Instagramフォロワー数30万人超! 植野有砂が“遠慮がちな20代”に物申す「世の中を変えるのは私たち。もっとエネルギーを爆発させて」
「自分らしい働き方ってなんだろう」。社会に出てから数年経つと、ふと立ち止まって考えることも増えてくる。
日本と海外のファッション文化を融合させたニュータイプのギャル、「ネオギャル」の代名詞としてマルチに活躍する植野有砂さんも、そんな悩める若手の一人だった。
2011年、大学在学中からアパレルブランド『FIG&VIPER』をスタートさせて7年目。目の前にある日常業務をこなしていくことで、日々はあっという間に過ぎていった。
『FIG&VIPER』のプロデューサー、フォロワー30万人以上のインフルエンサー、モデルやDJとしての活躍……今や20代のトップランナーとして活躍する植野さん。30代が間近に見えてきた今、残りの20代をどう駆け抜けていきたいと考えているのだろうか?
今の20代って、皆遠慮し過ぎじゃないですか?
「今って皆が遠慮しちゃってるというか、勢いがあって目立つ同年代がいないなと感じてるんです。私よりも若い世代もそう。もっと業界を盛り上げるような若い子の存在があってもいいのにって思うんですよね」
植野さんがそう考える理由は、彼女自身が20代前半、モデルとして、そして裏方であるブランドのプロデューサーとして“ガムシャラ”に働いてきた経験があるからだ。
「私は周りよりも早い段階からとにかく仕事をしてきました。先を考える余裕すらないぐらい働いてきたから、両手を使ってやってきた仕事も、いつしか片手でできるようになったんです。だから28歳になった今、他のことにも手を広げることができるんだと思います」
仕事に対してがむしゃらに立ち向かってきた理由。それは、「周囲の人に必要とされたい」という思いが大きかったと、植野さんは話す。
「ブランドの仕事を始めたころは、『20歳なのに、21歳なのにすごいね』と言われるのが嬉しくて。いい意味で周囲の期待を裏切りたいという思いが強かったです。また若いうちに積んだ経験の量でその先の人生が変わっていくと信じていました。だからぎゅっと濃縮して、人よりも何倍も人生経験豊かな24歳、25歳になりたいなと思っていたんです」
プロデューサーとしての裏方の仕事と、モデルやDJとして表に出る仕事の切り分けは、あまり意識していない。むしろ、両方を経験しているからこそ、双方に良い影響を与えられると感じている。
「ブランドの一員として裏方仕事をしていると、表に出る仕事のときも、自分の何が評価されてこの場に呼ばれているのかを意識できるようになります。逆に裏方としてタレントさんに仕事をオファーする際には、これを伝えたほうが分かってもらいやすいだろうとか、マネジャーさんはこう考えるだろうといった先回りができる。こういった点が、両方を知っている私ならではの強みかもしれませんね」
全力疾走の自分に、少しだけブレーキをかけようと思った理由
そんな植野さんは、以前インタビューで、「仕事とは生きること」と断言していた。けれど、28歳になり、30歳をリアルに感じるようになってきた今、少し気持ちが変わってきたという。
「これまでは、立ち止まるのが怖かったんです。スケジュール帳に空白があるのがとにかく嫌だった。だから仕事でも遊びでもどんどん予定を詰め込んでいたけれど、最近は家でゆっくりと過ごす時間も好きになってきました。そんなときに、『なんで私はこんなに忙しくしているんだろう?』と考えるようになって。だからと言って何でも詰め込んでしまう生き方は変わらないし、仕事をセーブしようとは思いませんが、のんびりとしたライフスタイルというのも一つの価値観なんだなと理解できるようになってきました」
異なる考え方を受け入れられるようになったのは、やはり年齢を経たからだと植野さんは言う。
「将来を考えられるようなパートナーと出会って、仕事に対する取り組み方が少し変わりました。自分の経験はすべて自分のためと思っていたけれど、まだ見ぬ子どもを育てるため、将来子どもにシェアするためという要素も頭をよぎるようになりましたね。私はいつもスケジュール帳に日、週、年単位でプランを考えて書き込んでいるんですが、その時に今のパートナーやいつか生まれる子どもという存在が現実味を増してきます。ブランドは続けていくし、出産しても働き続けるつもりですが、今の自分の課題は公私のバランスを考えながら生活を整えていくことかなと思っています」
全力で仕事をし続けてきた植野さん本人も、「女性って20代後半になるとこんなに考え方が変わるんだと驚きました」と笑う。数か月先のスケジュールまで埋まっているという状態で、気付けば1年2年過ぎているというスピード感もいいけれど、少しブレーキをかけることも覚えたいと話す。
一人で抱えて悩むぐらいなら、近くの人に聞いてみよう
自分自身の強みを見つけ、それを実直に伸ばし発揮してきた植野さん。もし、自分の価値や強みが分からないと自信喪失気味の人にアドバイスをするとしたら?
