キャリア Vol.461

“仕事の引き合いが絶えない人”は何が違うのか/キープレーヤーズ高野秀敏氏

「日々数字に追われているだけで、何だか自分が成長している気がしない……」
「このまま年齢を重ねていったら、どうなってしまうんだろう……」
“自分の価値”に漠然とした不安を抱える若手営業マンは少なくない。では、これから先「ビジネスパーソンとしての価値が高い人」になるには、どうすればいいのだろうか。

営業からキャリアをスタートし、独立系人材エージェントとして独立。現在は30社以上の社外役員やアドバイザーとしても活躍し、メディアへの露出や講演実績なども増え続けているキープレーヤーズの高野秀敏氏はまさに、“仕事の引き合いが絶えない人”だ。

株式会社キープレイヤーズ 代表取締役 高野秀敏氏

株式会社キープレイヤーズ 代表取締役 高野秀敏氏

東北大学経済学部卒。1999年、株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)へ入社し、営業を中心にイベント企画、キャリアコンサルティングなどに従事。2005年、株式会社キープレイヤーズを設立し、ベンチャー・スタートアップ企業を対象とした人材エージェントとして、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。1万人以上のキャリアカウンセリング実績を持つ

「市場価値の高い人」である高野氏のキャリアと、これまで1万人以上のキャリアカウンセリングを通して培われた彼の見識から、これからの時代にあらゆる企業から必要とされ続ける人材でいるための条件を探る。

自分のスキルやノウハウをシェアすることで、全体の利益を底上げする

高野氏自身のキャリアのスタートは1999年。新卒でインテリジェンス(現・パーソルキャリア)に入社した。決め手は、「伸びそうな会社」だったからだ。

「成長している業界で、優秀な社長や社員と仕事ができる環境に入りたかったんです。社員数はまだ100人くらいでしたが、まだ規模の小さな組織だからこそ、自分が入って価値を発揮しやすいと思っていました」

実際、業界としても会社としても、急成長中の時期。入社前100人程度だった社員は、1年で倍に増えたという。高野氏は新規事業の人材紹介チームに配属されたが、3人に1人は新卒という状況。そのため、営業を中心にイベント企画、キャリアコンサルティングまであらゆる仕事をこなすことになった。

「とにかく忙しかったけれど、実際に仕事をしてみると、人に喜んでもらえるのはやはり嬉しかった。どうやらお客さまである企業と求職者をマッチングする仕事に適性があったことが自分の強みとなったようで、早い段階で成果を出すことができました」

当時の活躍を伺わせるエピソードがある。入社後に受けた職業適性試験で、高野氏はキャリアカウンセラーの適性が100%。企業と個人のマッチングを図る仕事だが、「この会社にはこの人が合っている」というのが肌感覚で分かるというのだ。

高野氏に限らず、仕事の中で何となく得意だと感じることがある人は多いだろう。だが、高野氏が他の人と違うのは、自分の強みを自分の中で留めないことを徹底してきたことだ。

自身が持つノウハウを言語化・標準化してシステムに落とし込み、社内のメンバー全員が一定の成果を上げられるような仕組みを構築した。結果的に、今まで成績が奮わなかったメンバーたちも、売上を上げられるようになり、組織全体のボトムアップに繋がったという。

この経験から「自分の強みや、活動していること」を周りにシェアしていくことで全体の成果の底上げを図ることの重要性を学んだのだという。同時期にキャリア形成に関するブログも書き始め、情報発信を習慣付けた。2004年から始めたブログは次第にFacebookやTwitterなどのSNSにも展開し、今では延べ3万人以上のフォロワーがいる。

自身の知識を社会へ発信することで、“活動している自分”をブランディング

20代のうちにさまざまな経験を積み、6年間を走り続けるうちに、気が付けば会社の社員数は10倍に増えていた。組織が大きくなりマネジメントの比重が増えていたが、もっと現場の第一線で活躍したい気持ちもあった。

「スタートアップ企業など、これから伸びそうな若い会社や知られざる優良企業の応援をするのが好きだったんです。ただ、マーケットが小さいので、会社としてはなかなかビジネスのメインターゲットにはなりにくい。ならば自分でやってみようかと考えました」

高野氏

2005年、独立。退職前には人事部に所属していたため、現場とは離れていたが、独立して看板を掲げた途端にあちこちから声が掛かり、それ以来仕事は途切れることなく順調に増えている。

