クルマ業界の最新動向をチェックしたら、早速転職活動開始! とはいえ、自分がどこに転職できるのか分からない人も多いのでは? ここで紹介する4つのポイントを押さえて、自分に合った1社を見つけよう。 |
転職者に求められるスキルは多様化! デメロン スカウソン氏 J.Demeron Skouson TRWオートモーティブ ジャパン株式会社 乗員安全システムエンジニアリング チーフ エンジニア |
世界各国に拠点を持ち、主要自動車メーカーに安全システムを供給するTRWオートモーティブジャパン。デメロン スカウソン氏は、エアバッグなどの乗員安全システム開発部門の日本責任者として多くの採用面接に携わってきた。そんな彼に、同社をはじめとした自動車部品メーカーの採用の現状を尋ねた。
「業界全体としては、電気系技術者を取り込む動きが活発ですが、依然として機械系エンジニアの存在は不可欠。当社でも安全性能を高めるエアバッグの開発エンジニアを募集していますが、採用は難しいですね」
機械工学の知識を持つエンジニアの採用が困難な理由をスカウソン氏はこう分析する。
「企業が求める人材像は、30代で機械工学の知識と、少しの業界経験があるエンジニア。当社は外資系企業ですから、社内のやりとりに英会話スキルも必須です。しかし、海外進出を進める企業の多くが、そういった人材を求めている。希少価値の高い人材の取り合いになっているのでしょう」
また、スキルや経験以外に採用担当者が重視するポイントは、いわゆる人柄である。
「面接では、これまでの仕事の進め方や経験してきたことを具体例を交えて話してほしいですね。こちらからも質問を投げかけてみて、オープンに仕事ができる人かどうか、学ぶ意欲がある人かどうかを見極めています。当社の製品について学んだ上で、お客さまの要求をくみ取って仕事を進めていける人物だと判断できたら、採用に至ります」
転職者に求められるスキルや志向が多様化しているクルマ業界。製品や企業規模だけなく、自分に合った企業を見つけることが転職後の成長に大きな影響を与えるといえるだろう。
完成車メーカーと部品メーカーのどちらを選ぶべきか、加茂氏は「技術を究めたいなら部品メーカーを志望すべき。一方、目に見えるものを開発したければ完成車メーカーがベスト」とアドバイスする。「メーカーにもよるが、クルマの技術をとことん追究したい人にとっては、完成車メーカーはフラストレーションが溜まる現場になるかも。とにかく、“クルマを造る”という仕事は完成車メーカーでなくてもできるという事実を知っておいてほしい」(岡崎氏)。
職務経歴書を書いてみる 職務経歴書を書いてみると、キャリアの棚卸しができて一石二鳥。これまで無意識に選んできた仕事の志向が思い出せるかも。フォーマットをダウンロードできるサイトはたくさんあるので活用して |
キャリアカウンセリングを受けてみる 自分だけでは志向の整理が難しいと感じたら、プロに相談してみては?フリーで活動しているカウンセラーも多い。その場合、5000円から1万円の相談料がかかることがあるので事前に調べておこう |
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自動車業界への転職しやすいタイミングとして、「動きやすいのはやはり30代まででは?」と松下氏。「1年サイクルで言うならば、4月は新卒の受け入れで、企業側がとても忙しい時期。ここでの求人は少ないですが、ゴールデンウイークが明けるとキャリア採用の求人が出てきます。ただし、景気が低迷し始めた昨今では、自動車業界全体でキャリア採用を絞る傾向にあります。アンテナを張り巡らして、転職活動を行うことが肝心です」(加茂氏)。
業界特化のサイトを定期的にチェック http://www.marklines.com/ja/index.jsp |
人材紹介会社に登録しておく http://www.techno-brain.co.jp/ |
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「企業の求人意欲が高い、または緊急度が高い場合は年収アップにつながる可能性があります」と加茂氏は解説する。また、「全般的には完成車メーカーの方が収入が高い傾向があるが、ある大手部品メーカーは今年過去最高の求人数を発表しています。能力に応じて年収も交渉次第では?」とも分析する。業界内での転職なら、部品メーカーから完成車メーカーへの転職がポピュラーな年収アップのルートなのは依然として変わらなさそうだ。
スクールに通ってCADを習得する 2DCADと3DCADの両方を使いこなせる技術者は業界内でもレア。未経験から自動車業界に転職を目指すなら資格を取っておくと年収もプラスに。スクールや通信講座など資格を取る方法はさまざま |
技術英語の参考書を読む 英語スキルの中でも、特に技術英語が使えれば企業からの評価も高くなる。『プロ技術者のための英単語1000 技術英語の重要単語を厳選!』(宮野晃・著/すばる舎/2310円) |
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「求人サイトで検索する際は職種などの基本情報のほかに、自分の得意な技術や、やってみたいコトなどの項目も入力を。もう一つ、人脈を活かした情報収集も重要。転職経験者からは、Webや雑誌などにはない生の情報が聞ける場合が多いです」(加茂氏)。「志望先のクルマやパーツに触れておくことも重要。レンタカーでもディーラーの展示車でもいいので、製品を直接見ておけば面接の際にきっと話題になりますよ」(岡崎氏)。
自動車メーカーの企業博物館を見学 『マツダミュージアム』や『トヨタ博物館』などでクルマ史の勉強を。過去の製品の知識は、面接でのアピール材料になるだけでなく、新製品開発のヒントにも。写真は、日産横浜工場のエンジン博物館 |
業界マップ&業界本を読んでおく 面接前には、企業だけでなく業界全体を把握しておこう。業界未経験者は特に読んでおきたい。『自動車立国の挑戦 トップランナーのジレンマ』(住商アビーム自動車総合研究所・著/英治出版/2520円) |
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・自分に合ったカイシャを選ぶ「イマドキ」転職ノウハウ