年収1000万円プレイヤー図鑑「外資系コンサルティングファーム コンサルタント」

新卒で入社した国内大手のコンサルティング企業から、外資系ITコンサルティング会社へと転職し、年収1000万円を果たした安住勇太氏(仮名・29歳)。学生時代から経営者を志し、常に現状の自分に必要な目標設定を掲げて仕事に取り組む中で、譲れない条件の一つに「年収アップ」を据えている。そんな安住氏が年収1000万円プレーヤーになれた理由とは?その独特な思考性を探ってみた――。

年収の推移

Q.新卒で国内大手コンサルティング会社に入社したということですが、当時描いていたキャリアビジョンを教えてください。

就職活動での会社選びの基準は、「経営がしたい」「社長になりたい」という最終ゴールに向けて必要なことが学べそうかという点。だから最初から商社か経営コンサルにしか入社する気がなかったんです。大学の専攻はアメリカ政治のゼミでしたが、将来のことを考えて…という名目で経営関連、中国語、マクロ・ミクロ、など好き勝手に色々と手をだしていましたね。

ビジネスや経営に興味を持ったきっかけも大学の時でした。学生向け雑誌を制作するサークルに参加することになったのですが、そこが一つの企業のような仕組みで、制作した雑誌を学生に販売して売上げを出す活動をしていたんです。そこで、いかに販売部数を上げて利益を出すか、販売ルートや広報戦略を練ったり、メンバーのマネジメントをしたりと、経営を経験できたのが面白かったですね。実際には、そこで自分が前年比3倍の売上げを出した成果がやみつきになったのかもしれません(笑)。

Q.入社した国内大手コンサルティング会社ではどんな仕事をしていたのですか?また転職を考えたきっかけは?

新卒のときは病院などの経営コンサルティングを担当していました。15?20くらいの病院を出入りしていて、仕事自体は面白くやりがいも感じていました。が、1年経過する頃には先が見えてしまったというか、ここで学べることの限界に気付いてしまったんです。
正直に言うと、同級生たちがもっと名だたる大手企業でバリバリ活躍している話を聞いて、「自分はこの成長スピードでいいのか」という焦りも感じていました。それまでの病院関係の仕事で得た知識や人脈で独立しようとも考えましたが、やはり知見も狭くて新しい発想が出にくいことに気付いて、まずは視野を広げる転職をしようと思ったのがきっかけです。

現在の外資系コンサルを選んだ理由は割と単純。これからはITの時代だ!という確信的な予想と、新卒で入社試験に落ちていたことに対するリベンジです(笑)。

Q.転職時には必ず年収アップを意識するそうですが、具体的にはどのようにされたのですか?

常に年収は意識しています。転職先を決めるときも「絶対に年収は下げない」と決めていました。 私が年収1000万に達したのは転職して2年目、プロジェクトのチームリーダーのポジションで顧客との折衝役を任されるようになった頃ですが、そもそも入社を決めたのもこの分野の企業の利益率の良さを知っていたから。結果を出せば給料を出せないはずがない、と思ってのことです。

生意気な言い方に聞こえるかもしれませんが、自分に自信を持たなければ年収アップはできませんよ。自分のできることをリストアップして、それが自分の武器であることを意識すること、そしてそれを鍛えることが年収アップに繋がるというのが私の持論です。「できること」と「やりたいこと」は違うとはよく言いますが、「できること」がなかったら「やりたいこと」はいつまでも言えないですよね。特にコンサルティングという仕事は、自分に知識がないと使ってもらえなくなる厳しい世界。常に勉強していないとコンサルタントとして働き続けるのは難しいでしょう。だから私は自己投資にはどんどんお金を使うようにしています。

Q.今の仕事内容と年収について満足していますか?

そうですねぇ…。もらっている年収に対しては自分のスキルの方が低いですかね。「もらい過ぎ」だと。ただ、スキルに関しては見合ってないが、パフォーマンスに対しては見合っている、と思います。目指しているものがあるうちは常にスキルは足りてないと思って然るべき、ただしそれなりのパフォーマンスは出しているつもり、ということですね。

年収1000万円を突破してからは、毎年プロジェクトの数や内容によって年収800万円から1000万円くらいの間を変動しています。私自身、年収800万円を超えたらそれ以上はもう変わらない、と思っているんです。ブランド品や車にも興味ないですし(笑)。年収は「自分の価値指標」でしかないんです。お金で買えない経験をできるところに行きたいという意味では、仕事と年収にはまだ満足していませんね。

Q.仕事のやりがいと今後の展望についてお聞かせください。

入社してから、素材エネルギー関連のプロジェクトやBI関連のプロジェクトに多数携わり、今も新しいプロジェクトが始まったばかりで忙しい日々を送っています。前職にいた時よりも速い成長スピードにのっているのは感じますね。下っ端の雑用ばかりやって休日返上で夜中の3時まで働くとかやっていた頃と比べて、今も時間的にそういった働き方をすることもたまにはありますが、目的意識が違うのだと思います。「このプロジェクトではシステムが分かるようになる」、「今回は会計の仕組みが分かるようになる」、「次のプロジェクトでは部下を持つ」、など常に目標を持ってそれをクリアしてきたことが自信になっています。

仕事のやりがいは、そうですね、会社からの高い要求に応えられるか、顧客を満足させられるかというプレッシャーに打ち勝って、顧客から信頼された瞬間ですかね。その時はもう“どや顔”ですよ(笑)。ただシステムのことだけ考えて利害関係でピリピリするのとか、本質じゃないところでやきもきするのはコンサルティングではありませんから。 そういった意味では、前職である病院のコンサルティングを担当していたときは面白かったですね。待合室や手術室など病院内すべてを見て、何が足りないか、どこが悪いかなどをレポートして、院内の導線をがらっと変えたり、看護師さんの恋愛相談にのったりとか(笑)。人間関係や、コミュニケーションといった「対人間」の仕事であることがコンサルタントの本質ではないでしょうか。

今の会社で次に叶えたいのは、海外での仕事を経験すること。将来はやはり自分のビジネスを展開するのが目標です。



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