有名書籍を扱う出版社なのに営業部はたったの2人!? マンパワーを補うために発案した“メディア営業”という工夫
つながり№002
自分を知ってもらうことこそが、仲良くなる秘訣
Q.1 営業スタイルは?
業務は書店や卸業者への営業です。当社は、『夢をかなえるゾウ』の著者:水野敬也さんをはじめ、著者との関わりをとても大切にしている出版社です。昨年はヒットに恵まれ、いくつかの人気作品も生まれました。ただ、実は営業部は私を含めて2名体制。ですので、マンパワーを補うために“メディア営業”というのを発案し、テレビ局などへの営業も行っています。以前にNHKに取り上げられた時はすごく本が売れて、改めてメディアの効果を感じました。また、動物を扱う本ならペットショップへも営業するなど、販路の拡大を目指しています。
Q.2 仕事での“つながリスト”を教えてください。
メディアへの売り込みについては、徐々に人脈も広がっているのですが、当初はテレビ番組の最後に出てくるクレジットで担当の方のお名前を覚え、ご本人宛でいきなりお電話をすることもありました(笑)。でも、まだまだ太い繋がりではないので、一度は実際に担当者の方に会いに行ってお話を聞いて頂くようにしています。
また、出版関係者が集まるお酒の席などでは、自分より上の世代の方の話もよく聞くよう心がけています。まだ、“そもそも何が知らないのかも知らない”という事も多いので、そういった場で新しい言葉を覚えたりして、知識を吸収させて頂いています。
Q.3 新しい“つながリスト”の作り方は?
メディア関係者や広報の方の集まりに参加します。「出版社の営業マン」としては直接的でない行動かもしれませんが、「メディアに対して営業をかける人」と考えると、広報の方たちから学べることも多いかなと思います。
あと、転職をきっかけに私生活での友達を増やしています。仕事だと緊張してしまうこともありますが、飲み会や同世代の友達の集まりなら気軽なので、グループの輪が徐々に広がっていくことが多いですね。職場に同期がいない分、同世代がどんな仕事・役割をしているか、そもそも自分が仕事をちゃんと出来ているのかなど、いろんな人の仕事の話を聞いて参考にしています。
Q.4 SNSの“つながリスト”を教えてください。
実は、営業現場での雑談があまり得意ではないので、SNSの話題にはよく助けられます(笑)。仕事で書店の方にお会いした後、Facebookでつながることもあるので、「この前Facebook見たよ」と言って頂いたりすると雑談を盛り上げやすいんです。なので、商品の宣伝ツールではなく、普段の自分を知ってもらうツールという感じです。逆パターンもあって、相手がお子さんの写真をアップされていたら、会った時にお名前を聞いたり、「お子さんお元気ですか?」と何気なく話したりできるので、営業活動というよりも、人と仲良くなるために使っていますね。
あと当社は、お客さまの声を吸収したいという気持ちが強いので、書籍の販促用POPのデザインの写真を撮って、友達にLINEで送り「このPOPの内容って響くかな?」なんて聞く事もありますね。売る側の目線ではなくお客様目線の率直な意見を貰えるので、非常に参考になります。
Q.5 営業としての“テッパンネタ”ってありますか?
会話ではないんですが、当社は人員が少ないので、書店へ伺うのが一年ぶりという事もあります。そういう時に覚えて頂く工夫として、お手紙を書いたり、本の内容を名刺サイズのカードにして、名刺と一緒にお渡ししたり。
あと、小さなチョコレートの包み紙に表紙をプリントしてお渡ししたことも…(笑)。お会いするだけだと、印象に残る会話って難しいですが、形のあるものだとそれをもとに会話が広がったり、後で思い出して貰えます。実際、可愛い表紙をプリントしたカードが、一年後に伺った際に机に飾ってあり、すごく嬉しかったです。また、本とも直接リンクして良いですね。
Q.6 同世代営業職の“つながリスト”と盛り上がる話題は?
やはり結婚・出産・子育ての話がメインですね(笑)。
女性同士だと、産休等を取得した後にスムーズに復職ができるのかとか、今後営業スタイルを変える必要があるのかとか…。ライフプランについてリアルな話も多いですね。
ようやく仕事も慣れてきて楽しくなっている一方、プライベートでも様々な変化がある時期でもあるので、お互いに悩みを共有しつつ、そんな時期を楽しんでいます。
Q.7 移動中の愛読書を教えてください。
沢木耕太郎『旅の窓』(幻冬舎)
写真と短いエッセイがついていて、本もコンパクトなので持ち運びも楽です。
仕事で緊張するときに読むと、落ち着きます。旅の情景をとらえた本なので、仕事で色々なところに行く自分の心境とも重なり、そこで知り合った人や風景に対しての考え方が変わりますね。
Q.8 前回の“つながリスト”中山さんによると「業界でも注目の出版社で営業部長をやっている凄腕女性営業マンなんですよ」とのことでしたが……。
そんなことは無いです(笑)。
中山君は、入社したときに凄く職場の空気が変わったことが印象的でした。
私の同期6人は割とおとなしかったんですが、情熱を持って仕事をしていて、周りを驚かせる行動の裏で色々考えていて、負けられないなと思いました。
Q.9 最後に芳賀さんの“つながリスト”の中からステキな営業マンを紹介してください!
株式会社アサツー ディ・ケイでバリバリの広告営業をしている府川綾香さんを紹介します。大学時代のサークルの先輩なのですが、明るい空気を作ることができる府川さんの周りはいつも自然と人が集まって笑顔がいっぱいでした。楽しい空間を自然に作りだす府川さんに憧れているので、営業スタイルや努力、広告業界の苦労話など、私もいろいろお聞きしたいので、ご紹介させていただきます。
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取材・文・撮影/questroom inc.
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