物を建てるか(あるいは建てずにおくか)、どのような建物を建てるかを考えることから始まると言っていいでしょう。ある場所を商品とするべく土地の買収や企画、施工などを行いますが、その業務は多岐にわたります。そのため不動産開発は基本的にプロジェクト形式で進んでいきます。組織としてのチーム力が重要となるため、営業の数字に責任を負いつつ、単独プレーに走らない、自分の成績だけにこだわらないなど高い協調性が必要です。時には自己犠牲を払ってでもチームに貢献しなければならないため、感情的になりにくい人に向いています。
不動産コンサルティング
不動産コンサルティングでは、不動産の所有者に対し、不動産活用のための企画やアドバイスを行います。端的に言えば不動産の所有者に利益を上げさせ、コンサルティング料を売り上げる仕事です。有効な活用方法を提案するために不動産業全体を知り尽くしている必要があります。この業態では、顧客は富裕層であるという特徴があります。そのため求められる資質も上級なものになります。常に謙虚な姿勢でいられる人、富裕層と対等に会話ができるくらいの知識や教養を身に付ける自分磨きが苦にならない人に適しています。
不動産営業の志望動機例文?賃貸仲介営業を志望する女性の場合?
私は数字で結果が見える仕事をしたいと考え、貴社の不動産賃貸仲介営業職を志望いたしました。ブライダルコーディネーターという仕事を通じて人生の門出に立つ新郎新婦様のお手伝いをさせていただく中で、多くの方がお部屋を探すために奔走していることを知りました。不動産賃貸仲介営業という仕事によって、より生活に密着して人々の役に立ちたいと思ったことから不動産業界に興味を抱き調べていく中で、成績が客観的な数字となって表されている、そして会社への貢献が目に見える形で評価されている貴社で働きたいと強く希望するようになりました。営業職は未経験ではありますが、これまでの経験で培ったお客様のご要望を形にする提案力を活かしたいと考えております。
彼女のアピールポイント
彼女の最大のポイントは、収入につながる仕事がしたいという動機がはっきりしている点です。もちろん、志望動機としては露骨に書くことができないので、別の言い方で表していますが、結果や評価がはっきり見えることを動機とすることで、シビアな世界をも厭わない姿勢をアピールしています。また、現職のブライダルコーディネーターという仕事からの転職について、つながりを違和感なく表し、不満も全く出さずに済ませています。
不動産営業の志望動機例文?販売を志望する営業未経験30代男性の場合?
私はこれまで飲食業に携わる中で、店舗つまり建物そのものに関連する仕事をしたいと考えるようになり貴社の不動産販売営業職を志望いたしました。現職では食材やメニュー、サービス面において常にお客様満足について考えてまいりましたが、多くのお客様に「このお店は居心地が良くて楽しく食事ができる」と仰っていただくうちに、ハード面である建物も顧客満足に大切な要素であると実感し、建物について深く考えていくうちに不動産販売営業職という仕事に興味を抱きました。その中で、特に私のような営業未経験の方が多く活躍されている貴社で働きたいと強く希望するようになりました。全くの畑違いであることは承知の上ですが、これまでの経験で培ったプロの接客姿勢、お客様への提案力を活かし、不動産の魅力をお伝えしていきたいと考えております。
彼のアピールポイント
営業未経験であることから、敢えて飲食店で店長を務めていたことに触れず謙虚さをアピールしています。ただ、自分の店舗の建物について考えていたという点から顧客に食事を出すだけでいいと飲食の仕事を考えていたわけではない、つまり仕事に対する真剣な姿勢を示しています。飲食と不動産、扱う商品が異なっていても高度な接客姿勢が身に付いていることは大きなアピールポイントとなります。