ビジネスマンが実践する「他部署の人とスムーズに仕事を進める」コツ

会社の中には多くの部署があり、さまざまな人が働いていますよね。
普段は同じ部署の人と仕事することが多いでしょうが、ときには他部署の人と協力して進める場合もあるはず。
普段あまり接しない相手との仕事を、楽しくかつ実りあるものにするにはどうしたらよいのでしょうか？

というわけで、今回は「他部署の人と一緒にした仕事」について10代〜50代の社会人男女87人にアンケートを実施しました。

まずは「現在のお仕事で、社内の他部署の人と協力して仕事を進めることがありますか？」から。編集部の予想通り、約80％の人が「ある」を選びました。やはり大半の人が部署を超えて仕事のやりとりがあるようですね。

続いて、「他部署の人との仕事は、自部署の人とのやりとりと比べて難しいことや面倒が多いと思いますか？」という質問をしてみました。

こちらの回答は「はい」が56％、「いいえ」が48％と僅差で「難しいことや面倒がある」と感じている人の方が多い結果となりました。
では、具体的にどのようなシーンでそう感じるのでしょうか？

【組織ごとにルールが違う！】
・こちらが一人で担当する事柄を他部署では何人かで分担しており、窓口が誰か分からず問い合わせをするのが面倒（30代／女性／事務・管理部門系職種／メーカー・技術系）
・朝礼にかける時間が自部署は5分なのに対し、他部署は40分！ 一度、その部署の朝礼に出ましたが立ちっぱなしで倒れるかと思いました（40代／女性／事務・管理部門系職種／小売・販売系）

【知識の違いが面倒なんです】
・使用する専門用語が、コミュニケーション上の壁となっていました（40代／男性／事務・管理部門系職種／サービス系）
・部署毎にITリテラシーが大きく違うため、同一の提案でも同じ説明ではうまく伝わらなかった（20代／男性／企画・マーケティング系職種／その他）

【現場同士はうまくいっても……】
・担当と話を進めていても、相手部署の上司が見当違いな横槍を入れてきて、無駄な時間がかかる（30代／女性／クリエイティブ系職種／広告・メディア系）
・上司が違うので仕事の進め方や考え方が根本的に違った。いちいち説明が必要で面倒くさかった（50代／女性／クリエイティブ系職種／小売・販売系）

【なんやかんや調整ごとが多い】
・どこまでをどの部署が受け持つのか、どの部署の責任なのか、などのすり合わせが面倒（30代／女性／事務・管理部門系職種／小売・販売系）
・繁忙期が違うため、打ち合わせの日時設定に時間を要する（40代／女性／事務・管理部門系職種／サービス系）

【コミュニケーションに苦労】
・全く面識のない知らない人にいきなり連絡を取るシーン（30代／男性／企画・マーケティング系職種／メーカー・技術系）
・意思疎通が難しい。現場で起こっていることがリアルに伝わらない（30代／女性／販売員・サービススタッフ系職種／サービス系）

いろいろな面でわずらわしさがあるようですね。しかし、悪いことばかりでもないようです。「他部署の人と一緒に仕事をすることで自分や相手にとって、良い効果はあると思いますか？」という質問には、「ある」と答えた方が約90％と圧倒的多数。
具体的にどんな良い効果があったのか、エピソードを聞いてみました。

【発想が広がる】
・営業は営業としての考え方が育っていくので、違った考え方の人間と意見を交わすことは良いアイデア出しには重要だと思う（20代／男性／営業系職種／IT・通信系）
・自分の部署とは全く違う発想力、アプローチの方法を学べ、良い経験となりました（40代／男性／事務・管理部門系職種／サービス系）
・今まで考えなかったようなアイデアが出たりするから（30代／男性／企画・マーケティング系職種／メーカー・技術系）

【俯瞰する視点を得られる】
・自分が想定していない視点からリスクを指摘され、自分の提案の甘さに気付かされた（20代／男性／企画・マーケティング系職種／その他）
・普段接することのない業務に関して情報が得られることで、会社全体の仕事の流れが見えてくる（50代／男性／事務・管理部門系職種／IT・通信系）
・自分の部署の仕事は専門性が高く、一般にはなかなか理解されにくいが、世の中の多くの人が私の部署の仕事をどう受け止めるのかという視点が身に付いた（30代／男性／クリエイティブ系職種／広告・メディア系）

