最新!ネットビジネス大研究

第2次ネットビジネス興隆期のいま、転職するならネット業界に行きたいというtype読者は多い。だが、ネットビジネスはそもそもアップダウンが激しいもの。転職にはリスクが伴う。では、これから発展しそうなベンチャーはどこか?また、これからのネットビジネスはどのような展開が予測されるのか?はたまた、目まぐるしいスピードでビジネスが展開するネット業界で通用する人材とは?本特集では、思い切って異業種からネット業界に飛び込んだ転職者を紹介する一方で、専門家がこれから伸びるネットビジネスを予測していく。 《2005年11月号より抜粋》

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■Index
大久保誉義氏(32歳) 株式会社ぐるなび 総務department 人事グループ グループ長
桑原 顕氏(28歳) バンダイネットワークス株式会社 コンテンツ事業部ゲームチーム
田村 淳氏(31歳) 株式会社ブロードバンドタワー ブロードバンド配信本部 BB配信営業部 担当部長
野々村範之氏(27歳) 株式会社アエリア ソリューション事業本部
 
 
株式会社ブロードバンドタワー
田村 淳氏(31歳)
 
 
1974年生まれ。2000年、友人とIT関連会社を起業。携帯向けコンテンツやバーコード技術を開発。03年、ブロードバンドタワー入社。ネットシネマ事業の立ち上げを牽引
 
 

起業家からネットベンチャーへ転職
いまは「やりたいこと」に集中できる

起業家時代は日々の資金繰りに追い回され、考えるのはロマンよりカネのことばかりでした。しかし、いまは安心感がある中で存分に暴れられる。僕は起業家よりもプレーヤーが向いていたようです」

そう語るのは、起業家から03年にブロードバンドタワーの社員に転身した田村淳氏だ。

田村氏が00年に友人と起業した会社はパソコン販売、HP製作から始まり、auなどの携帯公式コンテンツや携帯バーコード技術を開発。モバイル広告大賞を受賞するなど注目された。

「インターネットで映画を配信する事業をやりたいとずっと思っていた。前の会社の取引先だったブロードバンドタワーの社長に、そう話したら“ウチでやりなよ”。それで取締役を辞めてこの会社に移ってきたんです」

起業経験と企画を形にする力のある田村氏のミッションは、ネットシネマサイトの立ち上げ。

同社にはブロードバンド配信のインフラがある。これを使って映画をネットで無料配信し、DVD化もするプランだ。

「一番大変だったのは広告主探し。相手が数千万円の映画制作費を出すのに、納得できる企画書を作らないといけませんから。また、ゼロから手配をするのも勉強の連続だった」

まだ1年半だが、東京ガス提供の『クック・ミー・ソフトリー』など、チームで80の映画を公開した。

同時に自らの発案で、映画の中で出会ったこだわりのライフスタイルを提案するeコマース事業も立ち上げた。

「社長に提案すると、すぐ子会社を作れと。会社の方向性に合えば、何でもトライさせてくれる。社内は若手が競って新規事業を提案する文化。それを経営陣が冷静な判断でコントロールしています」

ベンチャーは既存取引先との取引だけではすぐに限界をきたす。だから、常に新規開拓と新規事業立ち上げの連続。これに伴って、ゼロからチームを作る力が重要だと感じているという。

「僕はネットのインフラを作ることが自分の天命だとある日、目覚めた。やはりベンチャーでは、自分がやりたいことを力強く一言で言えることが、成功する条件だと思います」

 
 
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