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03株式会社ハイマックス
P2P技術を活用した新たなBtoBサービスを創出
Junya Yamaguchi
大学卒業後、2000年4月に大手SIerへ就職。上流工程が中心の業務だったため、エンジニアとしての基盤を築くべく、もっと技術スキルを磨けるシステム開発の現場に身を置きたいと、02年4月にハイマックスへ転職。生保・損保業界のシステム開発に従事する。06年秋に、F-Orc 開発プロジェクトに参画。同サービスの名付け親であり、ただ一人の技術担当として活躍する。08年5月にはVer2.2がリリース予定
「P2PでBtoBサービスを展開している企業って、まだないんですよ」

そう言って笑顔を見せるのは、独立系SIerのハイマックスでチーフアーキテクトを務める山口隼也氏だ。山口氏は、P2P(Peer To Peer)配信技術を利用した大容量データ配信システム『Fission Orchestra(フィッション オーケストラ)』(略称:F-Orc/フォーク)を独自に開発。主に金融・流通業界向けの業務システム開発を主力事業に成長してきた同社において、新たな事業の柱となり得るサービスを生み出した立役者だ。

「Winnyなどのソフトウエアを介した情報漏えい問題があったように、セキュリティー面の脆弱性が目立つのがP2Pの弱点。だからこそ、技術的には注目度が高いわりに、BtoBサービスとしては普及していなかった。でも、そこさえクリアできれば、面白いソリューションが作れるのではと思ったんです」

開発のきっかけは、全国の金融機関に大容量のマーケット情報を配信している顧客企業から、「サーバ負荷を軽減したい」と相談されたことだったという。

「P2Pを活用すれば、情報発信する際の負荷をネットワーク上の端末に分散できるため、配信速度やコストを劇的に改善できる。クライアントに『P2Pを試してみませんか?』と提案し、協力を仰ぎながら開発に取り掛かりました」

山口氏は、BtoCサービスでP2Pを提供している米企業とも情報交換をしながら、商用で利用できるレベルの機能を確保するべく、試行錯誤を続けた。結果、セキュリティー面の課題はSSLやVPN通信に加え、NAT Traverse技術などを活用して解決。さらに、中央集権型のシステム構成にすることで、優れたデータ配信管理機能も実現した。導入や増設も容易なF-Orcの適用範囲は、電子広告やeラーニング、モジュール配信など幅広い。2008年5月には、サンフランシスコで行われた世界最大級のJava技術イベント『JavaOne 2008』へも招待された。その注目度はもはや世界レベルだ。

「今後、さらにF-Orcの操作性と利便性を向上させるために、STB(セット・トップ・ボックス)を配信エンジンとして利用する方法も検討中です。どこもまだ手を出していないP2Pの商用サービスを自分の手で育てていける。エンジニアとしてこんなチャンス、そうそう出会えるものじゃないですよね」
04NTTエレクトロニクステクノ株式会社
次世代ネットワークサービスの品質を担保する“最後の砦”
Toshiyuki Ohashi
2000年に東洋大学を卒業後、大手メーカーのエンジニアリング会社に入社し、POSレジスターの修理に従事。PCをつないでレジの中のデータを救う、切断されたLANケーブルをつなげるなど、ソフト、ハード双方のトラブル解消を経験する。さらに深く技術を掘り下げていきたいと考えて転職を決意し、08年1月にNTTエレクトロニクステクノへ入社。現在はNTT東日本研究開発センタにて、次世代ネットワークシステムの検証作業を担当
NTTグループ内唯一のハードウエアメーカーであるNTTエレクトロニクス。その子会社であるNTTエレクトロニクステクノは、グループの技術基盤を活かし先進的な業務を行っている。

現在同社が力を入れているのが、NTTグループが今年3月から提供を開始したNGN(Next Generation Network/次世代ネットワーク)を利用した商用サービス『フレッツ 光ネクスト』のネットワーク網の検証。回線交換式のアナログな電話網から、IPをベースとした新しいネットワークに移行していく世界的な流れの中、すでに日本では一部地域でNGNが実用化されている。現在は2010年の全国展開を目標に、急ピッチで整備が進められている最中だ。

大橋俊幸氏は、そのNGN網の検証作業のため、NTT東日本研究開発センタに出向している。

「防ぎたいのは、途中でパケットが欠落することで、音声通信に支障が出てしまうこと。電話としての十分な品質を維持するため、さまざまな種類のデータを流し、検証を進めています」

大橋氏が検証しているのは、研究所での検査をパスしたものばかり。しかし、大橋氏が手掛ける最後の検証作業で、重大なミスが見つかることも少なくない。

「通常のデータだけではなく、セキュリティーや課金制御データ、暗号化データなど、多くの条件を重ねていくと、基準どおりの性能に至らない場合もあります。リリース時期が決まっている中、限られた時間内でさまざまな検証を重ねることは、確実な製品を世に送り出すために不可欠な業務なのです」

エンジニアとしてのやりがいは、社内LANやWANの構築ではお目にかかれないような大型のネットワーク検査機器に触れ、最先端の技術に携われることだと大橋氏は話す。同時に、独特の重責を感じることもあるという。

「TCP/IPや光通信の知識はもちろん、関係するハードウエアの仕様に関する知識も必要。幅広い分野の知見が求められるため、日々の勉強は欠かせません。自分たちの検証作業が“最後の砦”だと思うと、責任の重さを感じます」

今後もNGNに関するさまざまな技術を磨き、ネットワークエンジニアとしての商品価値を高めていきたいと話す大橋氏。IP化の最前線でステップアップを果たす醍醐味は大きい。
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