【コミュニケーション力の鍛錬】
・相手の立場や置かれている環境を考慮するので、相手のことを考えながら仕事を進める経験になる（30代／男性／営業系職種／サービス系）
・部署や職種が違えば、常識や価値観も異なってくるので、「どうコミュニケーションしたら意図が相手に伝わるか？」「プロジェクトが円滑に進むか？」を考え工夫するため、より仕事のレベルを上げられるチャンスになる（20代／男性／事務・管理部門系職種／サービス系）

【お互いの仕事の質が上がる】
・同じ業務でも優先事項が違うので、ブレストを重ねることで成果物の隙がなくなっていく（20代／男性／エンジニア系職種／広告・メディア系）
・連携して仕事を進めることで、効率的に終わらせることができる（20代／女性／事務・管理部門系職種／メーカー・技術系）
・部署ごとにルールややり方が違ったりするので、お互いに良いものを取り入れることができたりする（30代／女性／エンジニア系職種／IT・通信系）

【人脈ができる】
・多様な考え方に触れることができるので、自身の引き出しが増える。自部署の仕事で困ったときに、他部署の意見を聞けるような関係性が築ける（20代／女性／企画・マーケティング系職種／その他）
・単純に社内の人脈が増えるので、会社で過ごしやすくなる（20代／女性／販売員・サービススタッフ系職種／小売・販売系）
・違う部署の話が聞けて、仲良くなれるので自分の仕事に活かせることも多々ある（30代／女性／営業系職種／メーカー・技術系）
・普段は会話のない相手と仲良くなり飲み友達になったこと。同じプロジェクトメンバーは年が近かったせいか恋愛に発展し、結婚までしていました（40代／女性／事務・管理部門系職種／小売・販売系）

【キャリアアップに意欲がわく】
・視点や着眼点の違いが勉強になった事で、自身のモチベーションアップに繋がりキャリアアップしたいと思うようになった（30代／女性／事務・管理部門系職種／商社系）
・普段やらない仕事を手伝わせてもらい、他部署の仕事内容に興味を持った（40代／女性／事務・管理部門系職種／その他）
・今まで自分のスキルはまずまずだと思っていたが上を見せられた感じで、こんな考え方もあるのかと視点を上げられた（50代／女性／クリエイティブ系職種／小売・販売系）

普段なかなか接しない人と知識を交換することで、仕事の質が上がったり、自分のモチベーションアップにもつながるんですね！
こんなにたくさんのメリットがあるのですから、ぜひ積極的に他部署の人と仕事する機会を増やしたいもの。最後に、なるべくストレスなくメリットだけを享受するために、皆さんに「他部署の人と一緒に仕事をする際に、気をつけていること、心掛けていることや、楽しむコツ」を聞いてみました。

【態度編】
・電話だけでのコミュニケーションなので、声だけで柔らかい印象を残せるようにしています（30代／女性／事務・管理部門系職種／金融系）
・他の仕事をしている人に何かお願いする際は下手に出て、いろいろ教えてもらえるようにしています（20代／男性／営業系職種／IT・通信系）
・ハキハキと話して笑顔でいるようにします。自分の部署に戻ったら一気に顔が戻りますが（笑）（30代／女性／営業系職種／メーカー・技術系）
・言葉の選び方。ケンカにならないように気をつける（30代／男性／エンジニア系職種／広告・メディア系）

【意識編】
・相手の部署だったら私の発言をどう受け止めるかを常に意識していた（30代／男性／クリエイティブ系職種／広告・メディア系）
・お互いをプロフェッショナルとしてリスペクトし合うこと（20代／男性／エンジニア系職種／広告・メディア系）
・相手の仕事の流れを意識して、最適なタイミングでコミュニケーションが取れるようにする（20代／男性／事務・管理部門系職種／サービス系）
・お互いの仕事を尊重する！ 〇〇べきは押し付けない！（30代／女性／事務・管理部門系職種／その他）

【ノウハウ編】
・前提となる知識の共有を行うこと、お礼は必ず対面ですること（20代／男性／企画・マーケティング系職種／その他）
・めんどくさがらず、一から分かるように時間をかけて覚えてもらうようにする（50代／男性／エンジニア系 メーカー・技術系）
・自部署での人しか分からない内輪の話はしない。共通の目標を探る（20代／女性／販売員・サービススタッフ系職種／小売・販売系）
・小さなことでも報告・連絡・相談を行うようにする（30代／女性／企画・マーケティング系職種／メーカー・技術系）

日々心掛けたい教えが満載ですね。今すぐ取り入れられそうなところから試してはいかがでしょうか？

文／typeメンバーズパーク編集部