エンジニア冥利に尽きる「技術で社会貢献」の選択ゼロから始める環境技術の醍醐味
2005年に発効した京都議定書によって、温室効果ガスの排出量を1990年と比較して6%削減する目標が開始された2008年。地球温暖化の抑制だけでなく、空気汚染や廃棄物処理の問題など、ますます地球環境への注目が高まるだろう。そんな問題に対して、技術者としてやれることは何か? 技術で社会貢献するというエンジニアの醍醐味に迫る。 |
株式会社三菱総合研究所
中村秀臣 氏
Hideomi Nakamura
環境・エネルギー研究本部長
東京大学工学部卒。エネルギーシステム、地球温暖化対策、エコ事業が専門。内外で環境保全に関する調査、研究成果を発表。1998年より民間企業の取締役を兼務。著作多数
中村秀臣 氏
Hideomi Nakamura
環境・エネルギー研究本部長
東京大学工学部卒。エネルギーシステム、地球温暖化対策、エコ事業が専門。内外で環境保全に関する調査、研究成果を発表。1998年より民間企業の取締役を兼務。著作多数
今さら聞けない
環境関連用語集
2008年
環境Topics
1970年代から社会問題化した企業による環境汚染対策をきっかけに、日本の環境関連技術は世界でもトップクラスのレベルを維持してきた。三菱総合研究所 環境・エネルギー研究本部長の中村秀臣氏は、こうした歴史を踏まえた上で地球温暖化対策や新エネルギー開発、エコ事業などをキーワードに新しい実用化技術の確立と普及こそが急務の課題と話す。
「1970年代の初めと終わりに、日本は2度のオイルショックに直面して、国を挙げて省エネや新エネルギー開発に取り組んできました。それから30年以上が経過して、世界規模、地球規模で環境保全対策に取り組むべき需要が高まってきた。2008年は国や自治体と企業とが一体となって、日本が国内だけでなく海外に対しても牽引役としての存在感を示す重要な年になるはずです」
京都議定書で定められた第一次約束期間の初年度となる2008年、企業にとっては特にCO2削減への取り組みに具体的な数値目標と成果とが問われる。
「特に排出量の多い大手メーカーの製造・生産部門や製造業全体に新しい技術やビジネスがどう貢献していくのかが大いに注目されるでしょうね」
「1970年代の初めと終わりに、日本は2度のオイルショックに直面して、国を挙げて省エネや新エネルギー開発に取り組んできました。それから30年以上が経過して、世界規模、地球規模で環境保全対策に取り組むべき需要が高まってきた。2008年は国や自治体と企業とが一体となって、日本が国内だけでなく海外に対しても牽引役としての存在感を示す重要な年になるはずです」
京都議定書で定められた第一次約束期間の初年度となる2008年、企業にとっては特にCO2削減への取り組みに具体的な数値目標と成果とが問われる。
「特に排出量の多い大手メーカーの製造・生産部門や製造業全体に新しい技術やビジネスがどう貢献していくのかが大いに注目されるでしょうね」
排出削減と新エネルギーに注目
今、エンジニアが携わるとすればCO2の削減技術や新しいエネルギー開発が有望と中村氏は指摘する。
「例えばモノづくり大国・日本を象徴する自動車産業において、実用的な燃料電池の実用化やバイオ燃料の開発は、省エネだけでなくCO2の削減も実現する画期的な技術。2015年を目標とする新燃費基準をクリアする上でも、特に若手エンジニアが積極的に携わってほしい分野であり業種ですね」
また、太陽光、風力などの新エネルギーの開発に加え、発電などで大量に消費される石炭のガス化などのクリーンコールテクノロジーと排出される二酸化炭素の回収、貯蔵技術も大いに注目される。
「実用化技術の確立とともに大きな課題としてクローズアップされているのが、導入のしやすさと普及の促進。これは国や自治体の取り組みも重要ですが、これからのエンジニアには導入しやすく活用しやすい技術開発手法にも目を向けて取り組んでほしいですね」
環境汚染対策や廃棄物処理、バイオ燃料などの分野ではBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)や東南アジア各国・地域へも技術を伝え、貢献していく立場にある日本――。世界規模、地球規模で具体的な目標設定と成果達成が期待される幅広い分野・業種で、若手エンジニアの活躍が大いに期待されている。
「例えばモノづくり大国・日本を象徴する自動車産業において、実用的な燃料電池の実用化やバイオ燃料の開発は、省エネだけでなくCO2の削減も実現する画期的な技術。2015年を目標とする新燃費基準をクリアする上でも、特に若手エンジニアが積極的に携わってほしい分野であり業種ですね」
また、太陽光、風力などの新エネルギーの開発に加え、発電などで大量に消費される石炭のガス化などのクリーンコールテクノロジーと排出される二酸化炭素の回収、貯蔵技術も大いに注目される。
「実用化技術の確立とともに大きな課題としてクローズアップされているのが、導入のしやすさと普及の促進。これは国や自治体の取り組みも重要ですが、これからのエンジニアには導入しやすく活用しやすい技術開発手法にも目を向けて取り組んでほしいですね」
環境汚染対策や廃棄物処理、バイオ燃料などの分野ではBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)や東南アジア各国・地域へも技術を伝え、貢献していく立場にある日本――。世界規模、地球規模で具体的な目標設定と成果達成が期待される幅広い分野・業種で、若手エンジニアの活躍が大いに期待されている。