未上場ベンチャーへの転職

大企業で組織の歯車となって働くよりも、伸び盛りのベンチャーで思う存分実力を発揮したい―。でも、いまさら、上場した有名ベンチャーにいっても、会社の「草創期」の支えるやりがいや、未知なる領域を開拓していく喜びは味わえそうにない。そこで、typeがおススメするのが、今後上場予定がある優良ベンチャー企業への転職だ。本特集では、リスクをとって、未上場ベンチャーに飛び込んだ人の「その後」を追跡。優良ベンチャーの見分け方などについても研究していく! 《2005年10月号より抜粋》

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池田拓司氏(27歳) 株式会社 はてな チーフデザイナー
坂本達也氏(29歳) 株式会社ヤッパ 3D事業本部 Account Management室長
田尻潤二氏(28歳) 株式会社 エス・エム・エス コンサルタント/東京事業所責任者
 
 
株式会社ヤッパ
坂本達也氏(29歳)
 
 
2002年、東大大学院修了後、大手コンピューターメーカーに入社。社内SEを経験。04年、営業部門の責任者としてヤッパ(http://www.yappa.co.jp/)に転職。
 
 

「働き甲斐」を求めて大手企業から創業メンバーへ

3D画像の分野で世界一のシェアを取る――。そんな社長のビジョンに惹かれ、大手コンピューターメーカーのSEからヤッパに転職したのが坂本達也氏だ。

ヤッパは2000年、当時17歳の高校生だった伊藤正裕氏が設立したベンチャー。社長は現在21歳という若さだが、同社はウェブ3Dの国際特許を持ち、従来天才技術者の技量次第の部分も多かった3D画像製作のマニュアル化に成功、海外でも売上を拡大させている有望企業だ。

「社長の年齢を聞いたときはビックリしましたが、会ってみて印象は変わりました。明快な将来のビジョンを持ち、完璧に社長業をこなしている。ベンチャーでやっていくには社長との相性が大事といいますが、この人とだったら一緒に働きたいと思いました」

前職の大手コンピューターメーカー勤務時代は社内SEとして、CRMシステムの開発やメンテナンスを担当した。しかし、 「ヤリガイの面で少し物足りないものがあった。大組織なだけに自分の担当領域が狭く、裁量が狭いという印象は否めませんでした。2年たって異動を申請しようかと考えていた矢先、知人を介して伊藤社長と出会ったのです」

社長の印象のほかに、優れた技術があること、海外にも拠点があること、業務の成長性が高いこと、創業メンバーの1人になれることが転職の決め手になった。現在坂本氏は、営業部門のリーダーとして4人のメンバーを束ねる。

「営業方針の立案など、かなりの部分で仕事が任されています。もっとも当社で一番の営業マンは社長ですが(笑)。その姿を間近で見ているので、僕も頑張らざるを得ない。前職の大企業では自分がいくら頑張っても全社売上の1%も上げることができませんが、今は自分が会社を成長させるというヤリガイがある。会社づくりに加わっているという実感値があります」

ヤリガイはある反面、「責任が重い」というプレッシャーを感じるようになったのが新鮮だという。

「前職では決められたことを効率よくこなすといったスタイル。でも、今は“自分が何をすべきか”から考えるスタイル。この会社に来て、自分は頭が固かったと再認識しました。社長の口癖は“世界で一番にならないと意味がない”。その実現に向けて、自分も全力投球するのみです。将来も会社の成長とともに、ずっとこの会社で働いていきたいと思っています」

 
 
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