ひと足先に選ぶ次世代のMVE : 池邉智洋
?CTOになっても職人の心意気を持ち続けたい? 池邉はライブドアの技術者たちを「職人っぽいというか、尖ったエンジニアが多い」と評する。それだけに、CTOとして個性派ぞろいの集団をまとめるのは骨が折れるはずだ。 「ウチのような会社の場合、コードを書ける人がマネジメントしたほうがいい。コードを書いてないと話すら聞いてもらえないような雰囲気ですから。僕も、今でもときどき自分で書くんです」 CTOがコーディングをしている。その事実を見れば、ライブドアがどんな会社か察しがつくだろう。今、池邉が注力しているのは、ユーザーから受け取った情報をいかに整理し、コンテンツとして展開するかということ。CGM、あるいはWeb2.0といわれる分野であ る。先に触れた『livedoor Blog』は180万の開設者を数え、先ごろリリースされたRSSリーダー『livedoor Reader』も好評だ。 「今後は、小さくやって大きく伸ばす仕事を増やしたい。誰かが2、3週間くらいで開発したサービスをどんどん公開して、ダメなら『ごめんなさい』という感じの(笑)」と抱負を語る。CTOの発言としては少々軽すぎると思われるかもしれないが、そこにこそ池邉の技術者としての矜持がつまっている。 「Web開発は、芸術家が絵画を描くのと同じだと思うんです。開発だって、やろうと思えばもっと産業的にやれるのに、Webの世界はそうなっていない。誰か1人が新しいモノを作ることで、どんどん進化していくんです。そんな世界だからこそ、職人を尊重する環境が必要なんだと思っています」 |