キャリアVol.540

「うさんくさいことを避ける若者はチャンスを見逃してる」HIKAKIN所属・UUUM代表が“普通の総務”から話題の新興企業トップになるまで

成功を掴み、夢を叶えた30代の大人たちは、20代で何に悩み、何に躓き、何を乗り越えてここまできたんだろう。新時代の“カッコイイ大人”を目指すべく、先輩たちが歩んできた道のりや20代でした大きな決断について聞いてみた。

本特集2人目に登場するのは、UUUM株式会社の代表取締役・鎌田和樹さん。国内チャンネル総登録者数No.1のHIKAKINをはじめ、日本を代表するYouTuberが所属するマネジメントプロダクションを、30歳を目前に起業した。

順風満帆なサラリーマン生活を手放し、ニート生活を経て、昨年にはマザーズに上場。大胆な行動を支えるのは、超シンプルな座右の銘だ。

UUUM株式会社 代表取締役 / CEO 鎌田和樹さん

UUUM株式会社 代表取締役 / CEO 鎌田和樹さん

19歳で大手通信会社へ入社。総務業務、出店担当として活躍。ショップ運営、アライアンスなどさまざまな経験を積む。数々の功績を残した後、孫泰蔵氏との出会いをきっかけにベンチャーの道へ。その後、HIKAKINとの出会いを受けて30歳を手前に独立

仕事が全てだった20代。給料アップに反比例してモチベーションは下がっていった

20代のころは将来のキャリアなんて、全く考えていなかったです。入った大学は即辞めて、19歳で就職して以来、全ての時間を仕事に費やしていました。3日間徹夜したり、日帰りで北海道や沖縄に出張に行ったり。土日に仕事をすることも多くて、たまの休日は疲れ果てて夕方まで寝る。そんな生活を送っていました。

今でこそゲームや漫画は大好きですけど、当時はスマホもないし、家で趣味に費やす時間もない。だからその時期の記憶が、ぽっかり空いているんですよ。流行っていたものが分からなくて、今カラオケに行くと「この年代ってこんな曲があったんだ」って初めて知る、みたいな。当時は仕事のために、それ以外の余分なものは削いでいたんだと思います。楽しむという経験も仕事で得ていました。

鎌田和樹さん

こう話すと、なんか悲しいですね(笑)。でもその当時は、仕事が全てだと思っていましたし、虚しさを感じることも、疑問に思うこともなかったんです。

ただ、20代後半に差し掛かったころ、「このまま30歳になっていいのか」と考え始めるようになりました。30代はビジネス人生において脂が乗ってくる時期。でも、勤めていた会社での仕事は一回りやり終えた感覚があって。19歳から5年間総務をやって、次の5年で携帯電話の事業をやって、その先の5年が描けなかった。だから給料がアップしていくのと反対に、モチベーションはどんどん下がっていました

そんなことを考えているタイミングで、ガンホーの孫泰藏さんに仕事でお会いする機会がありました。そこで泰藏さんから「くすぶってるぐらいだったら、次のことを考えたら?」と言われてはっとさせられて。会社には、大学中退のプー太郎だった僕を拾ってもらったという感覚が強かったから、辞めるなんて発想がそもそもなかったんです。

それで即、辞表を出しました。会社に居続ければサラリーマンとして悪くない将来が送れただろうけど、それでも辞めようと思うのなら、まぁそれでいいんだろうなって。

20代の強みは“若くて無知”なこと。「運は実力のうち」の本当の意味を知ろう

これは僕の性格だと思うんですけど、こうと決めたら待っていられないんですよ。だから辞めたあとのことは何も考えてなくて、まんまとニートになりました。でもその時は次が決まっていないことへの不安に気が付かないほどアホでして(笑)、どうにかなるだろうと。そうでもしないと辞めるきっかけがなかったんですよね。今だから言えることですが、安定って阻害要因だと思うんです。もし先が決まっている状態だったら、これほど頑張れていなかったかもしれません。

最初は泰藏さんに会社を紹介してもらったりもしたけど、最終的には自分で会社をつくりたいと思いました。特にアイデアはなかったけど、せっかく会社を辞めたんだから「とにかく楽しいことをするんだ」って決めて。自分が納得できて、好きで、やりたいと思えることだけをやろう。そこで思いついたのが、もともとスゴイなって思っていたYouTuberのHIKAKINの存在。彼のようなクリエイターたちをサポートしていきたいと思って、UUUMをスタートすることになりました。

