キャリア Vol.502

「僕は上司をボコボコにしたくて入社を決めた」起業か転職か、キャリアの分岐点を決めるたった1つの法則/芦名勇舗

現役営業マンが芦名勇舗にガチ相談!
怪物談義
売上げが伸びない、将来やりたいことがわからない、今の会社にいていいの…?若手営業マンの悩みは尽きない。どうすれば心のモヤモヤが晴れ、仕事で圧倒的な成果を挙げられるんだろう?電通のコピーライター→プルデンシャル生命の最年少営業所長→ハリウッド俳優→起業家と、異色のキャリアながらチームの先頭を駆け抜けてきた怪物こと芦名勇舗さんに、若手営業マンが悩みをぶつけてみた!
 芦名勇舗氏

芦名勇舗氏

1989年生まれ。アメリカンフットボール選手として慶應大学と日本代表U-19の主将を務める。電通に入社し、コピーライターとして活躍。その後プルデンシャル生命に入社し、25歳で最年少営業所長に就任した。米国ハリウッドに渡り舞台『blood』で俳優デビュー。約1年間の無職期間を経て、芦名表参道(株)を設立。著書に『突き抜ける人は感情で動く』(文藝社)

【お悩み】起業するか、他の会社に転職するか迷っています。

Q:漠然と起業がしたいと思っていますが、起業前に完全歩合制の営業職で働いてみようかという気持ちもあります。自分にとって何が正解なのか分からないので、完全歩合制と起業のどちらも経験されている芦名さんにアドバイスをもらいたいです(25歳/法人営業/男性)

どちらでもいいと思います。まず大前提として「どうすればお金が稼げるか」というビジネスのルールを知っておきましょう。

ビジネス(報酬)とは【企画×価格×信頼×実践】という4つの掛け算で生まれます。この4つの要素さえあれば、報酬を得ることができる、というのがビジネスにおいての不変ルールです。

どんなことをして人を集め喜ばせるのか(企画)、いくらで売るのか(価格)、それを信じてもらえるのか(信頼)、それを消費者に伝えられるか(実践)。この4つの要素がスロット目の大当たりのようにバッチリ揃えば、ビジネスは必ず成功します。

――この4つを揃えることが、起業するということでしょうか?

そうです。この4つを自分で揃えていくのが起業です。ですが、必ずしもこの4つの要素を“自分が”持ち合わせていないと起業できない、という訳ではないのです。

経営者によっては、自分で企画や価格を決めない方もいらっしゃいますし、僕の場合は社員の方に「企画」や「実践」を任せることもあります。4つの要素の全てを持っていないことは問題ではなく、持っていないなら人に借りればいいんです。

――人に借りる、というと?

会社をつくってお金がないなら銀行から借りるのと同じ。自分には信頼がないと思ったら、信頼のある商品や人に頼ればいいんです。大企業に入社すれば、入社後すぐに大企業の信頼を借りることができます。自分で企画ができないなら、企画が出来る人の力を借りればいい。そうやって他の人の力を借りて4つの要素のバランスを補いながら、ビジネスを進めていくといいと思います。

――この4つがないと、起業には向いてないと考えていいのでしょうか?

はい。周りの人たちが喜ぶ企画を作らず、値段を決めず、信頼がなく、実践をしていなければ起業してお金を稼ぐことは難しいと思います。ですがそんな方でも時間によって報酬が決まるという時給での働き方もあります。

芦名

――なるほど。その力を借りるという人脈形成もハードルが高いと思いますが、芦名さんは日々レベルの高い場所に身を置くのが大事だと言っていますよね。私も個人事業主になって、自分を追い込んで崖っぷち、くらいの方が自分を成長させられるんでしょうか?

環境のレベルを上げることはとても大事です。ですが、何も考えずただ闇雲に飛び込むのはやめましょう(笑)

環境のレベルを上げるということは、自分の能力を知る唯一の方法でもあります。

例えば足が速いというのは、周りが自分より遅いから自分が速い人になるわけで。環境のレベルを上げてオリンピック決勝になれば、自分の足が遅いことに気付くと思います。人はこうして周りのレベルと比べることで、自分の能力を判断するのです。

自分の本来の能力を知った上で、目標という理想を掲げ、そこに向けて戦略を組んで進むんです。自分の足が速いと過信してオリンピック決勝の舞台に立てばボロ負けしてしまうでしょう? ビジネスも一緒で、自分の実力を知ることで正しい戦略と正しい努力が見えてきます。

その時、オリンピックで優勝する!という可能性は、自身で決める必要がありますけどね。

――確かにそう思います。ですが、自分がその場所にいくのか迷ったら、どうすればいいでしょうか? 僕の場合、起業するか完全歩合制に転職するかで悩んでいるんですけれど…

論理で選択肢を決めないようにすることですね。

「いいな」と思ったら、それはあなたがいいなと思った仕事です。
「なんか微妙だな…」と思ったら、それはあなたに合っていない仕事です。

多くの人が悩むときは論理的になるのですが、論理で悩むと一生悩み続けることになります。転職より起業の方がいい論理的理由なんていくらでもありますし、転職の方がいい理由もいくらでもありますから。

決して感情にブレーキをかけず、自分が惹かれて仕方ないことをしてみる方がいいですよ。

――でも、私はこれといった特技や夢中になれることが、ぱっと思いつかないんです……

特技でなくても構いませんよ。それよりも、周りから「お前、ヤバイな。異常だな」っていわれることってありませんか? 例えば机に座っての勉強は1時間もできないのに、スマホのゲームだったら5時間はぶっ通しでできるとか。

この瞬間に、自分が何故こんなに没頭できるのか、まずは自分で分析してみてください。

自分からしてみるとそれって「つい」没頭しちゃってることでも、他人からしたら異常なことです。それがあなたの才能ですよ。

――芦名さんの場合は、どんな時に感情が高まるんですか?

僕は保険会社に入社する前に保険への興味は全くありませんでした。ですがプルデンシャルという会社にお邪魔した時に、自信に満ち溢れ動物的に強そうな先輩たちをみて「こいつら全員ボコボコにしてやりたい」と心から感情が高まりました。それが僕が保険業界を選んだ理由です。

僕はそうやって、キャリアを自分で選んできました。だから起業や完全歩合制のどちらか、というよりは自分の感情の琴線に触れる仕事を選べばいいと思います。

難しく考える必要なんて、全くありません。

Ashina’s Power Word

どんな仕事がしたいかよりも、
どんな人間になりたいかが一番大事。
素敵な人間のしている仕事は
全て素敵に決まってる。

――『突き抜ける人は感情で動く』(芦名氏著・文藝社)p184より

取材・文/大室倫子(編集部) 撮影/桑原美樹

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