転職 Vol.499

未経験職種に転職失敗する人の共通点は「○○が嫌」!? 営業職から転職しやすい他職種とは?

「営業辞めて、企画や事務などの違う仕事がしたい……」と転職を考え始める人は少なくない。しかし、キャリアアドバイザーの加藤美季さんによると、実は「営業が嫌だ」と言う営業マンほど、他職種への転職は難しいそうだ。

「営業が嫌だから、と転職を希望する人はとても多いんです。しかし企画や事務系などの職種はそもそも採用枠が少なく、経験者採用も多いため、キャリアチェンジは狭き門。倍率がとても高いので、『営業が嫌だから』という理由だけでは選考に通過できないでしょう」(加藤さん)

ではどうすれば、希望する「他職種への転職」を叶えられるのだろうか? 他職種転職に失敗する人に共通する退職理由を教えてもらった。

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type転職エージェント キャリアアドバイザー 加藤美季さんブライダルジュエリーの販売と店舗の店長を経験後、type転職エージェントのキャリアアドバイザーに転身。営業職経験者を中心に、転職者に「寄り添ったカウンセリング」をモットーに転職希望者に向き合っている

NG理由1.心機一転、新しい環境に飛び込みたい!

現職に嫌気が差している時は、「業種も職種も全て変えたい!」と思う人もいるだろう。しかし、他職種転職の場合であっても「これまでの経験を重視した方がいい」と加藤さんは語る。

「中途採用は、転職者の経験をベースに合否を判断するのが基本です。特に営業から他職種に転職したい場合はそもそも倍率が高いので、自分がアピールできる経験がないと難しいですよね。

そのため全く知らない領域にチャレンジするよりは、同じ業種だったり、提案先の企業担当に近しい職種を選んだ方がキャリアチェンジの可能性が高まります。例えば人材業界で営業をやっていた人が人事になったり、広告営業を担当していた方がマーケティング関係の職種につくなど、その業界に紐づくような職種を狙うといいですね。

そうすれば、『営業疲れたんで、人事やりたいです』という話ではなく『日々営業として各企業の人事を訪問したことで、企業の人事制度や組織づくりの面白みを感じた。採用や人事業務の専門性をより内部で磨くことで、企業成長に貢献していきたい』など深い話ができるようになります。

またその際は、『営業をやりたくない』というのではなく『自分の経験から、他の職種にチャレンジしたいと思った』という言い方がマストです」(加藤さん)

NG理由2.とにかく今すぐ職種を変えたい!

キャリアチェンジ希望の営業マンは多いものの、加藤さんによると「ほとんどの場合、希望の職種に転職することは難しい」という。それはなぜか。またどうすれば希望通りに転職できるのだろう。

「特に、営業から事務職を希望するけど、なかなか選考に通過しないという人が多いです。そこで私たちが提案するのは、まずは『経験が活かせて、ゆくゆく事務になれるような職種』へのキャリアチェンジです。

例えば、コールセンターのスタッフやお客さま応対が必要なバックオフィス職。お客さまとのコミュニケーションが必要な仕事であれば、営業経験を活かして活躍できます。そうすれば、将来的には品質管理や生産性管理などの事務業務へとシフトすることも可能です。

また、大手よりはベンチャー企業の方が比較的入社しやすいため、大手志望でもベンチャー企業で段階を踏むというのも手です。ただベンチャー企業では、例えば人事であれば人事業務だけに集中できる、という環境はほとんどありません。人事とマーケティングと総務、のように切り分けられていることはなく、横断的にさまざまな業務に対応しなければいけません。そこで自分に合った職種を探すのもいいと思います」(加藤さん)

NG理由3.転職しないと希望の職種に就けない!

営業からのキャリアチェンジを希望する際、「どうせ社内で異動はムリだから他社に転職」と考える人もいるだろう。しかし「安易にそう考えるのはもったいない」と加藤さん。

「基本的には外から人材を採用するとコストがかかります。テクニックの高いスペシャリストを求めてるというわけでなければ、会社としては欠員を社内の異動でまかないたいもの。バックオフィスは非生産部隊なので、企業はあまりコストをかけたくないのが本音です。自社内のことを知っている人なら、仕事内容のイメージがしやすい、というのもメリットですよね。

そういった事情もあり、ムリだと思っていた『自社内の異動』を希望したら人事を考慮してもらえた、というケースは多くあります。自己判断でキャリアチェンジ=転職だと考えずに、まずは自社内の異動について上司に相談してみるといいでしょう。もちろんタイミングによっては叶わないこともありますが、キャリアチェンジに有効な手のひとつだと思いますよ」(加藤さん)

単純に「辛いから営業を辞めたい!」という理由では、希望する仕事へのキャリアチェンジは難しいもの。自分の経験を活かしつつ、希望のキャリアを歩めるよう活躍できる場はないか、まずは一度じっくり考えてみよう。

取材・文/大室倫子 文/福田桃子(共に編集部)

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