「自分の価値が分からなければ、人に聞いてみたらいいと思うんです。友達、会社の同僚、上司、誰でもいい。上司に聞いたら、部下に頼ってもらえたことを喜ぶと思うんですよね。そこで思いがけないことを褒められたら、それを入り口に膨らませていったらいいんじゃないかな」
植野さん自身も、思いがけない強みを教えてもらった経験がある。ブランドに携わったばかりの頃、まだまだ自分に自信がなかった植野さんに対し「人と接するのが上手だよね」と褒めてくれた人がいた。そう言われてからというもの、人と接するのが苦にならなくなった。
「私の仕事は、全て人が関わっているんです。クライアントさんはもちろん、会社の人、ショップスタッフ、服を買ってくださるお客さま。そういう人に対して何をどう説明するか、どう付き合っていくかに関して、自信を持たせてくれた一言でした」
ほんの小さなことでもいい。人よりタイピングが早いとか、正確だとか、その程度でも構わない。仕事全体に自信を持とうと思うと大変だけれど、細分化したひとつであれば、20代であっても何かしら強みが見つかるはずだ。
そんな小さな自信を積み重ねていけば、そこそこの大きさの自信につながる。やがてその自信が性格にも反映されて、ポジティブになっていくはずだと植野さんは言う。
やり切ったからこそ思う、「次は才能ある若手を世に出したい」
強みといえば、植野さんはインスタグラムでの投稿を英語で発信している。おかげで海外からも注目される存在になった。「英語が話せるプロデューサー」はあまりいないからと、戦略的に勉強を重ね、自身の強みだと胸を張れるレベルにまで高めてきたのだ。
「未だに英語は勉強し続けています。仕事で英語を使う機会は多くなってきましたが、今でも目新しい単語が出てくるんですよ。ある程度自分で納得できるレベルにならない限り、他の言語に手を出したくないなと思っていて。次はスペイン語を習いたいんですけれどね」
裏方の現場と表に立つ仕事の両面を知っている、英語に強いといった強みを活かし、次にチャレンジしたいと考えているのが、若いアーティストに対する総合的なコンサルティングだ。ファッションを含めたビジュアルの監修、世界に発信していくプロデュースなどを手掛けていきたいという夢がある。
だからこそ、今でもがむしゃらなインプットを意識しているという植野さん。人よりも多く積み上げてきた経験値をまとめつつ、さらにインプットをして精度を高め、アウトプットに活かしていきたいと考えている。ただ、プロデュースしたいと思えるようなエネルギッシュな若い子に出会えないのが、目下の悩みだ。
「私は作り手として、私が良いと思う世界観を一人でも多くの人と共有したいと思っています。そのことに何一つ疑いを持っていないし、自分で自分の在り方に納得しています。そんなポジティブなエネルギーを持っている人が増えていくといいなと思うし、エネルギーを発する若い子に出会いたいですね」
取材・文/朝倉真弓 撮影/竹井俊晴
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