創業からわずか10年で多くの顧客の支持を集めるようになったIMJ。 ではなぜ、IMJのエンジニアは“演出家”たりえるのか? ここでは、ガリバーインターナショナルの事例を通じて、 単なるWebサイト構築にとどまらない彼らの仕事ぶりを見てみよう。
 
 
オンライン査定や条件に応じたクルマの検索など豊富な機能を盛り込み、顧客との重要な接点となっているガリバーの情報サイト。リニューアルを終え、運用段階に入った現在も、機能の改良や追加など複数の案件が同時並行で動いている。プロジェクトの総責任者であるIMJのプロデューサー、渋谷太郎氏は「最終的なゴールは、クライアントのビジネスを成功に導くこと」と言い切る。プロデューサーは、そのための戦略立案から見積もり作成、プレゼンテーションなど顧客とのコミュニケーションと、メンバーのアサインなどPM的役割を担う。

「いくら良いものができても、お客様のビジネス、今回のケースでいう『中古車買い取りの申し込み数のアップ』に結びつかなくては意味がない。当然、費用対効果を常に求められるし、我々も常にそこを意識しています」(渋谷氏)

戦略を具現化するのが、ディレクターやテクニカルコンサルタントの役割となる。デザインなど目に見える部分のクリエイティブを統括するのがディレクターであり、システムの要件定義や技術的な提案を担うのがテクニカルコンサルタントだ。そこで描いた構想に基づいてデザイナーやSEが作り込みを進めていくというのが基本体制だが、役割は違っても最終ゴールはメンバー全員で共有している。開発を担当するナノセック(IMJグループ)のSE、岡田雅行氏は、「お客様の要望を反映してフィックスした構成やデザインは、最優先で尊重する」と語る。

しかしそれは、先方の要望にひたすら従うという意味ではない。今回のような一般向けの情報サイトであれば特に、ユーザーにとってのわかりやすさ、使いやすさが重要になる。もちろん不特定多数のユーザーが常時アクセスするものだけに、システムの信頼性・安定性の確保は大前提だ。IMJのディレクター、酒井康史氏はこう語る。

「たとえば、Web上で査定を申し込んだら1時間以内に担当者が来て買い取ってもらったという事例もあります。もちろんデザイン的に良いものができて、ユーザーにとってもメリットがあり、結果的に効果も上がる。皆がハッピーになる状態が、一番の理想ですね」(酒井氏)

皆がハッピーになるためには顧客を動かしていく場面もある。IMJのテクニカルコンサルタント、小坂基氏の話。

「自分の得意分野だった関係で、インフラを見る機会も多く、そのなかで今まで見過ごされていた問題を発見しました。そこで先方のシステム担当者の方と意識合わせをし、サイトの健康診断をやりましょうということになり、サイト全体を見直すきっかけになりました」(小坂氏)

真にクライアントの成功を思うなら、費用対効果を重視するクライアントの要望に応えるだけでなく、あらゆる立場から物を見て、本当のニーズを見つけて満たしていかなければならない。メンバーそれぞれが専門的な立場から、先方の要望を超える提案を行い、自ら仕事を作り出していくのがIMJ流なのだ。

中古車販売会社ガリバーの国内最大級の自動車売買情報サイト『221616.com』のリニューアルプロジェクト。ガリバーインターナショナルは特に中古車買い取りの申し込み数のアップを目指していた。

IMJではまず、2005年1月にフロントエンドの制作部分のみを受注し、8月中旬にリリース。引き続き運用を担っていたが、2006年春からは、既存のベンダーから引き継ぎ、バックエンドのシステムもあわせて受け持つことに。大規模なベンダースイッチになったため、引き継ぎに3カ月近くかけ、2006年7月下旬から通常の運用に入る。Webサイトは、クライアントにとってリアルな店舗と並ぶ重要な販売チャネルであるため、新機能の追加や各種キャンペーン展開など、常時10数本の案件が動いている。

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