日本を代表する3社からひもとく
グローバル企業の「仕事スタイル」 |
メジャー企業の業務から、ビジネスにおける“世界基準”が見えてくると言っても過言ではない。ここでは、日本を代表するグローバル企業である「日本オラクル」「ソニー・コンピュータエンタテインメント」「コマツ」の3社で活躍するビジネスパーソンたちから、ビジネススタイルや働き方、モチベーションなどを伺った。 《2006年3月号より抜粋》 |
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IT産業のなかでも、グローバル企業の代表格のひとつである日本オラクル。 製品担当のシニアマネジャーとして活躍する山田篤伸氏は、「日常のあらゆる場面でグローバルな環境下で仕事していることを実感する」と言う。 山田氏が率いるのは、製品の品質検証から出荷作業、社内・パートナー企業様に対する技術支援まで、新たなミドルウエア製品を日本市場へ送り出すまでの技術的な責任を一手に担うチームである。 それだけに、米国オラクルの開発部隊と常にコンタクトを取り合うことが必須。新製品の情報を入手したり、開発スケジュールを把握するため、日々のメールの半分は、米国とのやりとりだ。3カ月に一度は米国に赴き、日本市場のニーズや求められる機能について、ミーティングを行っている。 さらに、出荷前のテストは中国の開発センターをハンドリングしながら実施しており、製品出荷後も、インドの開発センターや米国の関連各部隊と協業する。まさに、「すべてにおいて、日本国内だけでは仕事が完結しない」環境なのだ。 「また我々の部門は、出荷前の製品に関して、技術的な知識を持っている唯一の部隊です。各国の最新の情報を共有するためにも、世界中の拠点を結んでのミーティングも定期的に行っています。こういうお客様が抱えている課題や、こんな使い方をして大成功を収めたとか、技術的なネットワークをグローバルに構築して、様々な情報を共有しています」 国内大手SIerから、さらなる飛躍を求めて転職を果たした山田氏。グローバルな職場環境で感じるのは、情報にアクセスできるスピードの速さと情報量の多さがまったく異なるということだ。 「米国発の動きの多いITの世界。日本オラクルでは、米国オラクルで社内に蓄積された情報の量も膨大ですし、それを入手できるスピードもとにかく速いんです。特に現在の仕事は、その性質上、公表前の最新情報をいち早く入手できる。さらには、IT業界のリーディングカンパニー各社と直接コンタクトを取れる機会も多く、社内だけでなく、業界全体として米国でこれから何が起こるのか、素早くキャッチできる点も大きな魅力ですね」 一方で、こうした膨大な情報も自ら取りに行かなければ見過ごしてしまう、と山田氏は言う。仕事でも、上司から細かな指示が与えられるわけではない。自ら考え、自ら動いて仕事を作り出し、その成果を積み重ねながら、自分の手でチャンスをつかんでいくのが、ルールなのだ。 「組織上の役割はあっても、意識的にはとてもフラット。若手であろうと、皆どんどん主張しますね。組織の壁がなくチームワークが大事。自分が周りにどのような影響を与えているかが評価のポイントにもなります。一言でグローバル企業といっても、やはり会社ごとの文化があって、おそらく当社には人とのコミュニケーションを大切にしている人間が多いんでしょうね」 やりたいことは何でもできる。だからこそ、自分の能力を限定しないで柔軟にチャレンジする気持ちが大切だという。 「今の私の使命は、海外の新しい取り組みを、日本に受け入れられる形に変え、いち早く紹介すること。今後はさらに、日本の素晴らしい事例をどんどん海外に発信していきたいと思っています」 |
UNIXエンジニアとして豊富な経験を持っていたものの、DB領域は未経験だった山田氏が、入社して初めて参加したのが大手通信企業様向けの大規模案件。2000人規模のビッグプロジェクトに、DBAとして加わった。 いきなりの大規模プロジェクトにとまどいつつも、猛勉強と、周囲のサポートを得ながら業務に臨み、徐々に自信と信頼を獲得していった。 「大きな仕事を任され、自分は試されているのかと、当初はかなり緊張しましたね。もちろん実際はそんな意図はなくて、一人ひとりにより大きな仕事を与えていく、というグローバル企業ならではの考え方に基づくものだったんですが」 そのプロジェクトで、自分よりも年下の20代半ばのコンサルタントが、2000人を束ねる開発部隊の部長と直接話している姿を見て、日本企業との文化の違いを実感したという。社歴や年齢に関わらず、仕事を任され、結果を出した者が次の大きなチャンスをつかむ。それを目の当たりにした瞬間だった。 2年後、『Oracle Collaboration Suite』の立ち上げの話があったとき、「ぜひやらせてほしい」と自ら手を上げた。 「異動しても、誰も細かい指示は出さない。自らが新しい仕事を探して動き出すと、徐々に裁量の幅が広がり、一緒に仕事をするメンバーも増えていったりする。仕事は自ら作り出すものなんです」 |
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