「放っておく」はNG! 些細なことでイライラしている先輩の“怒り”を静める2つの裏技【ビジネス心理学者・内藤誼人のQ&A!社内営業のお作法】
内藤誼人氏
ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。
著書に『「人たらし」のブラック心理術』(だいわ文庫)、『すごい!ホメ方―職場で、家庭で、恋愛で…相手を思うままに操る悪魔の心理術』 (廣済堂文庫)、(廣済堂出版)『ジョジョの奇妙な冒険が教えてくれる最強の心理戦略』(かんき出版)、『裏社会の危険な心理交渉術』(総合法令出版)など
【お悩み】何でか分からないけど、すぐに機嫌が悪くなる男の先輩
些細なことですぐに機嫌が悪くなってしまう先輩(20代・男性)がいます。何で怒っているのかも分からないので、とにかく面白い話をしたりおやつのおすそ分けをしたりしています。会社の隣の席なので無視するわけにも行かず、良い関係を築いていきたいのですが、怒りっぽい人とはどう付き合っていけばいいですか?(25歳/女性/建築系法人営業)
怒っている人のことを、たいていの人は敬遠しますよね。「さわらぬ神に祟りなし」という言葉もありますが、そっと放っておけば、そのうち落ち着いてくれるだろうと思うのかもしれません。
しかし実は、怒りをなくすのに、最も効果的なのは「誰かと話すこと」なんです。つまり怒っている人には、どんどん話し掛けることが大事。しばらく他愛のない話をしていれば、相手の機嫌も改善してくる可能性が高いです。
心理学的には次のような裏付けがあります。ノルウェー科学技術大学のアーン・ヴィカンが、怒りをコントロールする14の戦略の有効性について行った調査です。研究の結果、怒りのコントロール法で一番有効だったのは「誰かと話すこと」で、この戦略を取ると70%くらいの人が怒りを緩和できたといいます。
また、怒りっぽい人・すぐに機嫌が悪くなる人は、ストレスの度合いが高い人です。仕事が忙し過ぎるのか、家庭で何か問題があるのか、それは分かりませんが、何かしらのストレスを感じているのでしょう。
ストレスを軽減する時にも、一番の方法は「話すこと」であることが分かっていますので、とにかくどんどん話し掛けてあげてください。あなたと話していれば、先輩のストレスも緩和されるでしょう。
ただ、あなたは「面白い話を出すようにしている」という健気な努力をしているようですが、その必要はありません。別に笑わせようとしなくてもいいんです。たわいのない話をしてあげていれば、先輩のイライラ感は収まりますから「ランチに何を食べに行きましょうか?」、「オススメの映画ってありますか?」などと、どうでもいいおしゃべりをしてあげてください。
また、「おやつをおすそ分け」するのも、いいアイデアですね。あなたとしてはあまり効果的ではないと思っているみたいですが、甘いもの(糖分)を口にすると、人はすぐに快の状態になることが知られています。すぐに機嫌を直してもらうのなら、甘いものは有効です。
ただ、先輩が肥満気味だったりすると、「俺をさらに太らせるつもりか!」と、別の意味で怒りを高めてしまいそうですから、相手は見極めましょうね(笑)。
ともあれ、おしゃべりしたり、お菓子を一緒に食べたりするのは悪くない方法だと思いますので、無理に「盛り上げなきゃ!」と気負いせずにコミュニケーションを取っていきましょう。
次回は、「友達感覚で接してくる新人」の対処法をお教えします。乞うご期待!
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