ノウハウ Vol.107

日本で最初のイタリア人オーナーシェフの店! 神楽坂『カルミネ』で30年変わらぬ本格イタリアン・ピッツァを味わう/リストランテ カルミネ

そのネタいただきます!
ザ・営業食
営業マンたるもの、ランチをただのエナジーチャージで終わらせるなんてもったいない! 空腹を満たすと共に、アイスブレイクや飲み会で使える“ネタ”も仕込むべし。

1980年代後半の
“イタ飯ブーム”をけん引したレストラン

狙いどきはリーズナブルなランチタイム。食事を通じて誰かに話したくなるような、話のネタを仕入れようというこの企画。今回は牛込神楽坂にある『カルミネ』を訪ねてみた。

『カルミネ』が店を開いている場所は花街の神楽坂エリアからほど近く。
神楽坂は美しい石畳が敷かれた情緒たっぷりの街並みが人気のエリアで、例えば、「神楽坂で打ち合わせ」なんて言うと、まるで文化人と企画の相談をするような趣があり、ちょっぴりテンションも上がるというものだ。

今回訪ねた『カルミネ』は、イタリアの大衆食堂のような、おしゃれだが気取らない雰囲気で入りやすい。

オープンしたのは、今から30年ほど前の1987年7月のこと。オーナーはイタリア人のカルミネ・コッツォリーノさん。開店当時はイタリア料理というと高級料理で、カジュアルな店がまだそれほどなく、また、イタリア人がオーナーシェフという店がなかったことから『カルミネ』は大きな話題を集めた。

1980年代後半~1990年代初頭にかけて日本ではイタリア料理店のブーム、通称“イタ飯ブーム”が起きて、イタリア料理が一気に浸透していくことになったのだが、そのムーブメントに大きく影響したのがこの『カルミネ』なのである。

そんな情報を事前に仕入れ、料理への期待感も増したところでいざランチを注文!

ナポリから取り寄せる小麦粉で作るこだわりのピッツァ

さて、この日はランチの「PRANZO A」1575円をオーダー。前菜、パスタorピッツァ、ドリンク、デザートがセットになったお手軽なランチだ。店の内装はウッディで、椅子もテーブルもシンプルなデザイン。席と席の間隔も広過ぎず居心地が良い。ネームバリューがあるこんな素敵な空間で食事……。そう考えるとこの値段でランチをいただけるのはかなりお値打ちだと言える。

ちなみに、ランチではほかにメインディッシュがプラスされた「PRANZO B」2100円や、ワンプレートランチの「RAPIDO PIATTO UNICO」1050円などもオーダーが可能となっている。

早速テーブルに運ばれてきたのは前菜の盛り合わせ。前菜は「自家製の卵焼き」「鶏レバー」「モッツァレラチーズとトマト」「野菜のビネガー漬け」の4種類だった。
カルミネさんに尋ねると「前菜のバリエーションは200種類くらいありますよ」とのこと。仕入れた材料により、どんな前菜でもてなすかを考えるのだそうだ。

さらに、薪窯で焼いたピッツァも到着。450℃で焼き上げた直径25センチほどのマルゲリータで、香ばしく色づいた生地の上にモッツァレラチーズとパルメザンチーズがとろけていかにもおいしそうだ。頬張ると、もちっとした食感の中にぷちぷちと小さな空気の粒がある。この食感はおもしろい!

「素材にこだわり、小麦粉はナポリから取り寄せたものを使っています。生地を2日間発酵させているからこその食感ですね。ピッツァをおいしく焼くコツは3つあります。1つ目は丁寧な生地づくり、2つ目はおいしいチーズ、3つ目は腕の良いシェフです(笑)」

ニコニコ笑顔のカルミネさん。なるほど。イタリア産の小麦粉などこだわりの素材を使用した料理が、お手ごろ価格で堪能できるのは若手にとっても嬉しい限りだ。

歴史がある店だからこそできる、カジュアルイタリアンの活用法

イタリア料理について、楽しそうにいろいろなことを教えてくれるカルミネさんは、1955年生まれ、南イタリアのカラブリア州出身。23歳の時に日本にやってきて、青山『ヴィ・ザ・ヴィ』、高田馬場『イル・キャステロ』などで経験を積み、1987年、32歳の時に日本で最初のイタリア人オーナーシェフのレストランとして『リストランテ・カルミネ』をオープンした。

料理への情熱は来日してからのほうが高まったというカルミネさん。日本の文化や生活習慣に触れるうちに、魚や野菜を多用する南イタリアの料理との共通点が見つかり、改めて興味が深まったとのこと。

そして、日本に根を下ろして約30年。いまでは3店舗を経営するまでになった。
「開店当初に通ってくれたお客さんは、みんないい年齢になりました。そうすると、お子さんを連れて、2代でいらしてくれることもよくあるんですよ」

なるほど、『カルミネ』には歴史があるのだ。カジュアルなイタリア料理店の多くは、おしゃれで雰囲気は良いが歴史の浅い店も多い。しかし、『カルミネ』なら、店の歴史になぞらえながら、食事相手の若かりし頃の話を引き出せば、グッと距離が縮まり、会話も弾むことだろう。少し年齢の離れた先輩や取引先の偉い人とのランチに使うのもよさそうだ。

“イタ飯ブーム”をけん引した、確かな実力を持った店を知っているというアピールは大きなプラス評価ポイントになるかもしれない。

育ててくれた感謝と挑戦するシェフのマインドに
刺激をもらおう!

カルミネさんは今年、自らが料理の修業を積んだフィレンツェにて宿泊施設の付いた料理学校をオープンした。後進育成の事業にもいよいよ本腰を入れるというから恐れ入る。

「ずっと日本にいて、日本の素晴らしさをたくさん知ることができました。だから今度はイタリアの素晴らしさを知ってほしいと思い、フィレンツェに滞在した日本人が、私のレストランで食事ができるようにしたんです」

年齢を重ねてもなお、挑戦を続けているカルミネさん。この店で食事をしたら、“カルミネさんに負けないように、良い仕事するぞ!”と、前向きになれそうだ!

【今回のお店】
・店名:カルミネ
・住所:東京都新宿区細工町1-19 西川ビル1F
・電話番号:03(3260)5066
・営業時間: 11:30~14:30(LO)/18:00~21:30(LO)
・定休日:年中無休
・アクセス:東京メトロ大江戸線牛込神楽坂駅より徒歩3分
・お店のHP:http://www.carmine.jp/carmine.html

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取材・文/questroom inc.、井上晶夫 撮影/柴田ひろあき

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