技術だけでなくビジネス力をつけるため
成長中のベンチャーに飛び込んだ
技術を追求するだけでは限界が来る。やはり技術をお金に換える営業力や企画提案力がないと、会社も自分のキャリアも成長させることはできません」
現在、アエリアで携帯およびウェブの各種ソリューションを開発する野々村範之氏は、同社に転職した理由をそう語る。
前職のネットベンチャーには学生時代のバイトから関わった。
大学卒業後も、引き続きプログラマーとして検索エンジンや懸賞情報サイトなどの自社コンテンツを多く開発した。
「技術的には最先端の開発に携われたのですが、残念ながら会社には上場できるような勢いはなかった」
そんなとき、仕事を通してアエリアの長嶋貴之会長に出会った。長嶋氏の会社は技術力に加え、営業力と企画力で伸びている。自分の今後について相談すると、「ウチへ来いよ」と一言。こうして野々村氏は03年にアエリアに転職した。
アエリアはネットワークゲームの運営と各種ビジネスソリューションの開発を主に手がけている。
入社以来、野々村氏はソリューション担当として、大手フランチャイズチェーンの携帯メール配信システムや、旅行会社の予約サイトの開発などを行っている。
「会社の雰囲気はずいぶん変わりましたね。一風変わった職人肌といった雰囲気の人と、大きなビジネスをモノにしたいというイケイケのベンチャーっぽい人が混在。一見、水と油ですが、打ち合わせではけっこういいコミュニケーションが取れています」
野々村氏の目標は、ビジネス力をつけること。
そのため開発だけでなく、自ら客先に行き、予算や要望をよく聞くようにしているという。
「話を聞くと、余計な機能を省く提案ができる。こうして予算と機能の擦り合わせに注力することが、売上を上げる上で大事なんだとわかりました」
成長力のあるベンチャーは「完全能力勝負」であるという発見もあった。
「自分が関わったプロジェクトの売上高で評価が決まる。だから、常に同時に3件はプロジェクトを抱えています。忙しいときはもちろん寝る暇もありません。このような環境なので、自分の責任範囲を限定したい人、自分の能力や技術に安住したい人には向かないでしょう。やはり貪欲で、自分の力で勝負したい人が向いていると思います」 |