転職 Vol.567

【20代の転職失敗談】大手企業を入社3年目で退職。夢だった業界に飛び込んだ25歳の末路

type編集部が回避法をレクチャー!
入社した会社でまずは数年頑張らなきゃ、なんて一昔前の話。今では20代の転職希望者も、若手を採用したい企業も増えてきた。 とはいえ「そろそろ自分も……」と思っても、初めての転職は分からないことだらけ。せっかくの貴重な20代を、失敗で終わらせたくない! そこで、typeに訪れた「20代で転職に失敗した人」たちのエピソードを、type編集部のアドバイス付きで紹介。先輩たちの経験談から、‟失敗転職”の回避法を学んでいこう
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27歳(未婚男性・年収300万円)Eさんのケース 22歳 関西の有名私立大学を卒業後、大手損害保険会社の事務として就職(年収300万円)
25歳 中規模の個別指導塾に講師として転職(年収300万円)
転職活動期間:1カ月
希望条件:前職より高い給与、通勤30分以内、座って教えることのできる個別指導
妥協した条件:給与(前職より上がらなかった)
応募社数:5社、書類選考通過:3社、1次面接通過:2社、内定社数:2社

誰もがうらやむホワイト企業に就職したが……
仕事にも会社にも、全く興味が持てない

今回紹介するEさんは、新卒で大手損害保険会社に就職。事務職として入社し、安定した生活を手に入れていた。

「もともと教育業界に憧れがあり、大学の時には教員免許を取得していました。ですが就活の時、ダメ元で受けた大手損保に内定が貰えて。正直、扱っている商品や業界には全く興味がありませんでしたが、誰もが知る有名企業ですし、勤続年数に従ってどんどん給料が上がっていく会社だったんです。思わず、気持ちが揺らいで入社を決めました。

実際に働いてみると、大企業なだけあって、とても良い会社でした。仕事はきっちり定時に終わり、たまに残業があっても、もちろん残業代が支払われる。土日は休みでしたし、年に2回の長期休暇もありました。人間関係も、比較的良好だったと思います」

20代の転職失敗談

誰が聞いても “ホワイト企業”だったという前職。Eさんにとっては一体この会社の何が不満だったのだろう。

「致命的だったのは、私自身が保険商品に全く興味が持てなかったこと。繰り返される新入社員研修にも、前向きに取り組むことができず、仕事が苦痛でたまりませんでした。そこでふと、教育業界への憧れを思い出したのです。

こんなに良い会社なのに、辞めてしまっていいのだろうかと何度も悩みましたが、最終的には『一度しかない人生、好きなことをして働こう』と考え、転職を決断しました」

それはEさんが入社3年目、25歳の時だった。

「どうせ、嫌になったら辞めるんでしょ?」
面接で突きつけられた、第二新卒への厳しい言葉

いざ転職活動を始めて直面したのは、「どうしてそんなに良い会社を辞めるの?」という質問攻めだった。

「教育業界でどうしても働きたかったんです、と正直に答えても、『そのうち教育にも興味がなくなるのでは? またすぐ辞めるんじゃないの?』などと、何度も面接で聞かれました。

転職活動をしている人の中では若い方でしたし、前職の勤務年数も短かったので、長続きしないタイプだと思われてしまったようです」

厳しい現実をつきつけられたEさんだが、それでもめげずに転職活動を続けた。最終的には、職種を変え有名個別指導塾の講師として、正社員採用。憧れの、教育業界で働き始めることになった。しかし、待っていたのは前職とは全く違う、ブラックな職場環境だったと肩を落とす。

「募集要項には、手厚い研修と万全なフォローがあると書かれていて、安心していたんです。

ところが入社してみると、研修は一切なく、いきなり現場に放り込まれました。後で人事担当に聞いてみると、最初に研修があるのは、新入社員だけなんだそうです。

現場では、誰にも教えてもらえず戸惑っている僕を、邪魔者扱いするばかり。何もできずおろおろしていると、ぼんやりするなと怒鳴られ、教えてくださいとお願いすれば、忙しいのに何言ってるんだと怒られる。他の人のミスも、僕のせいにされるなど、人間関係は散々でしたね。

それと、入社してすぐに確認されたのが、終電の時間です。その後は毎日のように終電までサービス残業。一日の大半を職場で過ごし、家にも仕事を持ち帰る日々です。

人間らしい生活を失い、睡眠不足もそろそろ限界。体調不良の日も多く、時折めまいがする始末です。20代後半になってきて、これではいつか倒れてしまうと気が気じゃありません」

20代の転職失敗談

さらに、Eさんは、転職活動中に“あること”に気付かなかったことを後悔していると続けた。

「社員構成を見てみると、ほとんどが新卒1~2年目の若手か、40歳以上のベテランでした。会社は、大量採用する一方で、どんどん人が辞めていて、中堅の社員がいないんです。年齢が高めの社員ばかりだったので、長く働ける会社なのだろうと勘違いしていました。入社前に、若手とベテランのバランスを、もっとよく見ておくべきだったと後悔しています」

「心機一転」は転職市場で通用しない!
type編集部からのアドバイスをCHECK!

type編集部 ミツコ

type編集部 ミツコ

今の仕事に嫌気が差すと、「業種も、職種も、全て変えて、心機一転を図りたい!」と、これまでのキャリアを“なかったこと”にしたくなる人は少なくありません。

しかし、基本的に中途採用はこれまでの経験をベースに判断する場。全く違う業種で、全く違う仕事を希望するのは、意外と難しいのです。

Eさんの場合、最初の仕事が「損害保険会社の事務職」だったので、いきなり異業界・異職種である、講師の仕事へキャリアチェンジするのは、得策ではなかったかもしれません。この場合オススメしたいのは、「経験が活かせて、ゆくゆくは希望職種に就けるような仕事」です。

例えば、同じ会社の中で、人事部の新人育成担当を希望したり、教育業界で総務の仕事で損害保険の知識を活かすなどの方法です。

「社内異動なんて、無理じゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、外から新しく人材を採用するには、多大なコストがかかるもの。新人育成のようなバックオフィス業務なら、社内異動で賄う方が、企業にとってもコストを抑えることにつながります。なので、「無理」とは言いきれません。

いずれにしても、「前の仕事が嫌になったから」という転職理由は絶対NG。「これまでの経験から、新しい仕事にチャレンジしたいと思った」という言い方がマストです。

Eさんもまだ20代。キャリアを最大限活かして、希望の転職が叶う方法はないか、もう一度じっくり考えられるといいですね。

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取材・文/石川香苗子


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