決まりごとがない中で大きな仕事を任される
それが成長ベンチャーの醍醐味だ
ネットベンチャーは、与えられた仕事をコツコツやる“ファーマー”タイプよりも、自ら獲物を獲りに行く“ハンター”タイプが向いている」 と、異業種からネット業界に飛び込んだ実感を語るのは、ぐるなび人事担当の大久保誉義氏だ。
「それでも当社はベンチャーっぽくないほう(笑)。なぜなら、頑張っている人をみんなで応援する風土だから。ハンター集団だけどアットホーム。それは会社が急成長している要因でもあると思います」
大久保氏は新卒で大手住宅メーカーの営業マンとなったが、「営業よりも人事のほうが向いていそうだ」と、アミューズメント会社の人事マンに転職した。採用、給与、社保、研修などの実務をみっちり学んだが、今後人事のプロフェッショナルとなるには労務管理、人事制度の構築という経験が不可欠だと思った。
「そこで転職活動を開始し、ちょうど募集をしていたのが、ぐるなびだったのです。ベンチャーゆえに未完成な部分も多いことから、幅広い仕事ができるのが魅力でした。さらにぐるなびは、営業職が大半の会社なので、住宅メーカー営業マン時代の経験も役立つと思いました」
昨年の10月に転職。人事のリーダーとして課せられたミッションは、中途採用の増員、研修制度の見直し、社員研修の運営など。まだ1年弱だが、200人近い中途社員を採用したという。
ベンチャーは人=売上。中途採用者の採用者数をクリアし、目下年末をデッドラインに評価制度作りに邁進中だ。
「当初は“仕事の進め方や仕組み”が何もないところが驚きでした。中途採用にしても、“とにかく人を増やしてほしい”というだけで、細かい方針はなし。研修も統一の方針はなかった。驚きの連続でしたが見方を変えると、自分で仕事を自由に組み立てたり、拡大できる。それが嫌な人はベンチャーには向かないと思います」
意志決定の速さも、前職とは雲泥の差があるという。
「懸賞制度が年3回あり、採用されるとプロジェクトが立ち上がり、あっという間に形になった。成長企業は様々な面で刺激的です」
上場や中国進出でさらなる飛躍をしていく中で「ぐるなびの人事担当として、会社の成長を支えたい」と語る。 |