転職 Vol.575

29歳アパレル販売員の勘違いに学ぶ! 企業選びで注意したい“制度”のハナシ【20代の転職失敗談】

type編集部が回避法をレクチャー!
先輩たちの“転職失敗”体験談
入社した会社でまずは数年頑張らなきゃ、なんて一昔前の話。今では20代の転職希望者も、若手を採用したい企業も増えてきた。 とはいえ「そろそろ自分も……」と思っても、初めての転職は分からないことだらけ。せっかくの貴重な20代を、失敗で終わらせたくない! そこで、typeに訪れた「20代で転職に失敗した人」たちのエピソードを、type編集部のアドバイス付きで紹介。先輩たちの経験談から、‟失敗転職”の回避法を学んでいこう
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29歳(独身女性・年収200万円) D子さんのケース 20歳 服飾系の専門学校を卒業後、アパレルブランドの販売スタッフとして就職(年収240万)
28歳 キャリアを積むにつれ、成績よりも年功序列な報酬の設定に悩むように、転職を決意(年収250万円)
29歳 ブライダルドレス会社に販売職として入社。現在、転職活動中(年収200万円)
転職活動期間:3カ月
希望条件:頑張りが評価される、残業が少ない、給料が前職より高い、育休・産休制度がある
妥協した条件:研修期間中の給料が低い、通勤が1時間以上かかる
応募社数:3社、書類選考通過:3社、1次面接通過:3社、内定社数:2社

大好きなファッション業界での仕事。
しかし「結果よりも年功序列」な企業体質に嫌気が

服飾系の専門学校を卒業後、念願だった某アパレルブランドの販売スタッフとしてキャリアをスタートさせたD子さん。

「大好きなお洋服に囲まれながら仕事ができて、毎日楽しかったですね。仕事で結果が出る度に、自分自身の成長につながっていると感じ、やりがいもありました」

好きなモノに囲まれながら、楽しくやりがいも感じられる仕事は幸せだった。しかし、同じ会社で7年間働き続けることで、その思考は一変。ある違和感を覚えるようになったという。

「その会社は、年功序列の考えが根強く残る、いわゆる古い気質だったんです。どんなに働いていても、きちんと結果を残したとしても、報酬は一定のところまでしか上がりませんでした。成績の良し悪しを問わず、長く勤めているという理由だけで、自分より高い給与をもらっている先輩が多いのは、納得できません。そのことを上長に相談しても、右から左に聞き流すだけで、何も改善されなかったんです。

気付けば私は28歳になっていて、これからのキャリアを考えた時に、転職するのにはギリギリの年齢だなと。もっと正当に評価してくれる会社に転職をしようと決意しました」

自信があったからこそ、「評価制度がきちんとしている」会社を探す日々

転職失敗談

今まで培ってきたスキルには自信があったので、とにかく「自分の力を試してみたい」。その一心で、正当に評価してもらえる制度があることを条件に、転職活動を始めたD子さん。販売員の経験を活かすために、ウェディングドレスを販売する企業への入社を決めた。

「入社した直後は、”見習い“扱いでした。そのため、前職よりも給料は安かったんです。でも、評価制度があるということは、きっと成果を出せば給料も上がるはずだとポジティブに考えました。これまで培ってきた接客スキルには絶対的な自信があったし、『実力を出せばいいんでしょ?』と考え、入社することにしました」

「評価されたい」その一心でつかんだ内定。しかし入社後、思わぬ落とし穴が…

しかし、D子さんの決断は思わぬ方向へ。入社後すぐに「失敗転職」だと気付いたと言う。

「実績を出せば、評価してくれる会社だと信じて入社しました。しかし実態は、実績を出しても、見習い期間を過ぎても、給料は一向に上がらなかったんです……。疑問に思って上司に確認すると『評価はするけど、給料は変わらないよ。ちなみにボーナスもないよ』と告げられました。

評価されて年収を上げたいと願って転職したのに、思わぬ落とし穴にショックを受けました。年収は転職前から50万ほどダウンです。お客さまを獲得した月のインセンティブはありましたが、それは微々たる額でした。

大好きなお洋服を買う余裕もなくなり、それどころか前職の頃の服を売って生活費を賄う日々です。友人と飲みに行くこともできなくなって、飲み友達も失ってしまいました。それでも、お金は全然足りません。交通費を少しでも節約しようと自転車を買い、毎日1時間ほどかけて通勤しています。

しかも、安い給料の上に残業も多いんです。私は30歳を目前にして、『こんなはずじゃなかったのに……私は何のために働いているんだろう……』と悲しくなりましたね。

自分の力を試したいから、と条件を確認せずに前のめりになってしまったことを後悔しています。評価制度に期待を寄せすぎていて、具体的にどのような制度なのかを確認していなかったんです。一番気にしていたところなのに、浅はかでした。でも、文句を言っていてもしょうがないので早めに切り替えて、今は別の会社に転職しようと奮闘しています!」

type編集部からのアドバイスをCHECK!

転職失敗談

D子さんの転職活動が「失敗」してしまった理由は、「評価制度がきちんとある=給料に反映される」というイメージだけで、転職を決めてしまったこと。今回の転職先のように「評価制度がある」といえど、お給料にそれが反映されるとは限らないことも、しばしばあるのです。

同じ名前の制度だとしても、会社によって内容はさまざま。これは評価制度に限らず、昇給制度や産前・産後休暇などの各種制度についても同じことが言えることでしょう。気になる制度は、その会社ではどういった内容なのかを確認することが大切です。

例えば、今回のD子さんの場合は「評価制度」という言葉だけを鵜呑みにせず、「どのようにすれば、どういった評価を受けることができるのか。評価を受けたら、どのように還元されるのか」ということまで確認するべきでした。

また、ご自身で振り返っているように「自分を過大評価して、実力があれば厳しい待遇でも問題ない。実力を残せたら昇給できるはず」と考えるのは非常に危険です。制度同様、昇給もその幅は会社によってさまざまですから。

次回転職するときは、面接時に「本当に自分が望むことが叶うのか」ということをどんどん質問することをおすすめします。また、自分の中で“譲れない条件”がぶれないように、整理することも有効でしょう。

D子さんは「28歳で年齢的な焦りがあった」と言っていますが、20代後半は転職市場で価値が下がる年齢ではありません。まだまだ挑戦できる年代ですから、次回は良い会社と巡り合えることを応援しています!

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文/於ありさ


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