若手ボードメンバーの職務経歴書

設立間もないベンチャー企業とはいえ、創業メンバーでも、ヘッドハンティングで入社したわけでもない私が取締役になれたのは、地道にコツコツと実績を積み上げてきたことが評価されたからだと思っています」

そう語るのは、半導体や電子部品のBtoBサイトを運営するチップワンストップの若き管理部長である梅木哲也氏だ。

その言葉どおり、学生時代から経営学全般に興味を持っていた梅木氏は、最初の就職後も財務・経理を自らのコアスキルにするために独学で簿記2級の資格を取得。さらに、前職在職中の01年から2年間、埼玉大学大学院の夜間部で商法を勉強してきた努力派だ。

「前職では経理や決算業務に加え、ベンチャー企業を１つ設立する位のさまざまな業務をこなしてきました。それに大学院での商法の勉強が、上場を目指していた当社の業況に役に立ったのでしょう」

頑張った人には報いることをポリシーとしている同社にあって、上場に向けた役員増員の際に白羽の矢が立ったのも当然といえる。

「最初は戸惑いましたが、経営に直接タッチしてこそ見えてくることがある。それを30歳で経験できるのはチャンスだと思い、取締役就任を決意しました」

意思決定のスピード感や、新規事業へのチャレンジといった積極性が高まることが、若い取締役がいるメリットだと指摘する梅木氏。就任後はこれまで以上に責任の重さを痛感しているという。

「社長が事業の絵を描く中、業務全般のバックアップをするのが私の役目。特に企画ができる人材の育成に力を入れて、会社を成長させていきたいですね」