転職 Vol.517

“華麗なる転身”を遂げた男たちが語る、キャリアチェンジ成功に必要な覚悟/元電通・芦名勇舗×元Jリーガー・嵜本晋輔

賢者のカタリバ!
毎回テーマに合ったゲストを迎え、自身の経験談や仕事の裏エピソードを語っていただく特別対談『賢者のカタリバ!』。各界で活躍するビジネスパーソンにとっての転機とは?これまでに経験した挫折とは?そして今後の展望とは?今後のキャリアの道しるべになる、トップビジネスパーソンたちの言葉に耳を傾けていただきたい。※このコンテンツは、2017年にtypeメンバーズパークに掲載された動画を新たに記事化したものです。

世で活躍する全てのビジネスパーソンが、順風満帆なままに成功を掴み取ったとは限らない。

今回は「華麗なる転身を遂げた男たち」をテーマに、異色な経歴を持つ二人のゲストをお迎えした。

20s type

嵜本晋輔さんは、高校卒業後に『ガンバ大阪』へ入団した元Jリーガー。しかし、わずか3年で戦力外通告を受けて退団。現在はリユース事業を手掛ける株式会社SOUの代表取締役社長を務めている。

そしてもうひとりのゲスト、芦名勇舗‏さんは、本サイトにも度々登場する伝説の営業マンだ。

>>芦名さんの記事はこちら『転職で年収17倍!「能力ではなく可能性を信じる」26歳アメフト元日本代表営業マン、芦名佑介の仕事哲学

20s type

電通でコピーライター職を経験した後、プルデンシャル生命保険で営業の才能を開花させた芦名さん。

その後、同社を退職して単身渡米。ハリウッドのステージで俳優デビューを実現した。現在は帰国して芦名表参道株式会社を設立し、講演活動などを中心に活躍している。

ドラマチックな経歴を持つお二人が現在のポジションを確立するまでに、一体どのような紆余曲折があったのか。歩んできた道を辿る中で、劇的なキャリアチェンジに対する「覚悟」が見えてきた。

進化し続ける“自分の理想”に忠実に動いた

——最初にお二人が現在手掛けているビジネスについてお伺いします。まずは嵜本さんの事業についてお聞かせください

嵜本:貴金属や時計、ブランド品のリユースがメイン事業です。個人のお客さまから買い取りさせていただいた物を、同業の企業さまに対してオークション形式で販売しています。まだ資金的な体力がなかった起業当時から、同業者への販売というスタイルをとることで利益をスピーディーに確定させ、成長してきました。

——続いて芦名さん、芦名表参道株式会社の事業内容について教えて頂けますか?社名では「芦名さんの企業」というヒントしかないのですが……

芦名:僕の個人事務所と言えば分かりやすいかもしれませんね。事業内容は、僕ができること全てです。コピーライティングや講演など、世の中に向けてメッセージを伝えていくための会社です。

——現在に至るまでに異色な経歴を歩んできたお二人ですが、社会に出た当時から、今の自分の姿を想像していましたか?

嵜本:全くしていませんでした。サッカーで食っていくんだと決めていたので、サッカーのことしか考えていなくて。戦力外通告を受けて、初めて将来を考えるようになりました。

芦名:僕は最初に電通へ入社した時に、「自分が理想とする男前像にここでは近づけない」と思ったんです。例えばスポーツであれば、頑張らなければ試合には出られないですよね? でも、会社員は頑張らなくても働いた時間に応じてお金がもらえてしまう。このまま会社にいたらダメになってしまうなと感じたんです。

——芦名さんは電通を退職した後、プルデンシャル生命保険に入社していますよね?

芦名:電通を辞めて、次は何をしようかと考えていた時にたまたまヘッドハンティングの電話がかかってきたんです。「待ってました」と思いました。

その後渡米したきっかけもそう。自分の理想は常に進化し続けるので、膨らんでいく理想に僕は一生追いつけないんです。だから、常に追いかけている感じですね。

「捨てた」決断が正しかったと証明するために、今のキャリアと本気で向き合う

——お二人にとってのキャリアのターニングポイントは?

嵜本:ガンバ大阪から3年で戦力外通告を受けた時の「サッカーから離れる」という決断。その決断が間違っていなかったと証明するためにも、次のキャリアではとことん努力してやり続けないといけないと思いました。

——芦名さんも頷いていますね

芦名:スポーツ選手って、「捨てる」「辞める」という経験があまりないと思うんです。だから体育会系の人間は「辞める」ということがすごく下手。なので僕にとってのターニングポイントも、電通を辞めた時なんですよ。それまでは何かを辞めるという経験をしたことがなかったので。

——電通を辞めた時、心境の変化はありましたか?

芦名:「電通を辞めたからには!」とは思いました。世間の人が「電通を辞めるなんてもったいない」と言うのも理解できるので、それを超えられるかどうかは自分次第だなと。それって、嵜本さんが言うことに似ていると思うんですよね。「サッカー選手を辞めたからには、それ以上のものにならないと」という感覚が、僕にもありました。

——ターニングポイントのおかげで変われたと?

嵜本:いつ何時、事業がどうなるか分からないですし、私自身がどうなるかも分からない。そんな中、過去を振り返った時に「あの時にこうしていれば良かった」と思うシーンが少なければ少ないほど、成功する確率も成長する確率も上がりますよね。自身が戦力外通告を受けたことで、目の前のことに危機感を持って取り組めるようになったと思います。常に危機感のある、現状不満足野郎ですね。

——芦名さんは、過去の経験が生かせている点はありますか?

芦名:ほぼ100パーセント生かせていますね。というのも、自分のやりたいこと・叶えたい姿に対して努力することが、アスリートはとても上手いんです。目標のために、睡眠も、食事も、思考も管理しますから。ビジョンを不透明にされたり、第三者の邪魔が入ったりといった障害さえなければ、アスリートはビジネスにおいても最短距離でゴールに向かうことができると思います。

※この対談は動画でも視聴することができます。


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