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業界識者が部品メーカーの未来を大予想!

『課題解決のパートナー』としてのサプライヤーが求められている

秋山 喬 氏

株式会社住商アビーム自動車総合研究所
取締役副社長

アビームコンサルティングにて自動車メーカーのBPR、M&A、海外進出などのコンサルティング・プロジェクトを経験。2003年の会社設立時に出向。現在はプロジェクトのリードから社内の体制整備まで、業務全般を担う

矢崎総業の開発状況を見ると、完成車メーカーとのつながりが想像以上に深いことが分かる。自動車業界での部品メーカーの役割と今後の発展について、自動車業界に特化したコンサルティングを行う住商アビーム自動車総合研究所の秋山喬氏はこう話す。

「かつては完成車メーカーに依存していた部品メーカーが、自立型に変化してきています。『こうすれば問題を解決できる、こうした新しいアプローチ方法がある』といった具体的な提案をできる企業が、今後業績を伸ばしていくでしょう」

これからの部品メーカーは、単純に依頼された部品を作っているのだけでは、苦しくなる一方。完成車メーカーが問題を持ちかけてきたときに、すぐに有効な答えを導き出せる能力が命運を分ける。

「1を言ったら3?4を理解し、答えを出せるパートナー。そんな姿が部品メーカーに求められる背景には、完成車メーカーが抱える大きな課題があります」

その課題とは、「コスト削減」と「人材不足」の2つだという。

「サブプライム問題や原材料費高騰の影響で苦しむメーカーにとって、開発や生産のコスト削減は必須課題。これをクリアするためには、開発の初期段階からサプライヤーが参加し、共同で開発を進めるのが最善策といえます。『いかに部品メーカーに提案してもらうか』が課題解決の糸口になるのです」

もう一つの課題である、複雑で多様化する最新のクルマを開発する上で、それに対応できる人材が不足しているという現状。グローバル化の進展や、開発・生産期間の短縮で、人材を育てる時間も不足しているという。

「こうした状況下では、部品メーカーの知恵を集約するのが最も有効な手段なのです。これまでは自前で開発していたものを部品メーカーに任せることで、人材不足を補うという動きもあり、開発力・提案力のある部品メーカーが勝ち残っていくことは容易に予想できます」

また、電気自動車やハイブリッド車の開発が進み、電装品の進化スピードが加速している。部品の電子化が進む中、ワイヤーハーネスを主力製品とする矢崎総業の今後はどう予想されるのだろうか。

「ワイヤーハーネスは自動車になくてはならない部品ですが、クルマを設計する際の制約になっているという面もある。だからこそ、例えば、光通信技術とそれを実現するワイヤーハーネス・コネクタなど、クルマの設計開発に自由度を与えるような技術と製品をパッケージで提案できれば、矢崎総業が業界に与えるインパクトは大きいでしょうね」

競争の激しいワイヤーハーネスという分野で世界シェア1位を確立している矢崎総業だからこそ、最新のクルマ開発を担う新しい製品開発が期待される。


2006年度日本企業の国別生産法人数上位10カ国

日本企業の現地生産法人は増加傾向にある。2005年度1位の米国を中国が大きく超えた結果となった

出典:社団法人 日本自動車部品工業会



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