鎌田和樹さん

「好きなことで生きていく」ってクリエイターもよく言いますけど、そのためには20代で食わず嫌いをせず、何でも体験すべきなのかなと思います。クリエイターをマネジメントするUUUMの事業は、僕が総務で得た経験が生きていますが、仮に今20代前半でやっていたような請求書の処理をやれって言われたらやらないですもん。無知ゆえに動けた20代と、経験やズルさを身に付けた30代は、やっぱり違う。経験を積もうと思っても、だんだん積めないことが出てきます。

だって、過去って伝説になっちゃうじゃないですか。例えば「めちゃくちゃ楽しかった高校時代」って、もう絶対に追い抜かせないと思いません? 仕事も同じで、あれだけがむしゃらに働いた20代のインプット量は、もう一生超えられないような気がするんです。だから、20代はインプットの時間でいいんじゃないかな。仕事でも趣味でもいいから何かに打ち込んで、貪欲に吸収する。貯金なんて気にせず、入ってきたお金も全部使えばいいと思うんですよね。

そういうと、「鎌田さんは、泰蔵さんやHIKAKINと出会えたから」と思うかもしれません。実際に僕は運がいい人間で、HIKAKINをはじめ、これまで関わった一人一人との縁が繋がって、それが仕事に生きています。でも運がいい理由は単純で、僕が動き回っていたからなんですよ。1週間で100人と会う人と、10人としか会わない人、いい出会いに巡り会える可能性が高いのは、当然前者ですよね。「運も実力のうち」って言葉の意味は、つまりそういうことなんだと思います。

「うさんくさい、は大ヒットの予兆」。大切なのは、スピード感や市場をこじ開ける力だ

僕みたいに次が決まっていない状態で会社を辞める20代がいたら、「バカじゃん?」って言うとは思います(笑)。でも、もしやりたいことがある人にアドバイスするとしたら「やればいい」の一言ですね。

若い子たちが、やりたいことがあるのにできない理由って、何なんでしょうね。ネガティブな理由をポジティブに変えればいいだけなんじゃないかって気がします。成功した時のことをもっと考えた方がいい。

周りの人があれこれ言うこともあるけど、彼らが責任を取ってくれる訳ではないし、親だって先に死にます。結局は価値観の問題なんだから、決断は自分にしかできないんですよ。

鎌田和樹さん

僕が今20代に戻ったら、ブロックチェーンで事業をすると思うんですけど、きっと周りの人はとやかく言うでしょうね。新しいものって、総じて「うさん臭い」と扱われるから。でも、そんな声は無視して、自分がいいと思ったものに突き進めばいいと思うんです。

それに、風評は変わるんですよ。YouTuberも最初は怪しいと思われていたけど、毎日新聞に「小学生のなりたい職業はYouTuber」って記事が出てから、一気に潮目が変わりました。

つまり、“怪しい”はチャンスでしかない。開拓すれば競合がいないところからスタートできるわけですから、むしろ大ヒットの予兆くらいに考えておけばいい。大切なのは、スピード感や市場をこじ開ける力です。

仕事で失敗しても死刑は宣告されない。悩む時間があるなら、やればいい

僕は起業前に、一生に一度の人生だということをすごく考えました。やってダメなら戻れるけど、やらずにダメだったら、もう戻れない。そこを天秤にかけて、納得できる選択をしていくしかありません。一番大事なのは、決めること。どうしようかなって悩んでいる時点で、本業がおろそかになっているわけじゃないですか。それなら、即やればいい。もしくは、やらないってきっぱり決める。

僕の座右の銘は、「仕事で人は死なない」。借金10億円を抱えたとしても、死ななければいけない理由はありません。仕事でどれだけマイナスなことをしても、裁判で死刑宣告は出ません。だからやっぱり、「やればいいじゃん」の一言に尽きると思いますね。

鎌田和樹さん

仮に60歳まで仕事をするとしても、30歳なんて仕事人生の初期。20代なんて赤ちゃんみたいなもんです。これからずっと仕事をしていくんだから、ピークを20代に持ってくる必要はありません。第一、ピークを迎えたら、残りはもう衰退しかないんですよ。少なくとも僕は、仕事を辞める時までピークなんて迎えたくないですね。

取材・文/天野夏海 撮影/赤松洋太

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