「特別なことは何もやっていない」と言うが、地道に続けたブログやSNSなどでの情報発信に加え、実際に人に会って自分のスキルをシェアしていく、というスタイルは変わらない。

「独立したばかりの頃は、20代経営者の会などの交流会にもよく顔を出していました。そこで、当時はまだ今ほど有名ではなかったグリーの(代表取締役社長)田中良和さんやドリコムの(代表取締役社長)内藤裕紀さんと知り合いました。そんな繋がりの中から、最初にいただいた依頼にしっかりと応えたら、そこからどんどん繋がっていったという印象ですね。出会いに恵まれ、人に助けられて、今に至っています」

日常的に情報を発信して、「いろいろな活動しているんだな」と認識さえしてもらえれば、何かあった時に声を掛けてもらえるという。

「長年この業界でやってきて、伸びる人、伸びる会社はどういうものか見極める目も磨かれてきましたし、たくさんの人と繋がりができてインフルエンサー的な立場にもなりました。それを皆さんにどんどん活用してほしいと思っています。ただ自分が持っているというだけでは意味がありませんから。自分がシェアできるノウハウや情報があれば自然と、いろいろなところから声がかかるようになると思います。営業マンも、自分が持っている情報やノウハウは、どんどん周りに発信して自分をアピールしてみるといいのではないでしょうか」

成果にこだわり抜くことで、次の仕事を呼び込む

人材に関する相談に加えて、今は社外取締役やアドバイザーとして30社以上と関わりを持つ。その事実からも、高野氏がいかに多くの信頼を勝ち得ているのかが分かる。持ち前のセンスと長年の経験があるとはいえ、なぜこれほどの評価を得られるのか。もちろん、ただ運がよかったという話ではない。

「伸びる人、伸びない人との最大の違いは、結果にコミットするかどうか、ただそれだけです」

高野氏が実践しているのは、まさにこれだ。依頼された仕事でしっかりと結果を出す。相手に満足してもらえれば、それが最大の“営業”となる。相手からまた声を掛けてもらえるからだ。

「良い仕事をすれば、必ず次の仕事が来る。だから、良い仕事とは何かを自分なりに追求して、実践を重ねていくことがとても大切だと思います」

結果にこだわれば工夫も生まれる。自ら行動するようになる。それが自分の成長にもつながっていく。特に営業マンであれば、厳しくても、個人として明確に結果の出る仕事をすることが、自分自身の価値を高めることになるという。

若手営業マンの「市場価値」を向上させるキャリアのつくり方

20代の若手には、転職にあたって「目先の利益だけをみてはいけない」とアドバイスする。売り手市場と言われる最近の転職市場では、企業側は若手人材の採用に積極的だ。比較的良い条件で、声を掛けられるケースも少なくない。

「単に目先の給与が上がるからといって、誘われたから安易に転職するのはお勧めしません。きちんと自分の状況を理解して、その後のキャリアを考える必要があります。その際、見識のある先輩や、理想的なキャリアを歩んでいると思える人の意見を参考にするといいでしょう。日頃からメンターのような存在がいるといいですね。もちろんそのためには周りに応援してもらえるように、日頃の努力と結果が目に見えて分かることが大切です」

将来のキャリアに悩む若手営業も多いが、「難しく考える必要はない。工夫さえすれば、何とでもなるものだから」と高野氏は言う。

高野氏

最後に、「結果を出して周りから応援してもらえる人」になるために、営業マンが今日からできる、ある“工夫”を教えてくれた。

「まずは初めのインパクトを残すことが大事です。成果はそこから波及していくものですから。そのためにはどんなに小さくても『業界初』や『日本一』を意識すること。例えば、『人材紹介業で、いち会社員が、転職ノウハウを発信するブログ』を書いたのは私が初めてだと思います。今でこそ会社員がブログを書くのは普通になってきましたが、『日本初の』といわれるとインパクトも大きいでしょう? どんなに小さな行動でもいいので、『初めのインパクト』を意識して仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか」

目の前の仕事に全力で取り組み、何が何でも結果を出す。そうしてつくり上げた自分の強みを発信し、応援してもらえる人になること。そのシンプルな努力が未来を拓くのだ。

取材・文/瀬戸友子 撮影/大室倫子(編集部)

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