営業マンを悩ませる「テレアポの量と質はどっちが大事」問題をズバッと解説【まだそのテレアポやってるの?】
有限会社リンクアップスタッフ 代表取締役 テレアポ職人® 竹野恵介氏大学卒業後アルミサッシメーカーに入社、その後生命保険会社にて外交員として勤務。人材紹介会社・人材派遣会社を経て、平成14年に有限会社リンクアップスタッフを設立。近著に『最新版 即効即決! 驚異のテレアポ成功術』がある
テレアポ職人®の竹野恵介です。
今回のテーマは「テレアポにおける量と質」です。
「量より質? 質より量?」。テレアポや営業に関して昔から言われている事ですが、難しいテーマですよね。セミナーをやると質問の時に必ず聞かれますし、コンサルティング企業のマネジメント層の方から聞かれることもあるくらいです。
この「量と質」はそれぞれ分解して説明する必要があります。
妥当な「量」はテレアポの内容で異なる
テレアポでの量とは掛ける電話の件数の事です。例えば1時間当たり何件掛けるのが適切か? 1日にどの位の件数を掛ければよいのか? この基準となる数値を知りたいのではないでしょうか。
弊社の場合は1時間に20件を切らないこと。これを徹底しています。弊社はテレアポ代行業を行っていますので、いただいている料金に対しての損益分岐点があります。この損益を考えると、弊社としては1時間に20件が妥当なのです。
ただし、行うテレアポの内容にもよるかと思います。
弊社の基準は法人向けのテレアポできちんと相手が話を聞いてくれる場合の基準です。個人宅向けのテレアポや法人向けで競合が多く、掛けてもすぐに切られてしまうテレアポでは掛ける件数はもっと多くなります。
また、アポや資料送付の許可が多い場合や相手が長く話を聞いてくれる場合は、アポのスケジュール調整や資料送付先の住所や部署・名前の確認等の作業時間があるので必然的に件数は少なくなります。
ここで「質」と相関性が出てきます。
テレアポをして結果が出なければ件数を多く掛けて結果を求めるしかないでしょう。これが量と質の相関性です。
しかしここで言う結果とは何のことでしょうか?
テレアポをする側としてはできるだけ少ない電話件数で「アポが取れること」が望ましいはずです。ただし、「質」の部分ではもう一つの考えてほしいことがあります。
テレアポにおける「質」とは何か
それは、「アポの内容」という「質」です。
・「5分だけでも何とか会ってほしい」とお願いして取ったアポ
・「とりあえず参考までに話を聞くよ」と言われているアポ
・きちんと内容を理解してからくれたアポ
・送付した資料を見た状態でより詳しい説明を求められて呼ばれるアポ
アポにもいろいろあります。「何とか会ってほしいと言って取ったアポ」がたくさんあったとしても、その顧客が成約につながる可能性は低く、決して質が良いアポとは言えないでしょう。
それに対して「一度資料を送って内容を理解してのアポ」、こちらは資料をすでに見てもらっているのでより深い商談ができる。質の良いアポです。
質は悪いよりも良いに越したことはありません。ただし、質の良いアポを求めると手間と時間が掛かります。売上はすぐに必要な場合がほとんどですから、手間と時間が掛かるのは困る。
質を求めるのか? 量を追求するのか? 悩ましい部分です。多くの方は、すぐ取れるけど質の低いアポを求めてしまっているのではないでしょうか? しかし、そのアポの成約率は低いはずです。確率が低いのでさらにアポがたくさん必要になる。こうなると日々たくさんの件数を掛けることになってしまい、結局、「量」にだけ大変な労力を掛けるしかなくなってしまうのです。
目的別でテレアポのバランスを取る
では、どういったやり方をすれば良いのか? これからの時代は2つのやり方を併用することが必要だと思います。
質は悪いよりも良いに越したことはありません。ただし、質の良いアポを求めると手間と時間が掛かります。売上はすぐに必要な場合がほとんどですから、手間と時間が掛かるのは困る。
1、すぐに会えるアポを、量のテレアポで追及する
2、質の良いアポを、時間と手間を掛けて作っていく
この2つを同時に行うのです。日常のテレアポの中でアポになるものは取っていって訪問をする。先ほど質が低いとは言いましたが、顧客と直接会えるのは商談としての大きな一歩ではあります。人物を気に入ってもらい懐に飛び込むチャンスでもありますし、次に質の良いアポを取れるようにつなぐこともできるかもしれません。
そして、これと同時に今すぐにアポにならない企業への資料送付、ニュースレター、メルマガ等の配信を行って接触を続ける。この中でフォローコールを適時行って相手の状況を確認する、質の良いアポが取れる状況になったらアポを取る。
アポ至上主義の方は、資料送付には見向きもしていないかもしれませんが、資料送付からも成約にはなります。時間が掛かるだけです。
このように、量と質のバランスを取ること、目の前の仕事だけではなく、将来の仕事も同時に行うことが重要なのです。
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