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今回のプロジェクトのような企業情報サイトの運用の裏側では、クライアントの実際のビジネス動向とリンクして、常に改良や開発が進められている。進行中の案件は、小さなものも含めて10数本におよぶという。
「クルマ販売という事業の特性もあって、Webの申し込み率が少し上がっただけでも最終的な収益が大きく増える。逆に万が一、不備があれば損失も計り知れません。検索ページを使いやすくするといった、細かな案件も多いのですが、1つの機能の影響度は極めて大きいんです」(渋谷氏)
ビジネスチャンスを逃さないためにも、開発にはスピード感が求められる。その一方、クライアントとしては費用対効果を考えて、できるかぎり工数を抑えたい。
「でも自分たちとしては、誰がどんな環境でアクセスするかわからないWebの世界だけに、信頼性は譲れません。プロジェクトの現場では、さまざまな制約のなかで最適な解を探り続けなくてはならないのです」(岡田氏)
ガリバーのサイトでは、キャンペーン展開も多い。最近では、諸手数料込みの価格でクルマを販売するキャンペーンをサイト上で実施した。トライアルとして車種を絞り、期間限定で行ったのだが、ここでも難題にぶち当たった。
「システムが深くからむ内容なので、どうしてもコストがかかる。でもコストがかさんでしまってはトライアルの意味がない。ではどうしようかと開発チームでアイデアを出し合った結果、通常のフローのように車両データをDBに登録せず、申し込みページに値を埋め込んでしまう形をとりました」(小坂氏)
「目的はクルマを売ることだから、正しくデータを落とし込むという点は絶対にくずせない。お客様の収益に直結するところだけに、フロントチームとも調整しながら、このデザインであれば、この部分にこういうデータを埋め込んでほしい、などとやり取りを繰り返して何とか形にできました。これに関してはかなりこだわって、テストもしらみつぶしにやりましたね」(岡田氏)
地味で細かな部分にも手を抜かない。この徹底したクオリティへのこだわりは、IMJのカルチャーとして浸透している。品質を確保するために必要であれば、クライアントとのタフな交渉も辞さない。
「システムの影響が大きいだけに、絶対にエラーは出せない。無理なスケジューリングは必ず品質を下げます。致命的なミスにもつながりかねないので、開発サイドからの要望が通りやすいように、普段からクライアントとのコミュニケーションは大切にしていますね」(小坂氏)
プロジェクトが始まればさまざまな課題に直面する。そのなかで知恵をしぼり、発想を広げ、自分なりのスタイルで問題を乗り越える。そんな個人がチームを組んで、同じ目的に向かってそれぞれの専門分野を活かしていく。そこにIMJの強みがある。
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クライアントのビジネスの成功を追究する一方、IMJを取り巻く空気は、ハンドルの遊びのようなゆとりを感じさせる。裁量労働制を導入し、仕事のスタイルも個人次第。出社時間も服装も人それぞれだ。押さえるべきことを押さえていれば、誰に責められることもない。
「作り手の感覚を非常に重視しています。自由な発想やアイデアが必要不可欠な仕事ですから」(長見氏)
裏を返せば、縛る必要がないほど、自発的に動く人材が多いということでもある。
「自ら手を上げる人は常に尊重される風土がありますね。以前、新規ビジネス提案制度というイベントがあったのですが、いつしか廃止されました。放っておいても皆がどんどん提案するので、制度にする意味がなくなってしまったんです(笑)」(長見氏)
IMJには、広告代理店、イベント会社、商社など、さまざまな業種からの転職者がいる。業務上の会話のなかでも、そのようなさまざまな経験値からの意見が出るため、お互いの刺激になるのだという。
また、このような環境下では、既存の職域などの枠組みにとらわれずに発言ができるので、仕事の幅もキャリアの可能性も広がっていく。
実際、エンジニアの経験を活かして、テクニカルコンサルタントやディレクターとして活躍している人も多い。
「専門技術を持って“脱エンジニア”するイメージです。クライアントの視点、その先のユーザーの視点、営業的な視点など、さまざまな視点を持ったうえで持ち前の技術を活かすのがIMJのスタイルですね」(長見氏)
さらに長見氏は、エンジニアにはアドバンテージがあると続ける。
「Web2.0の世界になってくると提供できる情報の厚みが出てくるうえ、利便性も飛躍的に上がる。こうした先端技術の仕組みを理解しているエンジニアは、他の人にはできないクリエイティブな提案ができるんです。IMJでも、エンジニア経験を持つ人はとても重宝されています。エンジニアとしてだけではなく、プロデューサーやディレクターとしても、ニーズは高いのです。技術を活かして面白い仕事がしたいという人には、活躍のステージが広がっていると思いますね」 |
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入社以来、XMLをベースにしたCMS(コンテンツ管理システム)の部隊に所属しています。このCMSは、サイトの更新や他媒体への流用などユーザーの将来的な展開を考えて、IMJが独自に開発したXMLベースのシステムで、私自身は新機能追加などの製品開発と、各プロジェクトへの実装とを担当しています。
入社して一番身に付いたのは、1人で仕事を遂行していく力でしょうか。特にいま担当しているCMSは、新しいアイデアを形にした独自の製品ですから、いろいろな意味で前例がない。プロジェクトの進め方にしても、製品の設計・開発にしても、自分で考えて実行するというサイクルの繰り返しです。
前職のSE時代は、なかなか仕事の成果を感じづらい面があったのですが、いまはその正反対ですね。常にゼロベースで新しいものを作り上げていく仕事なので、格段に責任を感じるようになりました。
仕様作成から試作、テストまで一連の流れを担うのはもちろん、ディレクターやお客様から質問を受けたり、トラブル対応もしなければいけない。「これだけやっておけばいい」という環境ではないので、大変なときもありますが、自分の関わったシステムが世の中に公開されるとインパクトの大きさを実感できますね。
また、社内には多様なバックグランドを持つ各分野のエキスパートばかりで、日々刺激を受けています。皆、自分たちがWebのスタンダードを確立していくんだという高い志を持っている。その分個性的な人が多いのですが(笑)、私も負けないよう自分の考えをどんどん伝えるようにしていますね。経験や年齢に関わらず、自分次第でいろいろなチャンスを作りだせる会社ですから。 |
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