いまからでも遅くない?!「Over-30」でキャリアを創る。
富士重工業株式会社
人事部 人事グループ
加藤恭子さん
Kyoko Kato
人事部 人事グループ
加藤恭子さん
Kyoko Kato
03富士重工業株式会社
ボディ設計担当者がテストコースを走り、エンジン設計者が1本の線を引くために、既存ユニットをバラして研究する――。他社なら完全に分業制になっているところだが、富士重工業のエンジニアは、ひとりでいろいろな経験を積むことができる。人事部の加藤恭子さんは、「多くのエンジニアと関わりながら自分の手を動かすことができるため、完成車に対し、自分が作った車だという実感が持てる」と説明する。そんな富士重工業では、新卒採用者の場合、ジョブローテーションを数度経ることで、自分が携わるユニットの全体像を理解させているという。つまり、社会人になって8?10年程度で、ユニット全体を語れるようになるというのがスキルアップのひとつの目安だ。
「当社では、狭く深く技術を掘り下げていくのではなく、広く深く自動車作り全般に関わってもらいたいという意識を持っています。図面を引くだけでは飽きたらず、実車実験まで手掛けてみたいといったエンジニアの意欲をそがないような仕組みがあるのです」
富士重工業における中途採用のボリュームゾーンは30歳前後。徐々に仕事の幅が広がり、プロジェクトのなかでも重要な役割を担う年代になってくる。
「このあたりで、マネジメント職になっていくのか否かの方向性が問われてきます。ただし、マネジメントといっても人を仕切るだけが仕事ではありません。プロジェクトを引っ張っていき、新たな車種を完成へと導く役割も与えられます」
仕事の規模を大きくしていきたいという志向を持つエンジニアは、その多くがマネジメント職を望むと、加藤さんは話す。自分が旗振り役になって新車を世に出すことこそが、セットメーカーで働く醍醐味といえるだろう。
マイクロソフト株式会社
人事本部採用グループ HRスペシャリスト
普久原 朝親さん
Tomochika Fukuhara
人事本部採用グループ HRスペシャリスト
普久原 朝親さん
Tomochika Fukuhara
04マイクロソフト株式会社
キャリア育成制度も充実し、個人のスキルや希望に応じた社内異動も増える傾向にあるマイクロソフト。例えば、エンジニアの職種の1つである「技術サポート」。これは、製品・サービスに関する問い合わせ対応や、プロアクティブな顧客向けの技術支援を行う。このサポートエンジニアに対して、同部門では『エスカレーションエンジニア』と『マネジャー』のキャリアパスを用意している。「エスカレーションエンジニアは特定の製品を究めた“究極のエンジニア”で、『SQL Serverなら日本のトップ 10に入る』ほどの技術スキルが求められます。一方、後進の指導やマネジメントにあたるのがマネジャー職。テクニカル・リード、マネジャー、グループ・マネジャーというキャリアパスが用意されています。弊社はオーナーシップ制度を取り入れておりますので、自身のキャリアは自身によって築いていく事になります」(人事本部採用グループ・普久原朝親氏)
サポート部門以外にも、エンタープライズ企業の運用コンサルティングを行うプレミアフィールドエンジニアやプリセールス、製品担当のソリューション営業など、希望やスキルに応じて多彩な選択肢を提供。プログラミングの能力が高ければ研究開発に携わることも可能であり、十分な英語力があれば米国マイクロソフトで活躍する道も開かれている。どのキャリアパスを選ぶかは上司と面談しながら選べ、個人の希望を活かしたキャリア形成が可能な点が最大の特徴だ。
「サポートエンジニアとして培った技術力と顧客との折衝能力は必ず役に立ちます。マネジメントから技術職に戻ることもできるなど、柔軟なキャリア形成が可能です。継続的にスキルを高めたい方に、ぜひ来ていただきたいです」
楽天株式会社
システム構築・運用本部本部長
編成本部本部長
業務推進本部 開発人材部門 部門長
樋口将嘉さん
Masayoshi Higuchi
システム構築・運用本部本部長
編成本部本部長
業務推進本部 開発人材部門 部門長
樋口将嘉さん
Masayoshi Higuchi
05楽天株式会社
日本最大のインターネットサービス企業、楽天。そのビジネスエンジンを支えているのが同社のエンジニア集団だ。システム開発系と、その人材部門の両方を見ている樋口将嘉氏は、「エンジニアは楽天が機会損失なくビジネスを続けるために欠かせない存在」だと語る。「10周年を迎えた楽天は、次の10年で世界進出を目指します。その前提として、様々な志向のエンジニアが活躍できる仕組み作りに力を入れました」
その1つが、昨年3月より運用しているキャリアパス。5系統、6ランクのキャリアを用意し、プロデューサーを目指す人もスペシャリストを目指す人も、スペシャリティを発揮して活躍できるパスを作った。例えマネジメントに携わらないスペシャリストであっても、力量と貢献に見合った評価が得られる。これにより、技術に特化したアーキテクトやエバンジェリストと呼ばれるような存在を目指すことも可能になったと、樋口氏は語る。
もちろん若いエンジニアも、多様な選択肢を持つことができるようになった。
「BBやBBBランクからプロデューサー型かスペシャリスト型かの選択を視野に入れるようになってきますが、進路変更はいつでも可能です。3カ月に1度目標設定の機会があり、その際に希望を言ってもらえれば、柔軟に対応していきます」
またエンジニアには、恣意的に複数のプロジェクトを兼務させ、技術の幅を広げていくチャンスを与えている。そういった経験を経ていきながら、自らの道をじっくりと見定めることができるのだ。
楽天の今後の展開として、樋口氏は、「グローバルなレベルで切磋琢磨できるエンジニアの育成に力を入れていく」と述べる。今後も、エンジニアリングを楽しめる環境の整備に力を尽くす考えだ。
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【「Over-30」でキャリアを創る。】 ---「本田技術研究所/日本エリクソン」